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タイムスリップ夫の逆襲!?〜坂口あやめの悲喜こもごも13:未来祖父母が運動会に大集合!?〜




1.平穏な幼稚園ライフ…のはずが

 老舗出版社「米星社」の文芸編集者・坂口あやめ。 未来から訪れるトレンチコート族やスパンコール姑、筋肉配達員・カリブとの散々な騒動を経て、現在は夫・裕作とともに幼稚園児になった娘を育てている。 最近は「未来人の便利ガジェットを園生活に持ち込まないで!」と注意したり、時空警察のカリブと連絡を取り合ったりしながらも、ようやく落ち着いた日々を送っていた。

 ところが、そんな平穏は長くは続かない。 ある日、園から配られたプリントに書かれたのは**「秋の大運動会について」**というお知らせ。 「わー、子どもの初めての運動会か! パパママはもちろん、祖父母の皆さんもぜひ応援に来てください!」 その文言を読んだあやめは内心ヒヤリとする。 「未来からの“祖父母”なんて、またスパンコールコートの姑とか、中年トレンチコートの夫(未来ver.)が乱入してこないでしょうね……?」

2.嫌な予感が的中! 「祖父母参観に行く」と連絡が…

 夜、あやめが仕事から帰ってくると、夫・裕作が青ざめた顔でスマホを握りしめていた。 「……あやめ、聞いてくれ。さっき“未来の俺”から連絡があった。子どもの運動会を見に行くから日にち教えてくれ、だって……」 やっぱり! あやめは額を押さえる。「ああ、未来の中年トレンチコートね……。よりによって、どうして毎回こういう行事に合わせて来るのかしら!」

 さらに追い打ちをかけるように、スパンコールコートの姑こと未来の楓井裕子(夫・裕作の母)からも連絡が入る。 「孫ちゃんの運動会ですって? 私も応援しに行くわ〜! 今、バックパッカーで南米にいるけど、そこからタイムスリップして向かうわ!」 「来なくていいからァァァ!!」とあやめは心の中で絶叫するが、どうせ止めてもムダだろう。

 こうして、運動会当日に未来祖父母ズが再々登場する予感が確定したのである。

3.時空警察のカリブ、またしても出動

 当然、「未来人が運動会に大集合するかも」という情報を聞きつけた時空警察も黙ってはいない。 あやめがカリブへ「嫌な予感しかしません」と愚痴ると、カリブは筋肉質な腕を組みつつ深刻な顔で言う。 「うーん、彼らは“子どもの応援”という大義名分がある以上、逮捕は難しいっす。運動会という大勢が集まる場所で下手に介入して騒ぎになるのは避けたい……。しかし放置してまた混乱を招くのも……」 結局、「当日はカリブがこっそり運動会を見張る」ことに。要するに**“現場監視”**だ。あやめは苦笑いしながら頷くしかない。

4.運動会当日、やっぱりアイツらが来た!

 そして迎えた運動会当日。 秋晴れの青空のもと、トトロ幼稚園の園庭はカラフルな万国旗と子どもたちの笑い声で溢れている。 あやめと裕作はビデオカメラを構え、娘がかけっこや玉入れをする姿をワクワクしながら待つ。 「どうか、何も起きませんように……!」 そう祈った瞬間、グワッと吹いた強い風の中から、トレンチコート姿の中年男性がスーツケースを引きずって出現。そう、未来の裕作だ。

 あやめが「はぁ……来たか……」とため息をつくと、未来裕作はペコリと頭を下げる。 「ごめんね、急に。だって娘(未来ではもう大きいけど)の小さい頃の晴れ姿、やっぱり見ておきたくてさ。…あ、今度こそ妨害じゃなく応援だから安心して!」 さらに数分後、今度は派手なスパンコールコートを揺らした中年女性、未来姑・裕子が、「はーい、孫ちゃんはどこかしら!?」と園庭に突入。 これだけでも周囲は怪訝な眼差しを向けてくるが、二人とも全然気にしていない様子だ。

5.祖父母対抗リレーが思わぬバトルに…!

 プログラムが進み、クラス対抗リレーや親子競技が終わったあと、最後に**「祖父母対抗リレー」**という珍企画が始まった。 元気な祖父母さんたちが走り、孫たちが応援する微笑ましいコーナー……のはずだが、そこに未来裕作とスパンコール姑・裕子が「え、私たちも参加するわ!」とノリノリで名乗りをあげる。 園側も「え、どちらのおじいちゃんおばあちゃん……? あ、ああ、楓井さんのご両親ですね!」と戸惑いながらも受け入れてしまう。

 ところが、いざスタートの合図が鳴ると、未来裕作と未来姑が不可思議な身体能力を発揮。 「うおりゃあ!」とスパンコールコートをなびかせ、他の参加者を置き去りにして爆走する裕子。まさかの俊足っぷりに、周囲は騒然! 一方の未来裕作は、「あ、足がもつれて……!」と転びそうになりながらも、途中で懐から謎のサポートガジェットを取り出して脚に装着。「ハイパー関節サポーター」などとつぶやいたかと思うと、急にスピードを増して他を追い抜き始めた。 会場からは「な、なんだあれ!?」「反則じゃないの!?」と悲鳴とも笑いともつかない声が上がる。

