『山崎行政書士事務所のリアル奮闘記(コメディ編)10 ~ISO認証と“書類で世界が回る!?”~』
- 山崎行政書士事務所
- 1月19日
- 読了時間: 7分

プロローグ:またまた認証サポートの依頼
静岡市清水区、草薙の坂の下にある山崎行政書士事務所。 これまでISMSやPマークなど、様々な認証サポートを行ってきた所長の山崎哲央(やまざき・てつお)とスタッフたちは、「そろそろ普通の相談がいいな…」と内心願っている。 しかし、また新たな相談が舞い込み、それがISO認証――今度は**「ISO 9001」**(品質マネジメントシステム)取得だという。
- 斎藤夏海(さいとう・なつみ):「ISOと聞くだけで書類地獄を思い出す…」- 森下舞(もりした・まい):「品質マネジメントだから、会社の業務フローを全部見直すんでしたっけ…?」- 丸山修(まるやま・おさむ):「またエクセルとプリンターが火を噴く予感しかしない…」
所長・山崎は「まあまあ、落ち着いて。ISO 9001は品質管理ですから、仕組みを整えるのは大変だけど、慣れればスムーズですよ」と笑顔でみんなを和ませる。
第一章:依頼者・天野製作所の社長、焦って来所
■ 中小の製造業だけど、ISO 9001が欲しい
朝一番、天野製作所の社長・**天野光男(あまの・みつお)**がやってくる。 「うち、部品の製造をやってるんですけど、取引先から“ISO 9001取ってないとダメ”って言われまして…。小さい会社なんで、今までそこまでやってこなかったんですよ。だけど契約を継続するには必要で…」 斎藤は「最近そういう要求多いですね。大手が品質マネジメントを重視して…」と同情。 天野は「社員10人ほどの町工場ですよ。書類なんて苦手だし…なんとか手伝ってほしくて」と嘆く。
■ 山崎のやさしい説明
所長・山崎は「ISO 9001は、品質マネジメントの国際規格。基本はPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回す仕組みを文書化し、運用することが求められます。まずは業務フローを棚卸しして、品質目標を設定しましょう」とアドバイス。 森下はうなずきながら、「生産工程や検査工程をきっちり規定して、不良品の対策なども手順化する必要があります」と補足。 丸山は「また“内部監査”や“マニュアル”づくりが待ってますね…」とため息。
第二章:まずは品質マニュアル作り、社長が唸る
■ 社内ヒアリングでぐちゃぐちゃ発覚
天野製作所に行って、スタッフが製造工程をヒアリングすると、 - 作業手順が口伝え- 部材の検査方法が職人の勘- 記録は社長のノート …など、かなり属人的なやり方で回っていることが判明。 斎藤は「えっと…これを標準化しないと…。作業マニュアルがないんですね」と苦笑。 天野社長は「うん、みんな昔からのノウハウでやってて…。改めて書き出すの大変そう」とため息。
■ 文書化への抵抗
職人さんたちからは「こんなの、俺の経験と勘が頼りだ! 書くなんて無粋」と反発も。 森下は「ああ…こういう職人気質、ISOではよくあるパターンですね。でも規格上は書類化が必要…」と苦笑い。 丸山は(また説得に時間がかかりそう…)と頭を抱えるが、所長・山崎は「そこを上手に翻訳してあげるのが私たちの仕事ですよ」と前向き。
第三章:文書化地獄、品質マニュアル・手順書・記録様式…
■ 1. 品質マニュアルの骨格
まず、品質方針を社長が宣言し、ISO 9001の要求事項に沿って会社の組織体制や責任分担を定義。 - 「社長が品質保証責任者」- 「工場長が内部監査のリーダー」- 「目標:不良率0.5%以下」 斎藤はワードで骨子を作り、社長と職人の意見を反映しつつブラッシュアップ。「ああ、また複雑になってく…」と悲鳴。
■ 2. 作業手順書・検査手順書
続いて、各工程ごとの作業手順書を作る。 - 原材料の受け取り・保管- 加工工程(機械設定・チェック項目)- 検査工程(サンプルサイズ、検査頻度) 森下が「うわ、写真付きで分かりやすくしたいけど、職人さんが“目視検査は経験頼み”とか言うし…。精度や許容範囲はどう定義する?」と苦労。 丸山は「それでもISOには数字や明文化が必要だから、職人さんに丁寧に聞き出そう…」と忍耐モード。
■ 3. 記録様式(チェックシート等)
さらに、作業結果や検査結果を記録するシートが必要。 - 「検査OK/NG、理由、対策」- 「不良が出た場合の処置」 斎藤がエクセルでフォーマットを作るが、「印刷して現場で記入するの? デジタル化するの?」など細かい問題が山積み。 天野社長は「うち、パソコン苦手な人が多いんで…紙でやるしかないかな…」と呟く。 丸山は「その紙をちゃんと保管する場所も要るな…」とメモ。
