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烈火の海域 海戦 — 艦隊決戦のクライマックス

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月19日
  • 読了時間: 7分




第三幕:海戦 — 艦隊決戦のクライマックス

プロローグ:対馬海峡の死闘

戦術核後の混乱に乗じ、中国・ロシア連合艦隊は日本近海へ総進撃を図る。舞台は対馬海峡――ここを突破されれば日本海側に敵が進入し、本土や米軍基地を直接脅かす事態となる。一方、日米艦隊は多層防空システムを敷き、護衛艦・ミサイル艦・空母を連携させ、この海域を守り抜こうとする。護衛艦「やまと」を率いる海上自衛隊艦長・片桐は、司令部から「海の最前線でロシア・中国艦艇を引きつけ、防空と攻撃の要を担ってほしい」と命を受け、覚悟を胸に艦を進める。

1. 対馬海峡に迫る中国・ロシア艦隊

連合艦隊の編成

中国:空母「遼寧」を中核とし、ミサイル駆逐艦、フリゲート、潜水艦などを配備。超音速対艦ミサイルを多数搭載している。ロシア:極東艦隊から複数の駆逐艦・巡洋艦が派遣され、対空・対艦能力に秀でた旧ソ連時代の艦も含む。両国艦艇の合計が十数隻に及び、侮れぬ攻撃力を誇る。

日米艦隊の多層防空システム

日米はイージス艦を複数展開し、上空には早期警戒機E-2Dと米海軍F/A-18E/F、海自F-35Bが組み合わさった防空網を組織。さらに米空母「ニミッツ」が後方から艦載機を絶え間なく送り出し、攻守両面で主導権を握る作戦を計画している。

2. 戦闘序盤:ミサイルと防空網の激突

中国の超音速対艦ミサイル飽和攻撃

静かだった対馬海峡が一瞬で修羅場と化す。中国・ロシア艦隊が先手を打ち、大量の対艦ミサイルを一斉発射――総数二、三十発に上る飽和攻撃が日米艦隊へ殺到する。画面に無数の赤い航跡が浮かび上がり、各艦のCICには「複数ミサイル接近!」という悲鳴交じりの報告が飛び交う。「やまと」のCICでも、艦長・片桐が荒々しい声で怒鳴る。「SM-2、SM-6、発射準備! CIWSもフル起動しろ!

多層防空の迎撃描写

  1. 第一層:SM-2/SM-6イージス艦や「やまと」が中長距離ミサイルを連続発射し、海面ぎりぎりを飛ぶ超音速ミサイルを次々と狙う。レーダー追尾が複数を同時に捕捉し、空には白煙が入り乱れる。しかし、敵ミサイルの数が多く、全ては迎撃しきれない。2〜3発が突破してきて、護衛艦の一隻に直撃。「艦橋炎上、火柱が十メートル以上…!」という緊迫通信が走る。

  2. 第二層:艦載CIWS逃れたミサイルを今度はCIWS(近接防空システム)が高速弾をばら撒いて近距離迎撃。機関砲の閃光が連続し、宙に火花が散る。一部ミサイルはCIWSの砲火に包まれ空中で爆散するが、中にはなおも突き抜け、米駆逐艦が被弾して甲板が大爆発。艦隊中に「うわあぁ…」という無線が木霊する。

3. “やまと”の奮戦:ミサイル迎撃と反撃

艦橋CICの混乱

「やまと」艦内。片桐艦長は指揮卓前で必死に状況把握。

  • 敵艦隊位置:正面約80海里に空母「遼寧」、その周囲にロシア駆逐艦・中国フリゲートが多数

  • 味方艦隊:イージス艦数隻と米巡洋艦が散開布陣


    片桐の眉間には汗が滲み、「まだ敵艦隊の飽和攻撃が続く。こちらも対艦ミサイルで反撃を開始する!」と部下に指示する。

やまとの逆襲:対艦ミサイル発射

SSM-2 全弾装填!敵駆逐艦群にロックオン」と武器管制員が叫ぶ。艦橋のスイッチが押され、やまとの甲板下から対艦ミサイルが連続発射。白い煙を引きながら水平線へ飛び出し、敵艦を狙う。ほかの日米艦も同調し、空には何十本ものミサイル航跡が交錯する。しかし、中国・ロシア艦側もCIWSやSAMで防空網を張り、何本かが撃墜される。「一部は命中しそうだ…!」CICのオペレーターが興奮気味に報告すると、画面に爆発反応が映り、敵駆逐艦の一隻が大火炎を上げる。「よし…!」と片桐がうなずくが、同時に反撃ミサイルが飛来し、近隣の米駆逐艦が炎上する。絶望と興奮が交錯する地獄絵図だ。

