「静岡駅前・エレガンスストア物語」――いつも優雅なムードに包まれている当店だが、今回は笑いの嵐とともにスタッフ総出の大騒ぎが勃発！ まさかの「ブランケット3枚ノルマ」が下りてきて、店内はパニック状態に。果たして彼らはこの無茶振りをクリアできるのか！？――第10話「ブランケット3枚ノルマで大騒動！」

シーン1：衝撃のノルマ発表

ある朝、宮本店長がスタッフをフロアに呼び集め、深刻そうな面持ちで告げる。

宮本店長：「みんな……突然だけど、本社から“高級カシミアブランケットをスタッフ一人につき3枚ずつ売れ”というノルマが下った。今日から全力で頼むよ！」

この言葉にスタッフは顔面蒼白。

• 三浦さん：「ブ、ブランケットって…カーテンみたいに掛けて説明すればいいのかな…？」

• 杉山さん：「いやいや！ まずは暖かさと柔らかさをアピールしないと！」

• 清水さん：「…ノルマ達成できなかったらどうなるんだ…いや、考えたくない。」

そこに店長が気合のガッツポーズを見せる。

宮本店長：「この店の力を見せるときだ！ 全員、気合入れていくぞ！」

スタッフ全員は「お、おー……」と、やたら気の抜けた掛け声を上げるのだった。

シーン2：三浦さんの“ゆるふわ大作戦” ～しかし爆笑ハプニング！～

まず行動を起こしたのは、のんびりおっとり系の三浦さん。彼女の考案した作戦は一風変わっていた。

三浦さん：「“リラックスできるブランケット体験”をお店でしちゃえば、お客様も「これ欲しい！」って思うはずですよ～。」

そう言うやいなや、店内の一角にソファを設置し、紅茶まで用意。「ブランケットを使ってまったりする空間」を演出し始める。

• 三浦さんはブランケットにくるまりながら、お客様に「どうですかぁ？ このふわふわ感……心が癒されるでしょう？」とニコニコ。

• これが意外にもウケて、「おうちでもこの雰囲気味わいたい！」と何人かが買ってくれる。

しかし、成功の裏で大問題発生！ 三浦さんは自分があまりにもリラックスしすぎて――

三浦さん：「（ウトウト）……むにゃ……あ、もうお茶が冷めちゃう……むにゃ……Zzzz…」

なんと店頭で居眠りを始めてしまう。それを見つけた宮本店長は仰天！

宮本店長：「三浦さん、寝るのは家で！ ほら、起きて起きて！」

三浦さん：「す、すみません……でも1枚売れましたよ……（あくび）」

そのゆるふわ作戦にお客様も店長も呆れつつ、なぜか結果は出るという不思議さ。三浦さんのブランケット売り上げ、順調に1枚ゲット。

シーン3：杉山さんの“猛アピール大作戦” ～熱意が空回り！？～

今度は杉山さんが声を張り上げ、元気いっぱいにブランケットを売り込む。「接客の鬼」の異名を持つ彼女はとにかく熱量で攻める！

杉山さん：「いらっしゃいませ！ 高級カシミアブランケットはいかがですか！ ただの防寒具じゃありませんよ～！ これを使えば、心までポッカポカになる魔法のアイテムなんですっ！」

通りすがりのお客様はその勢いに圧倒され、思わず足を止める。ところがあまりに熱烈すぎたため――

お客様：「え、えっと……それって、電気毛布みたいなものですか？」

全力で売り込んだ結果、まさかの電気毛布と勘違いされるハプニングが頻発。杉山さんは真っ赤になって否定する。

杉山さん：「いえいえ、コンセントは要りません！ 純粋なカシミアです！ でも、電気毛布以上に暖かいんです！」

必死の説明を聞いて、ようやく理解したお客様が心を動かされ、なんと一度に2枚購入してくれる。

杉山さん：「やったー！ 2枚売れました！ ほら、電気なんか要らないでしょう？（笑）」

清水さん：「さすが杉山さん。でもテンションはもう少し抑えた方がいいかも…。周囲が引いてるよ…（苦笑）。」

杉山さんは「私、もっと頑張ります！」と鼻息荒く応えるのだった。

シーン4：清水さんの“冷静・現実的な戦略”

最後に登場するのは、リアリストの清水さん。彼女は売り方のノウハウを素早く分析し、「冬ギフト需要」に狙いを定めた。

清水さん：「今の時期、誕生日やバレンタイン前でギフト需要があります。ブランケットをラッピングして、“プレゼントにおすすめ”とアピールしましょう。そして2枚目を半額にするキャンペーンを提案すれば、一気に売れます。」

その計画性と冷静なトーク術でお客様をサクサクと獲得。ラッピングも手際よく行い、「どなたかへの贈り物にいかがですか？」と、まるで機械のような正確さで進める。

結果、あっという間に3枚売り切り！しかし、そのあまりのスムーズさに宮本店長が苦笑い。

宮本店長：「清水さん、売れたらそれでいいんだけど、もう少し感情を出してくれてもいいんだよ？（笑）」

清水さん：「売れたら十分です。目標が達成できれば、問題ありませんので。」

なんともドライな一言に周囲は爆笑。やっぱり清水さんらしい。

シーン5：店長の「ブランケット愛」説法

しかし、スタッフ全員が必死に頑張っても、まだノルマが少し残っている……。そこで満を持して登場したのが、指揮官である宮本店長！ いつになく熱い目をしている。

宮本店長：「よし、最後は私が行く。聞いてくれ、ブランケットはただの布じゃない……“人生を包み込む暖かさ”があるんだ！」

その瞬間、店長は店頭の一角で説法（？）を始める。手にはブランケットを広げ、力説しながら優雅に振り回す。

• 「このブランケットにくるまれば、人生の辛さも温かく包まれて癒される！」

• 「まるで母のような、いや、父のような……両親のありがたみまで思い出せるかもしれない！」

周りのお客様は「なんだなんだ？」と集まり始め、思わず拍手。「すごい説得力…」「なんか感動した！」と口々に言いながら、何人かがそのまま購入していく。

三浦さん：「店長、語彙力が意外と豊富……！」

杉山さん：「布が“父”ってどういうことだろう……でもなんか、心に響いたのかしら？」

こうして、店長の情熱トークに押されてノルマを無事達成！ 店内にはほっとしたような、妙な達成感が漂う。

エピローグ：疲労困憊のスタッフたち

閉店後、スタッフルームにはぐったりとした様子の全員が集まる。ノルマはクリアしたものの、その道のりは一筋縄ではいかなかった。

三浦さん：「なんとか3枚売れましたね…。あぁ、次はもう少し楽なノルマがいいな～。」

杉山さん：「でも、みんなで協力できたから楽しかったかも。私も“電気毛布”疑惑は焦ったけど、結果オーライ！」

清水さん：「私はもっと計画的に売りたかったな…。でも売れたから合格ですね。」

そこに、着ぐるみの時よりもはるかに元気な宮本店長が現れる。

宮本店長：「みんな、お疲れさま！ 見事、全員ノルマ達成だ。これで今月の売上も大幅に伸びたぞ。よくやった！」

全員：「やりましたねー！」

疲れの中にも笑いがあり、なんだかんだ達成感と連帯感が増した一日となった。こうして“ブランケット3枚ノルマ”の大騒動は無事に幕を閉じるが、彼らの爆笑と奮闘の日々はまだまだ続いていくのだった。

（第10話 終）