「静岡駅前・エレガンスストア物語」――いつもの優雅な空気が流れる「エレガンスストア」。しかし今日は朝から何やら、いつもと違う雰囲気をまとった三浦さんの姿が…。謎すぎる接客が巻き起こす“売上革命”が、今ここに始まる!?――第5話「三浦さんの接客革命」
- 山崎行政書士事務所
- 1月20日
- 読了時間: 5分

シーン1:新作バッグ入荷、店内大忙し
朝の開店と同時に、続々とお客様が店内へ。今期の新作バッグが入荷されたとあって、店内は早くも活気に満ちている。慌ただしい雰囲気のなか、三浦さんが目を輝かせてみんなの前で宣言する。
三浦さん:「今日は私、新しい接客スタイルを試そうと思うんです!」
その言葉に杉山さんが思わず声を上げる。
杉山さん:「新しい接客スタイル? 具体的には何をするんですか? …まさかまたポスターに話しかけるんじゃないでしょうね?」
清水さん:「勘弁してよ。あれはまだ笑い話で済んだからいいけど、今は新作入荷で大忙しなんだから…」
しかし三浦さんは、にこにこと笑みを浮かべるだけ。その様子に宮本店長も興味深々。
宮本店長:「まあ、やり方は自由だよ。結果的にお客様が満足してくれたら良しとしよう。とにかくミスのないようにね。」
三浦さん:「はい、頑張ります~!」
シーン2:謎の質問「このバッグがもし映画に出るなら?」
ほどなくして来店したお客様に、いつものように三浦さんが声をかける。すると、いきなりこんな質問を……。
三浦さん:「いらっしゃいませ~。あの、このバッグって、もし映画に出るならどんな役が似合うと思います?」
お客様A:「…えっ、役? うーん、急に言われても……あ、でも優雅な感じだから、王妃とか?」
三浦さん:「王妃! 素敵ですね~。じゃあ、王妃役にぴったりということで、ちょっと肩に掛けてみてください!」
何だかよく分からないが、お客様Aは言われるがままにバッグを肩に掛けてみる。すると……
三浦さん:「おお、すごくお似合いですよ~。とっても優雅な雰囲気です! まるで宮殿の中を歩いているみたい。もし王妃なら、控えめで品があって、でも存在感もありますよね。」
お客様A:「(なんだか気分が上がってきた…)そ、そう言われると、持ってて楽しいかも…?」
気づけばお客様Aは笑顔。なんと、このまま購入まで進んでしまう。周囲では、これを横目で見守っていた清水さんが首をかしげる。
清水さん:「いや、なんでそれで売れるのか謎すぎる…。商品知識とか性能説明はどこに行ったのよ?」
シーン3:続々と盛り上がる“映画役”接客
その後も三浦さんの新スタイルは止まらない。別のお客様Bには、新作のアウトドア風デザインのバッグを前にして同じ質問。
三浦さん:「こちらのバッグ、もし映画の中で役をするなら、どんな役だと思います?」
お客様B:「そうだなぁ…ちょっとワイルドで、冒険家とか似合いそう?」
三浦さん:「わあ、冒険家! いいですね~。じゃあ背負ってみましょうか。山道でも旅先でもガンガン使えて、これ一つで大自然を駆け回れそうですよね!」
お客様B:「あはは、確かに。想像するとなんだかワクワクしますね。これ、買っちゃおうかな…?」
杉山さんが思わず突っ込む。
杉山さん:「え、買うんですか!? 機能性とか素材の話まだ全然してないんですけど…」
お客様B:「でも、なんだかもう『自分が旅してる』イメージ湧いちゃって…。なんか楽しいんですよね。ぜひこれにします!」
清水さん:「(小声で)うそでしょ……三浦さん、まさかイメージ接客だけで物を売るなんて……」
ところが結果は次々と大盛況。三浦さんの個性的すぎる「映画の役イメージ」接客に、お客様は楽しげに購入していくのだった。
シーン4:周囲の反応と店長の一言
夕方、店内は新作が予想外の売れ行きを見せ、一時的に在庫が少なくなるほど。手続きに追われた杉山さんと清水さんは、レジの近くで呆れと驚きが入り混じった表情。
杉山さん:「マジであの“映画役質問”だけで、こんなに売れちゃうんだ……。接客の鬼・私のブランド知識は一体……」
清水さん:「ほんと意味不明。接客メソッドとかいうより、三浦さん独特の話術というか空気感というか……。でも売れるなら凄いわね。」
すると、宮本店長が颯爽と姿を現す。レジ横に積まれた売上伝票を見て、目を丸くする店長。
宮本店長:「これはすごい…! 今日の新作バッグの販売数、想定をはるかに上回ってるよ。いったい何があったんだい?」
清水さん:「(半ば呆れ顔で)三浦さんが勝手に“映画の役に例える”っていう謎接客を始めたんですけど、それがなぜか大当たりで…。」
杉山さん:「正直、私や清水さんも説明スキルでは負けてないと思うんですけどね。今回はすべて三浦さんのおかげです。」
そこに当の三浦さんが戻ってくる。満面の笑みを浮かべ、さすがに少し疲れた様子だが充実感に溢れている。
三浦さん:「あ~皆さん、お疲れ様です~。お客様とイメージを膨らませるの、すごく面白かったんですよ。普段はカタログ的な説明ばかりだったので、ちょっと変化をつけたくて…」
宮本店長:「いやぁ、三浦さんの接客、斬新で面白い! これはちょっと研究の余地があるね。次回会議でみんなに教えてもらおう!」
三浦さん:「えっ、みんなにもですか? そんな大したものじゃないんですけど…(照れ笑い)」
清水さん:「でも売れたのは事実だし、一理あるかも。どんなお客様にも“自分がそのバッグを持っているイメージ”を具体的にしてもらうって、意外と効果的なのかもね。」
杉山さん:「ただ、あまりに謎すぎる質問だけは控えてくださいよ~。私達がフォローしようにも、どうしていいかわからなくなりますから(苦笑)。」
エンディング
こうして、三浦さんの新しい“イメージ接客”は意外な形で大成功を収め、エレガンスストアの売上に大きく貢献することになった。もちろん、清水さんの在庫管理、杉山さんの商品知識、宮本店長の的確なサポートあってこそ――それでも、やはり三浦さんのふんわりしたアイデアには、不思議な魅力がある。
笑顔で商品を手にして帰るお客様たちを見送りながら、スタッフ全員はしみじみ感じる。**「個性を活かした接客スタイルって、案外アリかもしれない」**と。
清水さん:「いや、なんでそれで売れるのか謎すぎる。」宮本店長:「三浦さんの接客、斬新で面白い。次回会議でみんなに教えてもらおう!」
(第5話 終)





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