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タイムスリップ夫の逆襲!?〜坂口あやめの悲喜こもごも:娘、小学生編2 〜『未来の運動会が大激走!? エクソスーツで大混乱!』

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月26日
  • 読了時間: 6分

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1.小学生初の運動会が近づく! しかし、また嫌な予感…

 老舗出版社「米星社」の文芸編集者・坂口あやめ。 未来からの侵入者たち(トレンチコート夫・未来版やスパンコール姑、筋肉警察・カリブなど)に幾度となく振り回されてきたが、ついに娘は小学生に。 「これで落ち着くと思いきや、また新たな行事が待ち受けている…」 そう、春が過ぎて初夏に差しかかり、小学校では**「1年生にとって初めての運動会」**が準備されていた。

 「娘もまだ学校に慣れきらないうちに、いきなり大舞台だわ…でもきっと楽しんでくれるはず」と、あやめは張り切っている。 だが同時に、「運動会といえば、幼稚園でも未来ロボやらトラブルがあったよね…もう同じ目には遭いたくない…」と、胸騒ぎを拭えない。

2.筋肉カリブの通報「未来運動会プロジェクト…嫌な匂いしかしない」

 案の定、ある朝、あやめのスマホにカリブからメッセージ。 > カリブ:「やあ、あやめさん。またすみません。今度は“未来運動会プロジェクト”なる団体が過去にやってきてます。 >  なんでも『子どもの体力不足を解消! 未来式エクソスーツで最速の徒競走を!』とか言ってるらしく…正直嫌な予感しかありませんね…」

 あやめは眉間にシワを寄せ、「未来式エクソスーツって、まさか子どもが装着して走るとか…? それ絶対危ないじゃん…」とガックリ。 「また余計なことを…」と溜め息をつきつつ、今度は小学校という広い舞台でドタバタが起きないよう祈るしかない。

3.初めての運動会練習、娘は「がんばる!」と気合満々

 運動会が近づき、1年生の娘は毎日「かけっこ」の練習や「玉入れ」の練習をしている。 「ママ、わたし意外と足速いかも! でも2組のあの子がもっと速いんだ〜」などと嬉しそうに語り、あやめも「そうなんだ、じゃあ応援するね!」と笑顔で応じる。 体育教師の先生も「子どもたちが元気に汗をかいて走る姿が大切」との方針で、特に変わった演出もなく、昔ながらの運動会を準備している様子。 「このまま何も起こらなければいいんだけど…」 とあやめは淡い期待を抱く。

4.本番直前、校庭に“未来エクソスーツ”が配送される!?

 運動会の2日前。校庭で先生たちが最終準備をしているところに、やたら大きな段ボールがトラックで届く。送り主は「Future Sports Project」—やはり来た! 先生が「こんなの頼んでませんけど!?」と戸惑うと、白衣を着た男性・女性が降りてきて、「無料サンプルです! 運動会で子どもたちが目覚ましい成長を実感できる**“未来式エクソスーツ”**をぜひお試しください!」と強引に売り込み。 例によって学校サイドは「そんなの必要ない! 安全面はどうなる!?」と拒否するが、「大丈夫、子どもの体格に合わせて衝撃を吸収しますから!」と強引モード。 —この光景を見たあやめは(ああ、またやらかすのね…)と頭を抱える。

5.一部の保護者がノリ気「速く走れるなら、うちの子つけたい!」

 驚くことに、周囲のママ・パパの中には「うちの子、運動が苦手だから、エクソスーツでカバーできるなら…」と興味を示す人も出てくる。 連盟リーダー(白衣女性)は「そうそう、このスーツを着れば足腰をサポートし、徒競走で転んだりしません! さらにトップスピードが2割増し!」と煽り、**“うちの子に着せてみたい”**と申し込む親がちらほら。 娘のクラスでも「いいな〜、速く走れたらカッコいいよね」とワクワクする子が出てきているらしく、あやめの娘まで「ママ、わたしも着たら勝てる?」と聞いてくる。 あやめは苦笑しながら「ダメよ、そんなのズルいし、安全かわからないじゃない」と釘を刺す。

6.運動会当日、エクソスーツ装着の子が続出!?

