「静岡駅前・エレガンスストア物語:番外編」――高級ブランドショップ「エレガンスストア」での日々は、今日も個性豊かなスタッフたちが巻き起こす笑いとちょっとしたドラマの連続。でも今回ばかりは、まさかの“接客コンテスト”という大舞台が待ち受けていた……!――
- 山崎行政書士事務所
- 1月20日
- 読了時間: 6分

第一幕:接客コンテストへの出場決定!
シーン:朝礼にて
いつものように朝礼が始まろうとしている。宮本店長が厳かな表情でスタッフたちを見渡す。
宮本店長「みんな、ちょっとビッグニュースがある。来月、本社主催の“全国接客コンテスト”が開かれることになったんだ!」
スタッフ一同はざわめく。特に、接客への情熱が並々ならぬ杉山さんは興奮気味に手を挙げる。
杉山さん「店長、それってまさか私たちの店舗も参加できるってことですか!? 私、出たいです! がんばります!」
だが、店長は意外な人選を告げる。
宮本店長「ああ、出場枠は一名だけ。うちからは……三浦さんに出てもらおうと思う!」
杉山さん「えええっ!? なぜに三浦さん!? ここは私でしょー!!」
三浦さんは目を丸くして、ポカンと口を開ける。
三浦さん「わ、私ですか……? いや、あの、接客コンテストなんて…緊張して間違えてポスターにしゃべりかけちゃうかも……(小声)」
宮本店長「三浦さんの“独特の接客スタイル”は、ほかの人にはない強みがあるからね。いつもお客様を癒やしてくれるし、ぜひ挑戦してみてほしいんだ。」
その一言に、周囲がわっと盛り上がる。内心納得がいかない杉山さんだが、店長の決定は絶対。複雑な表情を浮かべながらも「三浦さんを応援しよう」と心に誓うのだった。
第二幕:杉山さんのライバル出現、バチバチ対決!?
シーン:コンテスト会場ロビー
当日、広々としたコンテスト会場。各店舗の代表スタッフが集まり、受付前であちこちに行列ができている。エレガンスストアからは三浦さんとサポート役の杉山さん、そして数字管理の要である清水さんと宮本店長が視察を兼ねて付き添っていた。
そこへ現れたのは、杉山さんが見て思わず「うっ」と声を漏らす相手――他店舗のエース店員、藤沢さん(仮名)。いかにも自信満々な表情で、杉山さんに声をかける。
藤沢さん「やあ、杉山さん。久しぶりだねぇ。今日は出場者は君じゃないんだ? あれ、もったいないねえ~?」
杉山さん「ふっ……(悔しそう) いや、うちは三浦さんが代表なんですよ! …何か問題でも?」
藤沢さんはチラリと三浦さんを見やり、にこやかに微笑む。だが、その目は完全にライバル意識むき出しだ。
藤沢さん「ふーん。そちらの女性がね。どんな接客を見せてくれるか、楽しみにしてるよ。うちの店こそ、全国一の接客力を誇るって証明したいから。」
そこで三浦さん、いつものおっとり笑顔でペコリと頭を下げる。
三浦さん「はじめまして……三浦と申します。あの、あまり期待しないで見てください……(ぽわん)」
藤沢さんは「???」という表情。一体どういうスタイルなのか全く想像がつかず、戸惑いの色を見せる。杉山さんは内心「その余裕をぶち破ってやりたい……!」とバチバチの眼光を送るのだった。
第三幕:三浦さん、前代未聞の接客を披露!?
