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タイムスリップ夫の逆襲!?〜坂口あやめの悲喜こもごも26:未来卒園式でロボ辞書が大暴走!?〜




1.もうすぐ卒園式! 幼稚園最後の大イベント

 老舗出版社「米星社」の文芸編集者・坂口あやめ。 未来からやって来るトレンチコート夫(未来版)や、スパンコール姑、筋肉配達員兼・時空警察のカリブなど、季節ごとに起きる大騒動を何とか乗り越えてきたが——ついに幼稚園も卒園シーズン。 あやめの娘は年少クラスなので、まだ卒園ではないが、園全体がちょっとお別れムードになっていて、子どもたちも「年長さんがもうすぐいなくなっちゃう…」としんみり。 あやめも「今年はうちの子じゃないけど、卒園式って感動的だよね〜」と、卒園生の保護者を横目にそわそわ気分。

 「これぐらいは静かに、感動的に終わってほしい…」——そう願いながらも、例年のパターンを考えれば不安しかない。

2.筋肉カリブの連絡「未来卒園式同盟? また始まった…」

 やっぱり来た。 ある朝、あやめのスマホにカリブからメッセージ。 > 「おはようっす、あやめさん。嫌な報告で申し訳ないんですが…“未来卒園式同盟”とかいう団体が過去に来たとの情報が。 > ‘卒園式を革新的にする!’とかで、なんか妙な電子辞書みたいな装置を使うらしいっす。もし怪しい動きがあれば通報を…」

 あやめは深い溜め息をつく。「また…もう子どもたちの晴れ舞台に余計なことしないでほしい!」

3.幼稚園、卒園式リハーサル中。そこに見える怪しい白衣の姿…

 数日後、年長クラスが卒園式のリハーサルをしている最中、あやめの娘たち年少組も見学していて、「素敵だね〜」と拍手を送っている。先生や保護者も舞台袖で感動…のはずが、そこに白衣の集団がこっそり出現。 カメラのような装置や、大きなタブレットを手にして、ゴソゴソとステージ裏を覗いているのだ。 あやめは**(もうこれ絶対未来勢…)**と察し、声をかける。「すみません、どちらの関係者ですか?」 すると彼らは「え、えっと…‘Future Graduation Alliance’です。ここで古い形の卒園式が行われるって聞いて、見学に…」と呟きながらも、落ち着きなく挙動不審。

4.「子どもの将来をAIが提示」—未来式“ロボ辞書”の売り込み

 やがてリーダー格の男性が、リハーサルの先生たちに向かって強引にアピールを始める。 「実は我々、**“ロボ辞書”という最先端デバイスで、子どもの“未来の進路”を自動推定し、卒園式でそれを発表する新しい文化を提案してるんです!  例えば、このAIが‘この子は将来サッカー選手に向いてます’とか‘この子はプログラマーがぴったり’とか、瞬時に診断してくれるんですよ。  卒園式で名前を呼ばれて受け取るのはただの証書じゃなく、“未来予測書”**にしてみませんか?」

 先生たちはドン引き。「そ、そんな…子どもの将来を勝手に決められても困ります!」 あやめの娘も耳をそばだてて「なにそれ? わたしまだ何になりたいか決まってないもん!」と怪訝そう。 それでも彼らは「いやいや、AIが可能性を広げるんですよ!」と押し売りモード。

5.勝手にステージにロボ辞書をセット、子どもたちをスキャン!?

 そしてリーダーは、「では試しに使ってみましょう!」と強引にステージに機材を持ち込み、**「スキャンモード、起動!」とボタンを押してしまう。 子どもたちが「なになに?」と近づくと、ロボ辞書がブブブ…という音を立ててレーザーのような光を照射。まるで身体測定のように子どもたちを走査し始める。 スクリーンに「将来予測:90%→宇宙飛行士、10%→農家」**などと乱暴な診断結果がババンと表示され、子どもたちは「ええ!? 突然そんなこと言われても…」と困惑。 先生は「やめてください! 勝手に子どものデータを取らないで!」と慌てるが、ロボ辞書はさらに「次ノ対象ヲスキャン…」と勝手にビームを当て続ける。