 そして運動会当日、校庭に集合すると、なんと数名の子どもが腰や足にメカニックな装置を取り付けて登場。「これで僕速く走れるもん!」「今日のレースは勝つぞ!」と妙に自信満々。 先生たちは苦い顔で「装着を認めてないんだけど…なぜか親が強引に着せてるケースが…」と嘆く。 あやめの娘は「すごいな〜…でもなんか変…」と複雑な表情。 連盟の白衣メンバーはゲスト席から「さあ、エクソスーツで子どもたちの可能性が広がる!」と得意げに見守る。カリブは早くもスタンバイしているが、「嫌な展開の予感しかない…」とため息。

7.競技スタート→エクソスーツ子が暴走&転倒続出!

 いよいよ徒競走。1年生がスタートラインに並ぶと、エクソスーツ組が「やったるぞ!」と気合十分。スタートの合図が鳴り、一斉に駆け出すが… ビュンッと異様な加速をみせたスーツ組が、コントロール不能になり、**「わわわ!」と派手に転倒! 体が投げ出され、あやめの娘や他の子を巻き込みそうになる危険シーンに。 幸い先生が咄嗟に制止して、大きな怪我はなかったが、あやめは青ざめる。「やっぱり言わんこっちゃない! めちゃくちゃ危ないじゃない!」 連盟リーダーは焦りまくり、「こんなはずじゃ…風の抵抗が計算外だったか…」と狼狽。さらにスーツが「力加算…力加算…」**と暴走し、子どもの足にビリビリと負荷をかける。 「ぎゃあ、苦しい!」と子どもが叫び、周囲は大混乱!

8.娘が声を上げる「自分の足で走るから楽しいんだよ!」

 この緊迫シーンで、あやめの娘が一歩前に出て大声を張り上げた。 「そんなの着たら、走ってるのは自分じゃなくて機械でしょ? 私は自分の足で走るから楽しいんだもん!」 すると、苦しんでいたスーツ装着子がハッとなり、「…ほんとだ。ぼく、何が楽しくて走ってるんだろう…」と気づき始める。 連盟リーダーが「いや、でも効率的に勝てるのに…」と食い下がるが、息も絶え絶えの子どもは「こんなの、足が痛いだけだ…もう嫌だ!」と泣き出す。 そこへカリブがダッシュで来て、**「外すぞ!」**とエクソスーツのベルトを外しにかかる。連盟メンバーは止めようとするが、「子どもを危険にさらすな!」とカリブが一喝、堂々撃退。

9.連盟が謝罪「やっぱり手作りの走りこそ成長になる」

 こうしてスーツが外され、子どもたちは解放。先生たちも「やれやれ…この子たちに何をさせるんですか!」と怒り心頭。 連盟リーダーは肩を落とし、「すみません…未来では子どもの体力低下が問題で、こういうエクソスーツでサポートしてるんです。でも、過去の子どもたちは自分の足で頑張ってる…見ていて感動したのに、こんなことに…」 あやめはため息混じりに、「子どもが失敗して転んで、そこから学ぶのが運動会の醍醐味なのよ。完璧な走りなんて求めてないし、むしろ自分なりに全力出して笑顔でゴールする姿が大事なんだから」と伝えると、リーダーはこっそり涙を拭いながら「仰るとおりです…」と深く頭を下げる。

10.運動会はやっぱり「自分の力」で走るのが一番!

 結局、エクソスーツ事件は**「子どもの安全を最優先せよ」と学校が即時判断**し、連盟は撤収。子どもたちは再度スタートラインに立ち、自分の足で徒競走を楽しむ。 娘も「わたし、走るの下手だけど、ちゃんと自分の力でゴールするよ!」とにっこり。結果はビリだったが、満面の笑顔であやめに手を振ってくれる姿に、あやめは涙が出そうになる。 カリブは苦笑しつつ、「毎度毎度、いろいろありますね…。でも俺、子どもたちが必死に走る姿を見ると幸せな気持ちになるっす」と筋肉腕を組みながら和む。

 こうして運動会は無事(?)進行し、最終的には子どもたちの“ありのままの頑張り”が感動を生む結果となる。 やっぱり未来テクより、“自分で走る”喜びこそ運動会の醍醐味。 あやめは満開の青空を見上げながら、娘の成長をかみしめるのだった——。

(了)

 
 
 

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