「静岡駅前・エレガンスストア物語 ― 杉山さん、売上 No.1 の座を射止める！」

――2025 年度・春シーズンの月次集計が締まり、ついに“売上 No.1”の称号が発表される日がやって来た。天然ほわほわ担当の三浦さんか？　頭脳派の清水さんか？　いや、今回スポットライトを浴びるのは――情熱あふれる杉山さん！　だが「頂点を取った者」には思いも寄らぬ試練とドタバタが待っていた。三谷幸喜ばりのテンポでお届けする、笑いと涙の爆笑コメディ特別編。――

プロローグ：月次ランキング“開票”の瞬間

スタッフルーム・朝礼

• 宮本店長（封筒を手にニヤけ顔）「さぁ皆さん、お待ちかねの春シーズン売上ランキングを発表します！——第３位、清水さん！　第２位、三浦さん！　そして第１位は……杉山さん!!」

• 三浦さん（拍手しながら首をかしげ）「わぁ～！　杉山さん、おめでとうございます！　私、星座の運気が来てると思ったんですけど外しちゃいました～。」

• 清水さん（淡々と）「真面目に分析して追い上げたのに、あと３万円届かなかった……。来月は“笑顔強化月間”を宣言します。」

• 杉山さん（瞳キラキラ／拳突き上げ）「やったぁぁぁーー！　私って、ほんとに No.1 なんですか!?　……覚悟してくださいね、売場全部“杉山流ディスプレイ”で埋め尽くしますから！」

ここで店長が慌てて制止。「杉山さん、イメチェンはほどほどにね。『売上 No.1 受賞者フェア』も企画するから――暴走は単独走にしてくれ。」

第一幕：No.1 の名刺、威力は抜群？

売場フロア・午前

「No.1 バッジ」を胸に着けた杉山さんは、さっそくアクセル全開。

• お客様Ａ：「ちょっと見るだけのつもりで……」

• 杉山さん（キラースマイル）「見るだけ歓迎です！　でも“見るだけ”で終われない魅力がコチラに♡」

気づけばショーケース前に“杉山劇場”が発動。商品の歴史からコーデ例、著名人着用ネタまで 120%盛り込んだトークにお客様拍手。三浦さんは隣でポカン。

三浦さん（小声）「杉山さん、昨日より速度 1.5 倍……は、速い……。」

第二幕：暴走の代償？　清水さんの在庫アラーム

バックヤード・昼下がり

売上速報が跳ね上がる一方、在庫システムは真っ赤な警告ランプ。

• 清水さん（冷や汗）「やばい……１日で２週間分の限定カラーが消えた……。杉山さん、推しすぎ！」

• 宮本店長「“品薄は人気の証”なんて悠長に言ってられないね。清水さん、メーカーへ直通依頼を！」

清水さんは電話３本を同時に抱え、チャットで交渉、条件を“ほぼ力技”で引き出す。

第三幕：三浦さん、“天然フォロー”でまさかの援護射撃

イベントコーナー・午後

在庫逼迫を知らぬまま杉山さんはさらに滑走。そこへ三浦さんが颯爽（？）と割り込み、お得意の“ふわっとワード”でペースダウンを図る。

• 三浦さん「このバッグ、７日待つと“月が綺麗に見える夜”に届くんですよ～。」

• お客様Ｂ：「え？　ロマンチック……。じゃあ取り寄せでも全然ＯＫよ♥」

納期遅延を詩的に誤魔化す離れ業！　在庫不足危機を乗り切る“天然ブレーキ”に清水さんも思わずサムズアップ。

クライマックス：No.1 記念セレモニー、予想外の結末

店頭ミニ表彰式・夕方

ささやかながら、店長主催で“杉山さん No.1 セレモニー”が開かれる。スタッフとお客様が見守るなか、杉山さんはマイクを握り、用意していた感謝スピーチを披露――のはずが。

杉山さん「今回の受賞は情熱の勝利です！　私のモットーは“押して、押して、押し倒す……”あっ、違う、“押し上げる”です！」

会場ドッと爆笑。慌てた杉山さんが真っ赤になる横で、三浦さんが拍手しながら「押し倒しちゃダメですよ～」と追い打ち。

最後は宮本店長がマイクを取り、しっとり締める。

宮本店長「どんなに売上が伸びても、大切なのは“お客様が笑顔で帰ること”。杉山さんも三浦さんも、それぞれの個性でそれを実現してくれました。これからも“エレガンスストアらしい No.1”を更新していきましょう！」

拍手と笑いに包まれてセレモニー終了。だが――

• 清水さん（小声で）：「追加発注、今夜中に３ロット確保。……私が真の No.1 かもしれない（ぼそっ）」

• 杉山さん：「在庫？　あ、ごめん清水さん、明日も売る気満々だからよろしくね☆」

• 三浦さん：「星座バッグ、次は“水瓶座推し”にしようかな～。」

エピローグ：No.1 の次は“笑い No.1”！？

閉店後、スタッフルームでは祝杯用のノンアル・シャンパンが用意される。

• 杉山さん：「やっぱり頂点は気持ちいい！　でも……間違って“押し倒す”って言っちゃったのは黒歴史だわ（泣笑）。」

• 三浦さん：「私も“星座バッグ”で次こそ売上トップを目指します～♪」

• 清水さん：「（暗算しながら）在庫と予算の管理がまた地獄……でも面白いからいいか。」

• 宮本店長：「皆が前向きで何より。本当の No.1 は“チームワーク”だと私は思っているよ。」

こうして、“化け始めた二人”のドタバタ栄冠ストーリーは幕を閉じた。明日からも、笑いと情熱とちょっぴり天然で、エレガンスストアは静岡駅前を明るく照らし続ける――。

（終）