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『美名の裏に潜む亡国の種』――静岡市「新アリーナ構想」なる虚構を撃つ

  • 山崎行政書士事務所
  • 6月28日
  • 読了時間: 2分

一、保守を騙る者よ、君は国を愛しているか?

かつて地方自治とは、民を守り、郷土を磨き、祖先の声に応える「地に根ざした国防」の一形態であった。だが今、難波市長が語る「大規模事業による街づくり」の言葉には、国への祈りも郷土への敬意もない。

「維持補修ばかりでは稼ぐ力が失われる」――それは果たして“市政”か。いや、もはや“商業興行”に等しい。

静岡に求められているのは、光と音に包まれたアリーナでも、海洋文化施設でもない。災害に強く、誇りを取り戻す市民社会の構築である。それを「稼ぐ力」なる経済用語でしか語れぬ政治に、国家百年の礎など築けようか。

二、亡国のインフラ主義と数字なき夢想

鉄とコンクリートに国は宿らぬ。ましてや「人口流出の抑制」のためと称して建てるアリーナなど、地方創生の名を借りた“自己陶酔の殿堂”に過ぎぬ。

なぜ、教育ではなくアリーナなのか?なぜ、農山村や海洋資源を磨くのではなく、“海洋文化施設”なのか?

地域文化の名を借りたレジャー施設建設は、民意の装いをした“税金の快楽主義”にすぎぬ。

三、責任なき投資に未来なし

――数値目標もなければ、撤退基準もない「政治ごっこ」

難波市長は語る――「人口流出の抑制に繋がる」と。ならば問う――いったい“どれだけ”防げるのか?どの年代に何人、何年で?新たな人口流入とは“何人”を想定しているのか?その根拠は?その効果測定は?

そして最も重要な問い――「見直しの時点」と「責任の所在」はどこにあるのか?

これらの問いに一切答えぬまま、莫大な税金を注ぎ込み、失敗すれば「仕方なかった」と言い逃れるつもりか。それは市政ではない――愚かな賭博である。

四、公共事業という“麻薬”からの脱却を

繁田市議(自民党)の質問もまた、看過できぬ。

「市長の意気込みを問う」――問うべきは、国民の血税を賭ける覚悟であり、若者を育てる国家観であり、国土保全の意志であろう。

このような「議場の喝采」を求めるポーズ政治は、まさに議会制民主主義の頽廃である。

五、静岡の再生とは、郷土の“声”を聴くこと

わが国が失いかけているものは、アリーナではない。山川草木に宿る“祖霊”の気配であり、家族という単位で築かれてきた生活共同体である。これを無視した「流行りの街づくり」は、グローバル資本の下請け都市化に過ぎぬ。

国を愛するとは、土を守ること。子を育て、親を看取り、祭りと信仰の灯を絶やさぬことである。静岡を“稼ぐ街”ではなく、“誇る街”に――その旗を掲げよ、真の保守たるならば。

 
 
 

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