第四章:内部監査&管理責任者選定のゴタゴタ
■ 内部監査の意義に戸惑う現場
ISO 9001では内部監査が必須。自社の手順が守られているかチェックし、改善点を探すためだ。 森下が「工場長さんが監査リーダーになるんですね。で、監査チームを構成して、各部署を検証…」と説明すると、工場長は「監査? 俺が自分の部下を査察するってこと? やりにくいな…」と困惑。 斎藤は「そうなんです。客観性が大事ですから、自分が担当してる工程を自分で監査しちゃダメなんですよ…」とフォロー。 工場長は「え、じゃあ別の班長にやらせるか…でも手が回るかなあ…」と悩む。
■ コメディポイント:社員の文句
現場の職人から「監査でなんか不具合見つかったら怒られるのか?」とビビる声も。 山崎は「いえいえ、怒るためではなく改善するためなんです。ミスを責めるのではなく、プロセスを見直す機会ですよ」と優しく説得。 丸山は(毎回この説明するの大変…)と心の中で渋い顔。
第五章:申請書類の最終まとめ、またプリンターが火を噴く
■ 登録審査機関に提出する準備
ISO 9001認証を審査する登録審査機関を選定し、申請書や品質マニュアルなどを提出。 - 申請書に基本情報(会社概要、適用範囲、従業員数)- 品質マニュアル、各種規定、内部監査実施記録 など添付 斎藤と森下が「ついに提出ですね。量が半端ないけど…」と大汗。 丸山がプリンターを動かすたびに紙詰まりの音がしそうでヒヤヒヤ。しかし、所長・山崎のアドバイスで“少量ずつ印刷”で乗り切る作戦に。
■ エピソード:書類入れ違い
途中、天野社長が「内部監査報告書を持ってきたよ!」と訪問するが、古いバージョンであったりして、また混乱。「最新のやつ、メールで送ったつもりだけど…」とデータを探す事件も。 森下は「もう、バージョン管理が大事なんですよ…ファイル名に日付入れましょう!」と溜息。 社長は「いやー、ここまで大変だとは…でもやるしかない…」と頭をかく。
第六章:書類審査・現地審査、そして笑顔(?)の合格
■ 外部審査でのドタバタ
審査機関から書類審査OKの連絡が入り、次は現地審査。審査員が天野製作所に来て、マニュアル通りに運用されてるかチェックする。 - 「作業手順書通りに作業してますか?」- 「記録シートに不備はないか?」- 「不具合が出たときの是正処置は?」 職人たちは、いつもは勘でやってた部分を書類記載どおり説明するのに苦労する。 斎藤や森下は横でフォローし、審査員に「この工程は手順書の第3項目に記載あります」と案内。
■ 大きな指摘はなし、ただし改善要望は
最終的に「ちゃんとルール化されている」「内部監査も実施されている」と評価され、認証見込みとなる。 ただし、**“もう少し文書の更新頻度を上げる”**などの改善要望が出る。 天野社長は「よかった…この数週間、眠れないほどつらかった!」と涙目。 丸山は「ホント、僕らも夜遅くまで作業しましたからね…」と共感。
第七章:ISO 9001認証取得! でも運用は続く
■ 認証取得の報せ
後日、登録審査機関から正式にISO 9001の認証が下りたとの通知。天野製作所は堂々とQMSのロゴを使えるようになる。 社長は事務所に来て「皆さんのおかげです! これで取引先との契約も継続できるし、客先に“品質管理してる”って胸を張れます!」と大喜び。 斎藤は「おめでとうございます! でも運用が大変なので、定期審査もしっかり対策してくださいね」と念押し。 森下は「1年後のサーベイランス審査のときも、何かあれば呼んでください」と笑顔。
■ エンディング:社長の感謝と職人のボヤき
工場の職人たちも、「書くことが増えて面倒だけど、最近は不良率が減った気もするよ」と少し認めはじめる。 山崎は「品質向上が目的ですから、いい変化が出てくると嬉しいですね。長く続けてこそISOの価値が出ますよ」とまとめる。 丸山はプリンターを眺め、「この子もよく頑張った…」と謎の感慨にふけり、斎藤と森下は吹き出す。
エピローグ:ISOの道は終わらない、でも笑いは絶えない
こうして山崎行政書士事務所は、また一つISO認証のコメディ劇を無事に終えた。 - 小さな製造業が大企業取引のために苦労してISO 9001を取得- 職人のノウハウを手順書化する地道な作業- プリンターの紙詰まりや社員のSNS誤投稿(いつもの…) それでも最終的には認証を得て、会社は一歩前進。 (ISO 9001コメディここに完。山崎事務所の奮闘と笑いはまだまだ続く…)





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