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タイムスリップ夫の逆襲!?〜坂口あやめの悲喜こもごも12:幼稚園デビューで未来がグチャグチャ!?〜



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1.ドキドキの幼稚園入園式

 老舗出版社「米星社」の文芸編集者・坂口あやめ。 未来から次々と押し寄せる中年トレンチコート夫やスパンコールコート姑、筋肉配達員(兼・時空警察)カリブなどとの大波乱を経て、無事(?)に娘を出産・育児し、ついに幼稚園入園の日を迎えることとなった。 保活の激戦を潜り抜け、あれこれ悩んだ末に選んだのは、ちょっとレトロな雰囲気が残る**「トトロ幼稚園」**。 10年後に再開発で消えるかもしれない、なんて未来情報を耳にしたこともあるけれど、いまは細かいことは考えない。娘が楽しく通えるならそれでいい!

 入園式当日、あやめはピカピカの制服を着せた娘の手を引き、夫・裕作とともに園の門をくぐる。 園庭にはすでに何組もの親子が集まっており、カラフルな風船の装飾がパタパタ揺れて、笑顔と写真撮影の嵐。 「ああ、やっとここまで来たんだ……!」 と感慨に浸るあやめだったが、そんな平和モードは長く続かない。 なにしろ、あやめにはおなじみの**“嫌な予感”**が背中をチクチクと刺しているのだ。

2.園で見つけた不穏な影:また未来人…?

 入園式の受付を済ませ、娘をクラスの先生に紹介するあやめと裕作。 「こんにちは〜。うちの子がお世話になります!」 先生はにこやかに応対してくれ、他の新入園児たちも楽しそうにおしゃべりしている。 しかし、その教室の片隅に、妙に古風なトレンチコートを衣服の上から羽織ったままの父親が立っているのを見つけた瞬間、あやめの全神経が「ビクッ!」と反応する。

 トレンチコート──といえば、かつて何度も現れた中年の未来裕作や、その親戚筋(?)。 もしかして同じ系列の未来人?  それとも、ただのオシャレさん? あやめは一瞬目をそらそうとしたが、相手はゴソゴソとタイムマシンらしき端末をコートのポケットから出して、チラッと画面を確認しているのを見逃さなかった。 「やっぱり……絶対に未来人じゃん……!」

3.謎のトレンチパパ、その名は「未来・澤田(さわだ)」

 あやめが恐る恐る話しかけてみると、そのトレンチコート父はバツが悪そうに苦笑い。 「ど、どうも……あ、ああ、やはりあなたが坂口あやめさん……。やっぱり有名人ですね、未来では…」 何が「有名人」だか聞くまでもなく、どうせ「離婚危機を何度も乗り越えた伝説の夫婦」みたいに扱われているのだろう。あやめは肩を落とす。

 とにかく、この男は澤田ヨウイチと名乗り、未来(西暦2140年あたり)からタイムスリップしてきたという。娘がこちらの幼稚園でお世話になるのだと言う。 「実はうちの子……時空の混乱で、未来の幼稚園に入れなくなってしまって。試験的に、過去の幼稚園で“普通の園生活”を学ばせようと思って……」 もう何がなんだか意味不明だが、とにかく未来人親子があやめの娘と同じクラスに通うことになったらしい。 あやめは思わず頭を抱える。「また、ややこしいことになりそうな予感しかしない……!」

4.巨大バス登場? 未来式の送迎システムが園庭で混乱

 入園式を終え、初登園日。 朝の送迎がわりと早いので、あやめは娘を連れて急いで園へ向かおうとしていた。すると玄関を出た瞬間、謎の巨大バスが家の前に止まっているではないか。 ドアが開くと、中から澤田ヨウイチが顔を出して「おはようございます、坂口さん。よかったらこれに乗っていきません? うちの“未来バス”で園まで送りますよ!」と満面の笑み。