6.想定外! スキャンの結果、園長先生に「将来アイドル!?」

 さらにロボ辞書が勢い余って先生や保護者まで巻き込んでスキャンしてしまい、園長先生(男性50代)に対して**「将来予測: アイドルグループメンバー」とかふざけた診断を表示。 「なんだとおお!? わしは園長だぞ! 人生終盤だというのにアイドルとは…!」と園長先生が真っ赤になって怒る。 あやめもスキャンされかけて「うわ、やめて!」と回避したものの、画面にはチラッと「将来予測: 謎のベストセラー作家」**とか出ており、「いや、将来っていうか今だし…何これ?」と苦笑い。 子どもたちはもちろん「嫌だよ〜、将来勝手に決めないで!」と悲鳴に近い声を上げ始める。

7.またカリブ登場、しかしロボ辞書がバグ「人生書き換えます…?」

 このままでは大混乱が加速。タイミングを図ったようにカリブがやって来るが、ロボ辞書は**「人生書キ換エ…?」と怪しげな音声を発し、エラー表示を連発。 なんとAIが「特定個人の将来を再描画しろ」というコマンドを誤作動しており、「幼稚園児ノ未来ハ既定デハナイ…書キ換エ…」** と悪役じみた台詞を繰り返す。 「おいおい、勝手に子どもたちの人生書き換えないでくれよ!」とカリブが呆れ、「さあ、機械のスイッチを切れ!」と叫ぶが、リーダー格は「待って! デバッグモードに入りました…!」と大パニック。 するとロボ辞書から**「デバッグ…書キ換エ…書キ換エ…!」という音と同時にビシャー**っと電光が走り、機械が焦げ臭い匂いを放ち始めた。

8.娘が勇気を振り絞る「将来は自分で決めるもん!」

 舞台袖に隠れていたあやめの娘が、意を決してロボ辞書に近づき、大きな声で言う。 「私たちの将来は勝手に書き換えちゃだめ! 自分で好きなこと見つけるんだから!」 その言葉にハッとする子どもたちも、「そうだよ!」「ぼくはサッカー選手になりたいかもしれないけど、わからないもん!」と口々に反発。 子どもたちの“自分の将来は自分で決めたい”という素朴な思いが、辺りを包む。するとロボ辞書がまたバチバチと火花を散らして「将来…ジブンデ…ジブンデ…」と断続的に呟くように。

 あやめは(これで止まるかも!)と直感し、カリブと目を合わせて頷き、二人同時に**「スイッチをオフに!」とリーダー格に叫ぶ。 リーダーが慌てて非常ボタンを押すと、「シャットダウン…」**という機械音とともに、ロボ辞書がピタリと停止した。

9.未来卒園式同盟、肩を落とし退散…「いらんことしました」

 こうしてロボ辞書は力尽き、園のリハーサル会場はようやく沈静化。 リーダーは「すみません…子どもの将来を勝手に数値化すれば、みんな喜ぶと思っていたんですが…そんなわけなかった…」と肩を落としながら謝罪。 「過去の卒園式は、ただ子どもたちが巣立っていく姿を祝福する場だと聞きましたが…それが一番だと痛感しました…」と項垂れると、回収作業を終えて撤収へ。

 カリブは頬をぬぐいながら、「毎回こんなパターンすよね…。でもまあ、壊滅的被害が出る前に止められてよかった」と息をつく。 子どもたちはホッとして、「普通に卒園証書をもらうのがいいよね!」「将来の夢は自分で決めるもんね!」と笑い合う。

エピローグ:やっぱり卒園式は“今までありがとう”、ただそれだけ

 リハーサル後、先生たちは改めて「子どもたち一人ひとりの成長を心から祝うのが卒園式です。AIで将来を勝手に決めるなんて無粋ですよね」としみじみ語り、あやめも「本当にそう…将来の夢は変化するもの。子どもが自分で切り開くんだから」と強く同意。 こうして、**“未来卒園式同盟”**による余計なお世話はあえなく終了。年長さんの本番の卒園式は、昔ながらのほのぼのスタイルで行われることに決定した。 あやめの娘はまだ卒園には早いけれど、「来年は私もこんなふうに成長してるかなあ…」とキラキラ瞳を輝かせている。 あやめは(うん、また1年後、普通に大きくなった娘が卒園する姿を見れるだけで十分…未来の余計なハイテクはもういらないわ)と微笑んだ。

 こうして、またもや“子どもたちが自由に夢を描く時間”が守られたのである。 次はいよいよ新学期、入学シーズン? まだまだ予断は許さないが、あやめは娘と一緒に、**“いま”**をしっかり楽しもうと心に決めるのだった。

(了)

 
 
 

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