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茶畑の兄妹と夜空の馬車


 夕立のあと、茶畑の丘は、まだ雨の匂いを抱いていた。

 幹夫少年は、濡れた農道をゆっくり歩いていた。靴の底に、柔らかくなった土が少しずつついてくる。茶の畝は、雨に洗われて深い緑になり、葉の一枚一枚に水滴をのせていた。

 空はもう晴れはじめていた。

 西のほうには夕焼けの名残があり、東の空には早い星がひとつ出ている。まだ夜ではない。けれど昼でもない。世界が、どちらへ行こうか迷っているような時間だった。

 幹夫は、そのあいまいな時間が好きだった。

 何かをはっきり決めなくてもよい気がするからだった。

 その日、学校で幹夫は、小さな兄妹を見た。

 低学年の男の子が、もっと小さな妹の手を引いて、昇降口へ向かっていた。妹は雨で濡れた階段を怖がって、何度も足を止めた。兄は少し困った顔をしながらも、急かさず、手を離さなかった。

 ただ、それだけの光景だった。

 けれど幹夫の胸には、それが一日中残った。

 自分には兄弟がいない。 だから、兄であることも、弟であることも、よくわからない。

 誰かの手を引くこと。 誰かに手を引かれること。 先に歩くこと。 あとからついていくこと。 そのどちらにも、少し怖さと、少しあたたかさがあるのだろうと思った。

 幹夫は、自分ならあの階段で、誰かの手をちゃんと引けるだろうかと考えた。

 強く引きすぎて、相手を転ばせてしまうかもしれない。 弱く握りすぎて、手が離れてしまうかもしれない。 怖がっている子に、何と言えばいいかわからないかもしれない。

 そう思うと胸が苦しくなった。

 自分は、誰かを守るには心が頼りなさすぎる気がした。

 丘の上へ着くころ、空はすっかり夜へ傾いていた。

 茶畑の水滴が、ひとつずつ星を映しはじめる。風が吹くと、葉の上の水が小さく震え、そこに映った星も一緒に揺れた。

 そのとき、茶畑の奥から、車輪の音が聞こえた。

 からん。 ころん。 からん。

 幹夫は足を止めた。

 農道に車は入ってこない。まして、こんな細い茶畑の畝のあいだを、車輪のあるものが通れるはずがなかった。

 けれど音は確かに近づいてくる。

 茶の畝の向こうに、小さな灯りが見えた。

 灯りは二つ。

 馬の目のようにも、提灯の火のようにも見えた。やがて茶葉の間から、黒く細い影が現れた。

 馬車だった。

 けれど、普通の馬車ではなかった。

 馬は夜空の色をしていた。たてがみには星が混じり、蹄が土に触れるたび、小さな銀色の火花が散った。馬車の車輪は月の輪のように丸く、回るたびに、からん、ころん、と鈴の音を立てた。客車は古い茶箱を組み合わせたような形をしていて、窓には茶葉の模様が浮かんでいる。

 馬車の御者台には、兄妹が座っていた。

 兄は幹夫より少し年上に見えた。細い肩に紺の半纏を羽織り、手には星明かりで編んだ手綱を持っている。妹はその隣に座り、小さな両手で茶葉の籠を抱えていた。妹の髪には、茶畑の露が星のように光っている。