 見れば、そのバスは空中浮遊こそしていないものの、車体のデザインがどう見ても22世紀のSFそのもの。屋根にはソーラーパネルらしきものが光り、車内には奇妙なLEDがチカチカしている。 「いやいや、こんなの乗って登園したら園の人たちドン引きでしょ……」 あやめは丁重に辞退しようとしたが、娘が「バス乗りたいー!」とキラキラした目でおねだり。仕方なく「じゃあ一度だけ……」と観念する。 そして案の定、そのバスが園庭まで乗り付けた瞬間、周囲の親御さんや先生方が「な、何この超巨大車両!? 園児送迎にはデカすぎるでしょ!」と大騒ぎに。

 澤田ヨウイチは爽やかな笑顔で「皆さん、ご自由にご乗車ください!」と宣伝しているが、引きつった笑みしか返ってこない。 「やっぱり目立つことはやめてほしいのに……この人、なぜこうも空気が読めないのか……!」 あやめは早くも後悔しかける。

5.子どもたちの参観日がカオス! 未来ガジェット乱用?

 さらに拍車がかかったのが、入園して数日後に行われた**「参観日」**である。 普段の保育の様子を見学し、子どもたちと一緒に簡単な工作や運動をするイベント。 あやめが園に行くと、そこに澤田ヨウイチがまたトレンチコートで現れるだけでなく、ポケットから3Dプリンター内蔵の小型装置を取り出し、なにやら子どもたちに見せびらかしているではないか。

 「みんなで粘土遊びなんて古いよ! ほら、これで瞬時に好きな形を作れるんだ!」 ピッとボタンを押すと、粘土のように見える謎素材が瞬間的にお花の形にプリントされ、子どもたちは「わあー!」と大歓声。 しかし先生やほかの保護者は困惑。「それはすごいけど、手でこねる体験こそ大事なんじゃ……」と苦笑するしかない。 あやめはあわてて「澤田さん、やめてください! こんなの使ったら子どもたちが工作を勘違いしちゃう!」と止めに入る。 するとヨウイチは不満そうに眉を下げる。「えー、でも未来では当たり前ですよ? 粘土とか泥んこ遊びって衛生面が……」

 もう、価値観の衝突がバッチバチである。

6.園長先生からクレーム勃発

 案の定、園側からクレームが出るのも時間の問題だった。 「ええ、最近、トレンチコートのお父様が園内で奇妙な機械を持ち出して、保育の妨げになっているようです。坂口さんが仲良しだと聞いたのですが……様子を見ていただけませんか?」 園長先生があやめにこっそり声をかけてきて、あやめは「仲良しなわけじゃ……」と内心うめきつつ「わ、わかりました、注意してみます」と答えるしかない。

 ママ友からも「ねえねえ、あの派手なバスのパパ、知ってる? なんか未来人説があるってウワサなんだけど~」などと噂が回っていて、あやめのストレスは急上昇。 その日の夕方、あやめは園庭で澤田ヨウイチを捕まえ、ついに本気モードで説教をかます。 「いい加減にして! 幼稚園はあなたの未来研究所じゃないの。普通に過ごしてくれないと、うちの子も肩身が狭いのよ!」 ヨウイチはシュンとして、「そんなにダメですか? でも子どもたちに新しい世界を見せたかっただけで……」と言い訳。

7.「普通の園生活を学びたい」本当の理由

 ここでヨウイチは意外な事実を打ち明ける。 「実は、うちの子……未来でずっとオンライン教育ばかり受けてて、リアルにお友だちと遊んだりケンカしたりって経験が少ないんです。だからあえて過去の幼稚園で‘生身の交流’を学ばせようと決めたんです。 だけど、僕自身が‘未来式’の便利さに慣れすぎてて、周りに迷惑かけてるのかも……ごめんなさい。」

 あやめはその言葉を聞いて、少し胸が痛む。 「そっか……未来では子どもの人数も減っていて、こういう昔ながらの園生活が珍しいんだっけ……」 そしてヨウイチの子どもをちらりと見ると、最初はうまく馴染めなかったらしいが、最近は砂場やお絵かきで他の子と大笑いして遊ぶ姿があると聞く。 それなら、なおさら「未来のガジェットを持ち込むのは逆効果だよ……」と思いつつ、あやめは優しく言う。