シーン:コンテスト本番ステージ
いよいよ本番。ステージ上には審査員と、各店舗の代表が順番に呼ばれ、模擬接客を披露するという形式。藤沢さんが華麗な商品知識と流れるようなトーク力を発揮すると、会場から感嘆の声が上がる。杉山さんは悔しそうに拳を握る。
杉山さん「やっぱり藤沢さん、すごい……さすが知識量がハンパない……!」
そして、いよいよ三浦さんの出番。緊張の面持ちでステージ中央に立ち、模擬客役のスタッフが登場する。ところが――
三浦さん「い、いらっしゃいませ~……。(深呼吸) えっと……こ、ここ……あれ?……」
案の定、三浦さんは頭が真っ白に。会場にはちょっとした冷たい空気が漂う。杉山さんがハラハラしていると――
三浦さん「あ! そうだ。もしこのバッグが映画に出るとしたら、どんな役が似合うと思いますか……?」
会場:「えっ? 映画の役……???」観客や審査員が思わずざわめく。だが、三浦さんはお得意の“イメージ接客”モードに突入。
三浦さん「たとえば王妃役なら、ちょっとゴージャスで優雅な雰囲気を演出できますし、冒険家なら力強いイメージが……(ぽわんと柔らかい口調で)」
不可思議なトークに最初は戸惑う会場。しかし、次第に「なんか、話聞いてるとワクワクする……」と引き込まれ、観客の顔に笑みが浮かぶ。審査員たちも「まさかこんな方向性の接客があるとは……」と興味津々。会場の空気は一変し、優しい笑いに包まれる。
第四幕:清水さんがついに笑う!?
シーン:楽屋裏・ステージ終了後
ステージを終えた三浦さんが戻ってくると、杉山さんと清水さんが待ち構えていた。
杉山さん「三浦さん、すごかったじゃないですか! 会場の雰囲気が一気に温かくなりましたよ!」
三浦さん:「そ、そうでしょうか。私、緊張して何言ってるか自分でも分からなくなって……」
そこに、静かに聞いていた清水さんが、いつになくふっと笑みを漏らす。
清水さん「(クスクス)……ごめん、なんか笑っちゃった。三浦さんの接客、やっぱり面白いわ。大舞台でもあの天然っぷりを発揮できるとはね。」
杉山さん:「え、清水さんが笑った……!? 珍しいですね!」
三浦さん:「わ……! 清水さんが笑うと、なんだか嬉しいですね~(ほわん)」
実は清水さん、いつもは無表情かクールに徹しているが、三浦さんのちょっと変わった接客スタイルが“ツボ”だったようだ。そんな光景を目撃した宮本店長は驚いた顔で一言。
宮本店長「うわ、清水さんが笑ってる!? これが今日一番の衝撃だよ……!」
第五幕:結果発表と、その後のドラマ
シーン:表彰式
全員の接客が終わり、いよいよ結果発表の時。MCがマイクを握って会場を見渡す。
最優秀賞は、知識とトークスキルが光った藤沢さんが獲得! → 会場から拍手喝采。
そして、“特別賞”として呼ばれたのは――三浦さん!
MC「三浦さんは独特のアプローチでお客様の心をつかんだ点が高く評価され、今回“特別賞”という形で表彰します!」
驚く三浦さん、拍手を送る杉山さんたち。会場にも「おめでとう~」という声が響く。すると、最優秀賞の藤沢さんがニヤリと笑って近づいてくる。
藤沢さん「おめでとう。まさかあんな接客方法でここまで評価されるとは思わなかったよ。…でも次は負けないからね。」
杉山さん:「それはこっちのセリフですよ! 次回は私がエントリーしますから!」
バチバチな視線を交わす杉山さんと藤沢さん。しかし、どこか楽しそうでもある。それを横目に、三浦さんは大きなトロフィーを抱えてぽわんと笑っていた。
エピローグ:帰り道のサプライズ
店に戻る道すがら、宮本店長は改めて感想を述べる。
宮本店長「いやあ、三浦さん、初めてのコンテストで見事な健闘だったよ。杉山さんもサポートありがとう。清水さんも貴重な笑顔が見られて、今日はいろいろと衝撃的だったなぁ。」
清水さん:「笑顔なんてそう簡単にはしませんよ。今日は特別です。」
杉山さん:「私は悔しいです! 次回は絶対に優勝を狙いますからね!」
三浦さん:「すみません、みんなに迷惑かけちゃって。でも特別賞、嬉しいです!」
そんなやり取りに、店長は最後にとびきりの笑顔でまとめる。
宮本店長「今日の収穫は、何と言っても“清水さんが笑ったこと”と“エレガンスストアの名をしっかりアピールできたこと”だな。これからも、このチームでがんばろう!」
スタッフ全員「おーっ!」
いつもと変わらない静岡駅前の街並みを、笑いながら歩く四人。その笑顔の先には、まだまだ続く“笑いと挑戦”の物語が広がっている――。
(終)





コメント