 馬車は幹夫の前で止まった。

 兄が言った。

 「乗る?」

 幹夫は、返事を忘れた。

 妹が少し笑った。

 「こわがらなくていいよ。夜空の馬車は、落ちそうな人を落とさないから」

 幹夫はようやく声を出した。

 「これは、何の馬車なの」

 兄は茶畑を見渡した。

 「茶畑の夜に集まった小さなものを、空へ運ぶ馬車」

 「小さなもの?」

 妹が籠の中を見せた。

 そこには、茶葉の上の露がいくつも入っていた。けれど、ただの水滴ではない。露の一粒一粒の中に、誰かの記憶や願いが淡く映っている。

 転びそうな妹の手を握った兄の指。 言えなかった「ありがとう」。 雨の日の廊下に残った足跡。 茶葉に落ちた夕立の最後の一滴。 誰かが黙って見送った背中。

 幹夫は息をのんだ。

 「これを、空へ運ぶの?」

 兄はうなずいた。

 「空まで運んで、星に預ける。そうすると、小さな記憶は消えずにめぐる。いつか誰かがお茶を飲む時、湯気の中に少し戻ってくる」

 幹夫は、兄妹を見た。

 「きみたちは、誰?」

 兄は少し黙った。

 妹は茶葉の籠を抱きしめた。

 答えたのは、兄だった。

 「昔、この茶畑にいた兄妹」

 幹夫は、胸が少し冷えるのを感じた。

 怖いのではなかった。 ただ、その言葉の奥にある遠い時間に触れた気がした。

 「ここで、暮らしていたの?」

 妹がうなずいた。

 「朝は茶の葉を見て、昼は手伝いをして、夜は丘の上で星を見たの」

 兄が続けた。

 「妹は、よく夜空の馬車が来ると言っていた。あの星からあの星へ、見えない道があって、馬車が走るんだって」

 妹は少し照れたように笑った。

 「兄さんは信じてくれなかった」

 「半分は信じてたよ」

 兄はそう言って、目を伏せた。

 「でも、ちゃんと信じたのは、最後の夜だった」

 幹夫は、それ以上すぐには聞けなかった。

 茶畑の夜が、少し深くなった気がした。 遠くの町の灯りが、いっそう遠く見えた。

 妹が小さな声で言った。

 「その夜、わたしたちは馬車に乗ったの。乗ったというより、乗せてもらったのかな。だけど、全部は乗れなかった」

 「全部?」

 「兄さんが、わたしの手を離したくなかったこと。わたしが、兄さんにありがとうと言えなかったこと。その二つが茶畑に残ったの」

 兄は手綱を握ったまま、静かに言った。

 「それから毎年、星の多い夜に馬車でここへ来る。残った言葉を少しずつ集めて、空へ運ぶんだ」

 幹夫は、胸の奥が痛んだ。

 手を離したくなかったこと。 ありがとうと言えなかったこと。

 それは、あまりにも小さく、あまりにも大きかった。

 幹夫は、昼間見た低学年の兄妹を思い出した。濡れた階段で、兄が妹の手を離さなかったこと。妹がその手にどれだけ安心していたか、きっと自分では気づいていなかったこと。

 兄妹の手というものは、ただつながっているだけではないのだと思った。

 そこには、言葉にならない約束が流れている。

 兄が幹夫に手を差し出した。

 「今夜は、人間の子の目が必要なんだ」

 「ぼくの?」

 妹がうなずいた。

 「茶畑に残った小さなものは、小さなものを見つける人にしか見えないから」

 幹夫は、自分の胸に手を当てた。

 小さなものを見つける。

 それは、幹夫が何度も人に笑われ、何度も自分でも持て余してきたことだった。けれど今夜、それが必要だと言われている。

 幹夫は、静かに馬車へ乗った。

 客車の中は、茶葉の香りがした。

 座席は柔らかな苔のようで、窓の外には茶畑の夜が広がっている。兄が手綱を引くと、夜空色の馬が一歩踏み出した。

 馬車は茶畑の上を走りはじめた。

 車輪は土を踏まない。畝の上を傷つけることもない。露の光を渡るように、茶葉と茶葉のあいだを滑っていく。

 からん。 ころん。 からん。

 幹夫が窓の外を見ると、茶葉の先に、いくつもの小さな光が浮かんでいた。

 兄が言った。

 「あれを見つけてほしい」

 「どれ?」

 「言葉になれなかった手の光」

 幹夫は目を凝らした。

 茶畑の端に、小さな白い光があった。

 それは露ではなく、手の形をしていた。小さな手と、大きな手。つながろうとして、少しだけ離れている。

 幹夫は胸が締めつけられた。

 「あれ?」

 妹が籠を抱いて身を乗り出した。

 「兄さん、見つかったよ」

 兄は静かに馬車を止めた。

 三人は畝のそばへ降りた。

 白い手の光は、茶葉の間で震えていた。大きな手が、小さな手をつかもうとしている。でも触れる直前で止まっている。

 幹夫は、その光に顔を近づけた。

 声が聞こえた。

 ――離したくなかった。

 兄の声だった。

 幹夫は兄を見た。

 兄は、目をそらさなかった。

 けれど、その横顔は苦しそうだった。

 「ずっと、ここに残っていたんだ」

 兄は言った。

 「手を離したことが悲しかったんじゃない。離さなければならない時に、離したくなかった自分を、ずっと責めていた」

 幹夫は、何も言えなかった。

 誰かを守りたい気持ちは、時に重くなる。 守れなかったことよりも、守りたいと思った自分の弱さを責めてしまうことがある。

 幹夫は、昼間の自分を思った。

 誰かの手をちゃんと引けるだろうかと不安になった自分。 頼りないと思った自分。

 でも、手を離したくないと思うことは、弱さだけではないのかもしれない。

 幹夫は、白い手の光に言った。

 「離したくなかったんだね」

 それだけだった。

 でも、光は少し静まった。