「わかった。せっかく来たんなら、なるべく昔ながらの遊びや行事を一緒に楽しんでみたら? 便利すぎる道具は封印で!」 ヨウイチは苦い顔をしながらも、「うん……それがいいかも」と頷いた。

8.ママ友の前でまさかのトラブル! 運動会リハーサルが大混乱

 改善の兆しが見えたかと思いきや、次に控えていた園行事「春のミニ運動会」のリハーサルで再びトラブルが発生する。 園児たちがかけっこや玉入れを練習している最中、いきなり園庭の上空からバサバサバサッという音が……。 「またドローンか!?」 と警戒したあやめだが、出現したのはドローンではなく、ヨウイチの“未来デリバリーサービス”。 どうやらヨウイチのスマホが誤作動し、「おやつを宅配」コマンドが起動してしまったらしい。空から自動パラシュートでお菓子のセットが降りてきて、園児たちが「わあ! おやつー!」と大興奮で取り合いに。

 先生は「何これ! 園庭に勝手にお菓子が落ちてくるなんて危険です!」と怒るし、子どもたちは大喜びで走り回り、まったくリハーサルどころじゃなくなる。 あやめは遠目に「(ヨウイチぃ……またやらかしたわね……)」と頭を抱え、ママ友から「あのトレンチコートパパ、おかしな人だよね……」と冷ややかな視線を浴びるハメに。

9.「育児は不便でも、笑顔を見守るほうが大事」

 結局、この一件で園長先生はついにを落とし、ヨウイチは厳重注意。 肩を落としているヨウイチを見て、あやめもさすがに気の毒になる。 「大変だったわね。でも、これでわかったでしょ? あなたは子どものためにここへ来たのに、便利すぎる未来グッズが逆に邪魔してるのよ」 ヨウイチは苦い顔でうなずく。「確かにそうだ……不便だけど、子どもが泥まみれになって笑っている姿を見てるほうが、ずっと素敵かもしれないね……。僕はそれを邪魔してたんだな。反省するよ」

 そして、その夜。ヨウイチからあやめに「明日からはトレンチコートも未来バスも封印して、なるべく普通のパパとして振る舞います」という誓いの連絡が入る。 「……これでやっと、うちの子も肩身の狭い思いせずに済むかな?」 とあやめは胸をなで下ろす。

エピローグ:子どもたちが広げる“今ここ”の世界

 数日後。園では「春のミニ運動会」が無事に開催された。 ヨウイチは地味なTシャツとジーンズ姿で、他のパパたちと一緒に障害物競走に参加。妙な3Dプリンターやお菓子ドローンも出てこず、みんな自然に楽しんでいる。 ヨウイチの子どもも、あやめの娘と一緒に小さな足で走ったり転んだりしながら、明るい笑顔を見せてくれた。 ゴールで抱き上げた瞬間のヨウイチの顔は、それこそ“未来のガジェットなんて吹き飛ぶ”ほどに嬉しそうだった。

 あやめも夫の裕作も、まるで胸の奥があったかい風で満たされるような感覚になる。 たとえ、先の未来で幼稚園が消滅するとか、新しい教育システムが当たり前になるとか、いろいろ未来人から聞かされても……、**いまここでしか味わえない“子どもの成長”**が確かにあるのだ。 「不便なところも多いけど、この笑顔を見ていると、それが育児の醍醐味なんだなって実感するわ……」 とあやめは目を細める。

 こうして、またひとつ未来人とのドタバタは乗り越えられた……かに見える。 もっとも、園にはまだ他にも怪しげな保護者がいるというウワサも絶えず、時空警察のカリブがこっそり張り込んでいるとか、いないとか――。 でもまあ、あやめたちはもう振り回されない(多分)。子どもの笑顔を見守りながら、今日もせっせとお弁当を作って、**“普通の育児”**をかみしめる。

 未来なんかより、いま走り回っている子どもの姿こそ宝物。 そんな想いを胸に、あやめと裕作はまた一歩、家族の物語を紡いでいくのだった。

(了)

 
 
 

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