イチジク騒動 〜パフェに隠された秘密〜
- 山崎行政書士事務所
- 2025年1月15日
- 読了時間: 5分

秋の果実で勝負するカフェ
ここは小さなカフェ、名前を**「Fig & Spoon」**という。
店内には果物をテーマにしたイラストが飾られており、オープンして半年ほどたった今、店主の杉山 美月は「そろそろ目玉スイーツを打ち出したい」と考えていた。
彼女が目を付けたのはイチジク。上品な甘さと柔らかな食感が魅力で、大人のフルーツとも呼ばれるが、意外に扱いが難しい。特に完熟イチジクは仕入れや鮮度管理が大変だ。
しかし杉山はこう意気込む。
「イチジクパフェを看板にして、秋を感じさせたいの! これで一気に話題をさらうわ!」おだやかな笑みを浮かべながら、彼女の目には果たしてどんな戦いが待ち受けているのか……。
新人スタッフの空回りアイデア
朝のカウンター。アルバイトの江口 香里が、何やらSNSを見ながらスマホとにらめっこしている。
「店長、イチジクって地味な印象もあるみたいですよ? 映えるようにベリーソースとか、緑のピスタチオを上に散らすとかどうですか?」しかし杉山は、「イチジクそのままの魅力を前面に出したいのよ。下手に色を足したらイチジクの色合いが霞んじゃう」と断固拒否。江口は心の中で「また意見合わない…」と思いつつ、「じゃあ盛り付けを工夫しましょうかね…」と小声でつぶやく。
そこへ常連客・星野 剛志が入店。「おはようございます。新作のイチジクパフェって、もう出来てたりします…?」すると杉山は待ってましたとばかり、「はい、試作品があるんだけど、食べてくれる?」と差し出す。星野はいつものごとく“巻き込まれ感”を感じつつ、ありがたく(?)試食に応じる。
「お、美味しい…! けど、イチジクだけだと地味…というか、ちょっと大人っぽい味わいすぎて…僕みたいな甘党には、もっと分かりやすい甘さがあってもいいかも…」星野の控えめな意見も、杉山に「ふーん」と軽く流される。三人の会話はどこか噛み合わないまま、開店時間を迎える。
“Figo”という謎のインフルエンサー
昼前になり、客足が少し落ち着いたころ、江口が興奮気味に声を上げる。
「店長! SNSで有名なスイーツブロガー“Figo”が、このあたりを巡ってるらしいですよ。イチジク系スイーツを探してるみたいで……!」杉山はぴたりと動きを止め、「Figoって、イチジクのレビューを数多くしてるあの人…?」と瞳を輝かす。「もしうちに来てくれたら、イチジクパフェが世に広まるチャンス!」と意気揚々。だが江口は「でも辛口評価でも有名ですよ。中途半端だとボロクソ言われるかも…」と心配を煽る。やがて、さらにタイミング悪く(?)ライバル店「ルージュフルール」の店長・根岸が入ってくる。「へぇ、イチジクパフェね…地味じゃない? うちはイチジク含め、いろんなフルーツを豪華に盛り合わせるのがウリなの。Figoもうちのを試すはずだよ?」嫌味ったらしく微笑む根岸を見て、杉山は憤慨し「イチジクは単品でじゅうぶん華やかよ!」と鼻息を荒くする。根岸は「ふーん、まあがんばって」とだけ言い退散。まるで火種を撒きに来たよう。
トラブル! イチジクが思うように手に入らないそこへ仕入れ先から電話が入り、杉山が受け取ると顔面蒼白。「ええっ、完熟イチジクの出荷量が予定より少ない…? うちが注文した分、全部は揃わないんですか?」電話を切った後、店内に「どうしよう…」という不穏な空気が漂う。江口は「その分、手元にあるイチジクを頑張って活かすしかないですね」と妙にポジティブだが、杉山は「Figoが来るかもってときに在庫が足りないなんて…」とガックリ。さらに、江口が「そうだ、別の農家さんから白イチジクも取り寄せてみたらどうです?」と提案して即行動した結果、なぜか赤イチジクと白イチジクが大量に届くという誤発注が発生。“イチジクが足りないはずなのに別の品種が山ほど来る”という“在庫パニック”モードに突入。
クライマックス:謎の客、Figoはどれ?夕方、店はバタバタした状態で営業中。複数のお客が同時に来て、「イチジクパフェを…」「あ、私も…」と注文するが、完成したパフェを持っていくと「あれ? 色が違う…」とか「白イチジクなんて頼んでない…」などのトラブルが噴出。常連・星野があたふた仲裁するが、店主と新人の情報共有が混乱し、どれがどのお客のパフェか分からなくなる始末。そこに地味な服装の男性が静かに来店。「イチジクパフェって、ここで食べられますか?」と問い、杉山は「あ、はい…でも今ちょっと…」と混乱しつつ席に案内。江口が「これがもしやFigo…?」とこっそり目配せするが、店主は「まさかそんな地味な姿?」と半信半疑。仕方なく“白イチジク+赤イチジク”を混ぜたアドリブ版のパフェを作って出してみると、男性はじっと眺め、「面白いですね…食感も色合いも2種類のイチジクを楽しめるなんて」とつぶやく。
ハッピーエンド:イチジクパフェがバズる翌日、江口がまたSNSを見て叫ぶ。「店長、Figoのアカウントに“Fig & Spoonの二色イチジクパフェ、最高にフレッシュで独創的!”って書いてあります! 昨日のお客さんがFigoでしたよ、やっぱり!」市川は「え…あの地味な人が…!?」と驚愕。しかも文章に「本当は在庫不足や誤発注など色々あったらしいが、結果的に素晴らしいハーモニーを生み出した」と書かれている。ライバル店長・根岸が「なんでそんなアドリブがウケるの!?」と悔しがり、店主は「結果オーライね…」と苦笑しながらも喜びを抑えきれない。大量に届いた白イチジクが報われ、“赤&白イチジクの贅沢パフェ”として正式メニュー化。客足が急増し、店は嬉しい悲鳴。常連・星野は「ぼ、ぼく、ちゃんと食べる分ありますか…?」と心配げだが、店主は「しばらく在庫は大丈夫! でも一気に来ると大変かも」と微笑む。江口も「イチジク最高〜!」と盛り上がる。
最後に店内が賑わうなか、「イチジクは地味なんて誰が言った?」と市川が得意顔。こうして、**「イチジク騒動 〜パフェに隠された秘密〜」**は、ドタバタの末に思わぬ形でヒットメニューが生まれる形で幕を下ろす。みんながほっこり笑い合い、果実の甘い香りに包まれて温かいエンディングを迎えるのだった。
(了)




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