 幹夫は続けた。

 「それは、悪いことじゃないと思う。手を離す時に、心まで簡単に離れたら、そのほうが悲しい」

 兄の肩が、わずかに震えた。

 大きな手の光と小さな手の光が、そっと重なった。

 そして、小さな星の形になった。

 妹が籠を差し出すと、その星は中へ入った。

 ちりん。

 鈴のような音がした。

 兄は、息を吐いた。

 「ありがとう」

 その声は、とても小さかった。

 次に、馬車は茶畑の高いほうへ進んだ。

 丘の上からは、夜空がいっそう近く見えた。星々は馬車の窓をかすめるほど低く、富士山の影が遠くに静かに横たわっていた。

 妹が突然、馬車を止めてと言った。

 「今度は、わたしの言葉」

 茶葉の上に、淡い金色の光があった。

 それは小さな声の形をしていた。口のようでもあり、花のつぼみのようでもある。開きかけて、閉じてしまった形だった。

 幹夫が近づくと、声が聞こえた。

 ――ありがとうって、言いたかった。

 妹の声だった。

 妹は籠を胸に抱いたまま、うつむいていた。

 「兄さんは、いつも先に歩いてくれた。転びそうな時、手を引いてくれた。怖い夜は、星の話を聞いてくれた。でも、わたしは当たり前みたいにしていた。ありがとうって、ちゃんと言えなかった」

 兄が、妹を見た。

 「聞こえていたよ」

 妹は首を横に振った。

 「言ってないもの」

 「言葉では、聞いていない。でも、手で聞いていた」

 妹の目に、星のような涙が浮かんだ。

 幹夫は、二人を見ていて胸がいっぱいになった。

 ありがとうは、言葉にしなければ届かないことがある。 でも、言葉にならなくても、手の温度や、隣を歩く速さや、待ってくれた時間に宿ることもある。

 幹夫は、金色の光に言った。

 「今からでも、言えるよ」

 妹は顔を上げた。

 兄のほうを向いた。

 そして、とても小さな声で言った。

 「兄さん、ありがとう」

 金色の光が開いた。

 つぼみだったものが、星の花になった。花びらの一枚一枚が小さな星でできている。花はふわりと浮き、妹の籠へ入った。

 ちりん。

 兄は何も言わなかった。

 ただ、妹の手をそっと握った。

 幹夫は、その手を見ていた。

 兄妹の手は、今度は離れていなかった。

 夜空の馬車は、再び走り出した。

 茶畑の畝を越え、丘の上へ、さらに星の近くへ。馬の蹄が空気を踏むたび、銀色の火花が散る。馬車はいつの間にか、茶畑の上を離れ、夜空へ向かっていた。

 幹夫は窓から下を見た。

 茶畑が小さくなっていく。

 緑の畝は、星座の線のように見えた。露の光は、地上に置かれた小さな星だった。遠くの町の灯りも、港の明かりも、みな同じ夜の中でまたたいていた。

 馬車は、星の道へ入った。

 空には、茶葉の香りがした。

 不思議だった。

 星の間を走っているのに、幹夫の胸には茶畑の土の匂いが残っていた。遠くへ来たのに、足もとの場所を忘れない。それが、この馬車の不思議なのだと思った。

 兄が言った。

 「集めた星を、空の馬車場へ届ける」

 「馬車場?」

 妹が窓の外を指さした。

 星々の間に、小さな駅のような場所があった。

 木ではなく光でできた柵。 茶葉の形をした屋根。 銀色の車輪跡。 そこには、ほかにもいくつかの馬車が停まっていた。

 どの馬車にも、小さな記憶や言葉や願いが積まれているようだった。

 兄妹の馬車が停まると、空の駅員のような影が現れた。

 顔は見えない。 けれど、星明かりで編んだ帽子をかぶっている。

 駅員は、兄妹の籠を受け取った。

 中には、白い手の星と、金色の星の花が入っていた。

 駅員は言った。

 「長く茶畑に残っていたものですね」

 兄はうなずいた。

 妹も、うなずいた。

 駅員は星の籠を、空の奥へ続く光の棚に置いた。

 すると、白い手の星は、二つの星の間に橋のような線を作った。 金色の星の花は、そのそばで小さく開いた。

 空に、新しい星座ができた。

 兄妹座。

 幹夫には、そう見えた。

 それは大きな星座ではなかった。教科書に載ることもないだろう。町の明かりが強い夜には、見えないかもしれない。けれど、確かにそこにあった。

 手を離したくなかった星。 ありがとうを言いたかった星。 その二つが、夜空で静かにつながっていた。

 妹が兄の手を握ったまま言った。

 「これで、帰れるね」

 兄は静かにうなずいた。

 幹夫は胸が少し冷たくなった。

 「帰るって、どこへ?」

 兄妹は、幹夫を見た。

 兄が言った。

 「もう、茶畑へ戻らなくてもいい場所」

 妹は笑った。

 「でも、完全にいなくなるわけじゃないよ。お茶の湯気や、夜空の馬車の鈴の音や、誰かが誰かの手をそっと握る時に、少しだけ戻るから」

 幹夫は、泣きそうになった。

 「さよならなの?」

 妹は首をかしげた。

 「さよならって、手を離す時の言葉?」

 幹夫は答えられなかった。

 兄が言った。

 「手を離すことと、心がなくなることは違うよ」

 その言葉を聞いた瞬間、幹夫の胸の奥で何かが震えた。

 守りたいと思うこと。 離したくないと思うこと。 でも、いつか手を離さなければならないこと。

 その全部を抱えたままでも、人は誰かを大切にできるのかもしれない。

 夜空の馬車は、帰り道へ向かった。

 兄妹は御者台に座り、幹夫は客車の窓から星を見ていた。新しい兄妹座は、遠くで小さく光っている。そこに二人の言葉が預けられたのだと思うと、胸が切なく、同時に少しあたたかかった。