6.大混乱に時空警察カリブが緊急制止

 このままでは完全に反則だと判断したのか、時空警察カリブが観客席から飛び出す。 「ちょ、ちょっと待ったぁ! 未来ガジェットの使用は禁止っすよ!」 リレーのコースに割って入り、筋肉でガッチリと未来裕作の腕を掴む。すると、止まりきれなかった未来裕作はカリブと抱き合うように転倒し、そのままゴロゴロ…。 一方、スパンコール姑は猛ダッシュでゴールテープを切ろうとしていたが、園の先生たちが「すみません、コートが危ないんで脱いでください!」と引き留める。結局、後続の祖父母に抜かされてあっさりゴール。 あやめと裕作は苦笑いしながら、「いい加減にしてくれぇぇぇ……」と頭を抱える。

7.未来ガジェット没収!? しかし生まれた家族の笑顔

 リレー後、園の一角で緊急会議が開かれた。参加者はあやめ、裕作、未来裕作、未来姑、そして時空警察カリブと園長先生。 カリブは厳しい顔で「未来ガジェットの使用は公序良俗に反するとみなし、没収とします! あと、先生、この二人を今後の競技に参加させるのは控えたほうが……」 先生は申し訳なさそうに「は、はい……わかりました……」と答える。 未来姑・裕子は「まあ、走れなくても応援はできるしね〜!」とケロリとしているが、未来裕作は「子どもの晴れ舞台に泥を塗っちゃったかな……」としょんぼり。

 でも、その瞬間、あやめの娘がトコトコ駆け寄ってきて、「じいじー、ばあばー!」と笑顔で手を振る。 「今の競走、すっごく早かったね! でも転んじゃったの? 大丈夫?」と心配そうにのぞき込む娘に、未来裕作と未来姑は思わず頬を緩ませる。 「ははは、痛かったけど、君の応援があったからがんばれたよ……」

 見れば、あやめの娘は全身砂だらけで汗ばんで、それでも満面の笑み。まるで「これが運動会なんだよ!」と伝えているようだ。 あやめはそれを見て、「今は今。どんな迷惑かけても……子どもの“いまの笑顔”を一緒に見られるなら、まあいいか……」と少しだけ許す気持ちになる。

8.“子どもの一瞬”こそ一番大切

 午後の競技は、親子ダンスや玉入れ合戦などが続き、未来祖父母は観客席から穏やかに見守るだけ。 あやめと裕作も精一杯、娘と参加競技を楽しんだ。園庭には笑い声と拍手、泣き声(負けて悔しい子)などが入り混じり、運動会らしい“カオスだけど幸せ”な空気が広がる。 未来姑や中年トレンチコート夫(未来ver.)も、結局は「未来ガジェットを使わない」約束を守り、カメラ代わりに懐かしのインスタントカメラを手に「こっち向いて〜!」とはしゃいでいる。 “未来警戒”に余念がないカリブも、「あれ、意外と普通に楽しんでるじゃないっすか……」と拍子抜け。

 フィナーレの閉会式が終わり、あやめは日よけテントの中で娘に水を飲ませながら目を細める。 「結局はドタバタしたけど、終わってみればこうしてみんな笑ってる……。なんだかんだで、運動会っていいものね」

9.未来祖父母、帰還。そして次の行事は…?

 運動会後、夕暮れの園庭で後片付けを手伝い、あやめ一家はようやく一息。そこへ中年トレンチコート姿の未来裕作とスパンコール姑が「そろそろ未来へ帰るわ。今回こそ大惨事にならなくてよかった!」と声をかける。 「ごめんね、無茶して。娘ちゃん(=幼少期の子ども)を生で見られて、本当に良かったよ。大きくなってからじゃ味わえない時間だもんな……」としみじみ語る未来裕作。 姑の裕子も、「それにしてもあなたたち、随分いい夫婦になったわね。若いころのあやめさんと裕作がこんなに協力して運動会に参加してるなんて、ちょっと感動しちゃったわ」と笑顔で言う。 あやめは苦笑しながら「まぁ、昔は未来人に振り回されてばっかりだったけど、今は慣れたというか……。とにかく無事に終わって良かった」と返す。

 二人(+スパンコールコート)はタイムマシン端末を起動し、青白い光とともに姿を消す。 こうして、今回の“未来祖父母大集合”事件も終幕。 あやめは安堵しながら、「さあ、次は発表会とかおゆうぎ会とかあるんだっけ。やれやれ、また忙しくなるな……」とつぶやく。

 もっとも、次の行事あたりでまた未来姑が衣装作りを口出ししてくる可能性は大いにある。カリブの頭痛は治まらない日々かもしれない。 でも、あやめたち家族はきっと大丈夫。もう何があっても、娘の笑顔を最優先しながら、ドタバタを笑いに変える強さを身につけているのだから——。

エピローグ:家に残された“時空みやげ”に苦笑

 翌日、あやめが部屋を掃除していると、タンスの上にポツンと置かれた時空端末の部品を発見した。どうやら未来姑が落としていったらしい。 「……これ、返さなきゃかな……?」 部品を見つめながらあやめは、小さく肩をすくめる。 またいつか彼らがこの部品を探して戻ってくるのかもしれないし、逆に次の行事のタイミングで「そういえば落としてたわ!」と何食わぬ顔でやって来るのかもしれない。

 まあいいや。とにかく今は、無事に運動会が終わったこの平和な時間を享受しよう。 そう思って、あやめは笑顔で娘の寝顔を覗き込む。いつかこの子が大きくなったら、今日の出来事をどう話してあげようか——「実はあなたの未来のおじいちゃんとおばあちゃんが、めちゃくちゃ走り回った運動会があってね」なんて。 この小さな家族の物語は、まだまだ続く。未来人がいようがいまいが、大切なのは“今ここ”で笑い合う時間なのだから。

(了)

 
 
 

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