4. 空母 vs 空母:ニミッツと遼寧の激突

米空母の艦載機攻撃

米空母「ニミッツ」後方から、F/A-18E/F、F-35Cが飛び立ち、中国空母「遼寧」への大規模空襲を敢行。複数の対艦ミサイルを抱えて、低空浸入作戦を行う。

  • F-35C:ステルス性能で敵の防空網を一瞬かわし、駆逐艦をミサイルで撃破。

  • F/A-18E/F:ミサイル射程外から複数弾を同時発射し、対空砲火を飽和させる。


    空母「遼寧」は甲板上の戦闘機を次々発艦させ、防空駆逐艦と連携しながら迎撃に当たり、日米艦載機との間に凄まじい空戦が勃発する。

遼寧への決定打

日米艦載機が遼寧に近づくと、艦載CIWSが赤い弾幕を展開し、ミサイルの多くを撃墜。しかし、1発が艦橋付近に直撃。甲板が部分的に大破し、火柱を噴出す。空母自体は沈まずに踏みとどまり、ロシアの巡洋艦が防空支援を行うが、艦載機の出撃能力が激減した遼寧は事実上作戦不能に陥る。空母同士の対決で、ニミッツが優勢を確立した形になる。

5. クライマックス:ミサイル雨と突撃する「やまと」

敵残存艦が死闘の逆襲

ロシア巡洋艦や中国のミサイル駆逐艦は、死を覚悟して大規模な対艦ミサイル連射を仕掛ける。「警報! 敵ミサイル多数…30発以上がこちらに!」日米艦隊のCICが阿鼻叫喚となる。CIWSが火を噴き、イージスが迎撃ミサイルをバラ撒くが、あまりに数が多い。艦が一隻また一隻被弾。日本の汎用護衛艦が甲板を深々と抉られ、米駆逐艦1隻が沈みかける。片桐は「ふざけるな…! これ以上はやらせん!」と吼えた。

片桐の突撃指令

絶体絶命の状況下、艦長・片桐は**「やまと」**に最後の攻撃指令を下す。「正面に出て、敵の注意を引く。艦橋! 最大速力、あのロシア巡洋艦に対艦ミサイル射程まで接近!」副長が「危険すぎます! 敵の火線を浴びます!」と止めるが、片桐は牙を剥くように言い放つ。「被害を最小にするには我々が囮となって反撃するしかない!」

やまとの激闘:ミサイル応酬

「やまと」は最大速力で敵艦隊の間を縫うように突進。空からのミサイル雨をややかわしながら、艦砲と対艦ミサイルでロシア巡洋艦を狙う。

  • SM-2で上空ミサイルを迎撃しつつ、

  • SSM-2を発射して敵巡洋艦へ突撃させる。


    コンソールに映る敵艦のシルエットに十字が重なり、発射ボタンが押される。「ファイア!


    白煙を引いて走るミサイルが敵艦CIWSに撃たれつつも、1本が左舷に命中。轟音とともに火柱が上がり、甲板構造物が吹き飛ぶ。「…沈めッ…!」と片桐が拳を固める。

打ち返される猛攻

しかしロシア巡洋艦も最後の力を振り絞り対艦ミサイルを撃ち返す。「敵ミサイル! 接近10秒!」との叫びが艦橋を震撼させる。「やまと」はCIWSを全力展開し、それでも2発のうち1発が直撃コースだ。わずかに舵を切り、CIWSが火を吐き、掠めたミサイルが船体横に爆発。ズゥンという衝撃が艦を軋ませ、スプリンクラーが稼働し、艦橋内の照明が揺れる。「被害状況は!?」「船体に大穴…浸水あります!」

6. 海戦の終局:勝利か破滅か

ロシア・中国艦隊の崩壊

相次ぐ被弾で中国空母「遼寧」は活動停止、ロシア巡洋艦や駆逐艦も多くが沈没や損壊。連合艦隊が実質的に戦闘力を失い、撤退を始める。同時に日米側も代償は大きく、空母や護衛艦が炎を上げ、海面には多くの破片と油が漂う。 すでに核の脅威という背景もあり、戦場はさらなる混沌を招きかねないが、一旦は大規模戦闘が収束へ向かう。

やまと沈む…?

激戦の結果、「やまと」は艦体に深刻なダメージを負い、傾斜が進んでいる。艦橋通信で「修理班が奮闘中ですが、これは…」という絶望混じりの声。片桐は「ここまでか…」と呟きながらも、漂流しながら艦を死守しようと指示する。仲間の護衛艦が曳航に来てくれるかもしれないが、甚大な損傷は隠しようがない。艦内からは火災と浸水が同時進行し、乗員を救助艇へ退避させる作業が始まる。夕日の中で“やまと”の甲板が黒煙に包まれ、片桐が「逃げろ…皆…」と悲痛な表情で無線を握る。

エピローグ:烈火の海域

戦いは終わった。中国・ロシア艦隊は撤退し、対馬海峡はかろうじて日米の手にある。しかし、海はまさに**“烈火の海域”――炎と破片と油が漂い、放射能をはらんだ灰色の空が覆っている。片桐は救命ボートで自艦を振り返る。艦橋が赤々と燃え、最後の瞬間を迎えつつある「やまと」。仲間を助け切れたのか、核後の世界はどうなるのか――そんな疑問が胸に渦巻く。最期、艦首が海中へ沈み込み、艦首に刻まれた艦名「やまと」の文字が灰色の海に消えてゆく。その向こうには米空母や味方艦も被弾炎上しており、勝利と言えるかは定かでない。空にはまだ黒煙が立ちこめ、焼け焦げた硝煙が頬を刺す。周囲に沈む友軍艦や敵艦の残骸が不気味に漂う光景に、片桐は「これが俺たちの望んだ結末なのか…」**と呟き、ただ赤い夕日が海を染め上げるなか、黙して俯くしかなかった。

—終幕—

 
 
 

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