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「静岡駅前・エレガンスストア物語」――いつもの優雅な空気に包まれた「エレガンスストア」に、今日はビッグニュースが飛び込む。VIPな有名人の来店が確定し、スタッフ達は朝からそわそわ。笑いとちょっとの緊張感が入り混じる店内で、いったいどんなドラマが展開されるのか――。第4話「VIPのお客様がやってきた」

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月20日
  • 読了時間: 5分



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シーン1:朝の緊張感

出勤直後の朝礼。宮本店長が珍しく真剣な表情で口を開く。

宮本店長:「みんな、聞いてくれ。実は今日、有名人の橘(たちばな)さんが来店予定なんだ。テレビでもよく見る俳優さんだし、雑誌にもたくさん出ている超VIPだよ。だから接客は万全に頼むよ!」

この言葉にスタッフはざわめく。三浦さんは目をキラキラさせながら手を合わせている。

三浦さん:「あの橘さんが……ええっ、私、テレビで観てました……あんな有名な人を接客なんて……うわぁ、緊張する……」

杉山さんは意気込んで手を挙げる。

杉山さん:「お任せください! VIP対応なら腕によりをかけてご案内します。ブランドの新作や限定品をしっかりご案内して、うちの魅力を存分に伝えますね!」

一方、清水さんはいつも通りクール。

清水さん:「大事なのは売上にもつながるかどうか。VIPだからといって、むやみに提案しても時間をかけすぎるだけ。効率的に接客しましょうね。」

宮本店長:「そうだね。ではみんな、チームワークで頼むよ!」

シーン2:VIPご来店!

数時間後、店頭に人だかりができたと思ったら、黒い帽子とサングラスを身に着けた男性がスッと入ってくる。やはりオーラが違う。その男性こそ、話題の俳優・橘さんだった。

三浦さん:「い、いらっしゃいませ!! …わ、わあ、本物だ……(小声)」

緊張のあまり、声が裏返る三浦さん。慌てて姿勢を正そうとするが、うまくいかない。

三浦さん:「なにかお探しのものはござい……ましっ…たか? いや、ござ、ござい…ますか…?」

橘さん:「あ、どうも。やっぱり目立っちゃいますね……。今日はプライベートなんで、静かにバッグとか見たいんですけど……」

三浦さん:「(頭が真っ白)し、しずかに……はい、承知しました! しっかり、ごしつ……ご説明しますので……!」

言葉を噛みまくりの三浦さんに、そっと横から杉山さんが助け舟を出す。

杉山さん:「本日はご来店ありがとうございます! 新作のバッグが丁度入荷したばかりでして、今なら限定のカラーもございます。少しご覧になりませんか?」

橘さん:「あ、ありがとうございます。ぜひ見せてください。」

シーン3:スマートな商品提案

三浦さんをフォローしつつ、杉山さんは適度な距離感を保ちながら商品を提案。そこへ清水さんが合流し、タブレットを使ってさらりと在庫や商品の特徴を見せる。

清水さん:「橘さん、このシリーズは海外でも評価が高く、最近は雑誌でも取り上げられています。もちろん在庫も十分に確保していますが、人気ゆえ品薄になるのは時間の問題かと。」

橘さん:「そうなんですね。確かにデザインが落ち着いていて好みかも。ちょっと持たせてもらっていいですか?」

清水さん:「もちろんどうぞ。重量感も適度にあるので、男性が持ってもしっくりきますよ。」

橘さんはバッグを肩に掛けたり鏡で確認したりして、どれにしようか本気で悩み始める。そんな様子を見守る三浦さんは、まだ緊張気味で言葉少なめ。しかし、そっとバッグを差し出したり、棚から色違いを取り出したりと、さりげなくサポートをしている。

シーン4:宮本店長のスマートな会計

最終的に橘さんが選んだのは、落ち着いたカラーの新作バッグ。満足そうに頷き、レジへ向かう。その場に現れたのは宮本店長。普段はフロアを巡回しているが、VIPのレジ対応は自ら行うようだ。

宮本店長:「橘さん、このたびは当店をご利用いただきありがとうございます。お選びいただいたバッグ、きっと長くご愛用いただけると思いますよ。」

宮本店長の柔らかな笑顔とスムーズなレジ捌きに、橘さんは思わず感心する様子。

橘さん:「ありがとうございます。プライベートで来たのに、こんなに丁寧に接客してもらって……嬉しかったです。」

宮本店長:「そう言っていただけると光栄です。是非またお気軽にお越しください。スタッフ一同、お待ちしております。」

橘さん:「はい、また来ますね。…あ、サインとか要ります?(笑)」

宮本店長:「ご厚意ありがとうございます。でも橘さんがゆっくりお買い物を楽しんでいただけたなら、それが何よりですよ。」

こうして、超VIPの来店は大成功で終わった。橘さんが店を出ると同時に、スタッフたちから思わず安堵のため息が漏れる。

シーン5:振り返りとチームワーク

一段落した店内。三浦さんはようやく緊張から解放され、心底ホッとした表情。

三浦さん:「ふう……上手く話せなかった……言葉を噛みまくって、失礼だったかなぁ……」

杉山さん:「いやいや、三浦さんのおっとりした雰囲気が逆にリラックスムードを作ってたと思いますよ。途中で私が口を挟まなかったら、もっと上手く喋れたかもなのに、ゴメンね。」

三浦さん:「そ、そんな……フォローしてくれて助かりました。ありがとう、杉山さん。」

清水さん:「私も在庫の情報をタイミングよく見せられてよかった。VIPにはあまり長くお待たせするわけにもいかないし、スムーズに進んで何より。」

そこへ宮本店長が笑顔でやって来る。

宮本店長:「みんな、お疲れさま! 有名人のお客様にも満足していただけたようだね。今回は特に連携がバッチリだったよ。これからもチームワークで頑張ろう!

スタッフ全員:「おーっ!」

全員で小さくガッツポーズを交わし、静岡駅前の「エレガンスストア」に再び穏やかな時間が流れ始めるのだった。

宮本店長:「これからもチームワークでがんばろう!」スタッフ全員:「おーっ!」

(第4話 終)

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