 馬車が茶畑へ降りるころ、東の空がわずかに白みはじめていた。

 丘の上には朝が近づいている。

 馬車は農道の端に静かに停まった。

 幹夫が降りると、兄妹も馬車から降りた。

 妹が言った。

 「幹夫、昼間見た兄妹のこと、覚えていてね」

 幹夫は驚いた。

 「知ってたの?」

 兄が笑った。

 「茶畑は、幹夫の胸に残ったものを少し知っているから」

 妹は続けた。

 「手を引く時は、強すぎても弱すぎてもいけない。でも、最初から上手じゃなくていいよ。大事なのは、相手が怖がっていることに気づこうとすること」

 幹夫はうなずいた。

 兄は、幹夫の肩に手を置いた。

 その手は、とても軽かった。けれど、確かな温かさがあった。

 「君は、誰かの手を引くには頼りないと思っているかもしれない。でも、頼りなさを知っている手は、乱暴になりにくい」

 幹夫の目に涙が浮かんだ。

 ずっと自分の弱さだと思っていたものが、少しだけ別の形に見えた。

 馬車の馬が、静かにいなないた。

 夜空の色をした体が、朝の光に少しずつ透けていく。

 兄妹は御者台へ戻った。

 妹が手を振った。

 「またね」

 幹夫は手を振り返した。

 「また会える?」

 兄は手綱を握りながら言った。

 「茶畑で、誰かの言えなかった手のぬくもりを見つけた夜なら」

 妹が付け加えた。

 「それから、夜空に小さな兄妹座を見つけた夜なら」

 馬車は動き出した。

 からん。 ころん。 からん。

 茶畑の畝の上を、傷つけることなく滑っていく。やがて馬車は朝霧のように薄くなり、茶葉の露の光へ溶けていった。

 あとには、普通の茶畑が残った。

 けれど空には、まだひとつだけ星が見えた。

 そのそばに、もうひとつ小さな星が寄り添っているように見えた。

 幹夫は、胸の中でその二つを結んだ。

 兄妹座。

 誰にも教わらない星座だった。

 家へ帰ると、母が台所でお茶を淹れていた。

 幹夫は湯呑みを両手で包んだ。

 湯気の向こうに、夜空の馬車の影が一瞬だけ見えた気がした。からん、ころんという車輪の音も、耳の奥にまだ残っている。

 母が言った。

 「今日は早いのね」

 幹夫はうなずいた。

 「茶畑で、馬車を見た」

 母は少し笑った。

 「夢みたいね」

 幹夫は、湯呑みの中のお茶を見つめた。

 「うん。夢みたいだった。でも、夢じゃないところもあった」

 母は何も言わず、幹夫の前に座った。

 幹夫は、お茶をひと口飲んだ。

 少し苦く、あとから甘かった。

 その香りの奥に、兄妹の手のぬくもりがあった。

 その日、学校へ行く途中、幹夫は昇降口の階段で、昨日の兄妹を見かけた。

 妹はまた、少し階段を怖がっていた。兄は手を引いている。でも、今日は少し急いでいて、妹の足がもつれそうになった。

 幹夫は一瞬ためらった。

 自分が口を出してよいのかわからなかった。

 けれど、夜空の馬車で聞いた兄の言葉を思い出した。

 頼りなさを知っている手は、乱暴になりにくい。

 幹夫は近づいて、小さく言った。

 「階段、濡れてるから、ゆっくりで大丈夫だと思う」

 兄の子は振り向いた。

 少し驚いた顔をしたが、すぐに妹の足もとを見た。

 「うん。そうだね」

 そう言って、歩く速さを少しゆるめた。

 妹は、ほっとしたように兄の手を握り直した。

 それだけだった。

 幹夫がしたことは、手を引いたわけでも、助けたわけでもない。 ただ、少しだけ見て、少しだけ言っただけだった。

 けれど、胸の中に小さな車輪の音が鳴った。

 からん。 ころん。

 茶畑の兄妹と夜空の馬車は、もう見えない。

 でも、幹夫の胸の中では、まだ静かに走っていた。

 誰かの手と手のあいだにある、言葉にならないぬくもりを運びながら。

 
 
 

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