『法務ロワイヤル外伝10 ~ドラゴンの翼と草薙の坂の下で~』―山崎行政書士事務所、“空を舞う幻獣”の新たなステージ編―
- 山崎行政書士事務所
- 1月19日
- 読了時間: 8分

プロローグ:ドラゴン、ついに飛ぶ…?
静岡市清水区、草薙の坂の下にある山崎行政書士事務所。 ここでは負傷したドラゴンの保護からはじまり、まさかの“ドラゴンの卵”誕生、そして子ドラゴンの孵化という、常識を超えた出来事が立て続けに起こった。 母ドラゴンと赤ちゃんドラゴン――ドラゴンファミリーは、地元の倉庫を一時的に改装したスペースで落ち着いて暮らしている。 とはいえ相変わらず、見学希望者やメディア、研究者が押し寄せ、事務所の電話はひっきりなし。だが、スタッフたちは徐々に慣れてきたようである。
第一章:子ドラゴンの成長、予想外のスピード
■ あっという間に倍のサイズ
保護された当初は、小さな犬くらいの大きさしかなかった子ドラゴンが、わずか数週間で人間の背丈を超えてしまった。「うわあ、また大きくなってる…! 毎日見てても成長が早すぎてビックリしますね」 斎藤夏海は目を丸くしながら、子ドラゴンの頭をそっと撫でようとするが、すでに頭頂部が彼女の胸あたりまで届く。 元銀行員の丸山修はエクセルに成長記録のデータを入力しながら、「いやーこれ、グラフが急上昇しすぎて、もう計測不能レベルですよ…。子供のうちは一気に育つっていうことか…」と半ば呆然。
■ 空にあこがれる“ベビーウィング”
さらに、子ドラゴンの翼も日に日に大きくなり、しきりにパタパタ動かす仕草が目立ってきた。 森下舞は「まさか、もう飛ぼうとしてるんでしょうか…?」と期待と不安が入り混じった目で見つめる。 母ドラゴンも時々翼を広げ、子ドラゴンに“飛び方のレクチャー”をしているようにも見えるが、倉庫の天井が低いためにうまく身動きがとれない。
第二章:飛行の可能性と大混乱の予感
■ 倉庫では狭すぎる!
倉庫を管理する吉本(幽霊物件オーナーでお馴染み)から、深刻そうな連絡が入る。「正直、天井に何度も翼がぶつかって危ないんですよ。母ドラゴンが怒って火を吹いたら大惨事…」 斎藤が苦笑い。「まあ、そりゃそうですよね。もともと飛ぶ生き物を倉庫に閉じ込めるなんて、無理があったのかも…」 丸山も「でも、自由に飛ばせると、周辺住民がパニックになりかねないし…」とため息をつく。
■ “ドラゴン飛行ルート”の法整備?
そこで山崎哲央所長が提案する。「かつて“深海ダイナー”や“妖精”でもルールを作ったように、今回も“飛行区間”を特定し、周囲の安全を確保する仕組みを検討しましょう。もし空を飛ぶなら、空港法や航空法の問題にも触れるかもしれませんね」 森下はびっくり。「ドラゴンに航空法!? まさかそこまで考えるなんて…!」 山崎は苦笑いしながら続ける。「でも実際、空を飛ぶ“乗り物”かどうかは別として、空域の安全管理は不可欠ですよね。万が一、旅客機やドローンと衝突なんて事になったら大変です」
第三章:動き出す“ドラゴン・フライトプラン”構想
■ 地元自治体との協議
自治体の担当・堀江を中心に、“ドラゴンが安全に飛行できるエリア”を設定するための会議が開かれる。 - 周辺山林を指定するか?- 飛行時間帯を限定するか?- 近隣住民の理解をどう得るか? 議題は山積みだが、丸山がエクセルマップを使って地形や人口密集地域を分析し、森下が「ここなら人里離れていて、一定の空域を確保できそう」と提案する。 斎藤は住民への説明会の資料作りを担当し、「ドラゴンと暮らす町づくり」のパンフレット案を練っていく。
■ 飛行訓練…どうやる?
とはいえ、どうやって“ドラゴンの飛行”をコントロールするのかは誰もわからない。 母ドラゴンにしてみれば「勝手に人間のルールを押し付けないで」と怒りそうだし、子ドラゴンは自由に飛び回りたい欲求が高まりつつある。 山崎は「できるだけ自然な形で、ドラゴンがストレスなく飛べる仕組みを作るしかないですね…。いずれは“ドラゴンの意志”を尊重しないと」と、穏やかな口調で話すが、解決策はなかなか見えない。
第四章:トラブル発生! 子ドラゴンが逃げ出した?
■ 倉庫の壁が破壊される
ある朝早く、吉本から緊急連絡が入る。「大変です! 倉庫の壁に大きな穴があいてて、子ドラゴンがいないんです!」 みんなが駆けつけると、見事に壁がぶち破られていて、母ドラゴンが不安げに唸っている。どうやら子ドラゴンが力任せに外へ飛び出したらしい。 斎藤は青ざめた顔で「まずい…空を飛びながらあちこち行ってたら、また火炎放射で山火事なんてことになりかねない…!」 森下も「まだ飛行ルートも決まってないのに!」と慌てる。
■ 目撃情報が相次ぐ
すぐに自治体や警察とも連携し、“子ドラゴン捜索チーム”が編成される。すると、住民から「うちの屋根を飛び越えていった!」「あの方向に大きな影が…」といった通報が次々と寄せられる。 丸山は地図上で目撃地点をマッピングし、「どうやら山間部のほうへ向かったみたい」と推測。「そこには以前、親ドラゴンが隠れていた洞窟やら、崖やらがあるし…。そこを新たな“巣”にしようとしているのかも」と分析する。
第五章:捜索隊、山へ急行
■ 旧洞窟の再来
斎藤・丸山・森下、そして山崎も合流して、かつて親ドラゴンが潜んでいた山林へ向かう。現場には自治体職員やボランティアも多数参加。 「夜になると危ないですから、今日のうちに見つけたいですね…」と森下が言うと、山崎は小さく頷く。「うん。子ドラゴンがまだ慣れない飛行のまま夜間をうろつけば、事故が起こるかもしれない」
■ 子ドラゴンの呼び声
洞窟に到着すると、奥から「キュイ…キュルル…」という甲高い鳴き声が聞こえてくる。斎藤が「この声、子ドラゴン…!」と気づき、懐中電灯を向けると、そこにはしょんぼりとした姿があった。 どうやら壁にぶつかったのか、翼の一部を痛めているようで、小さくうずくまっている。近づくと、警戒しつつもどこか安心したような目でスタッフたちを見つめてくる。 「もしかして、飛んでみたら怖かったのかな…」と森下は胸を締めつけられる思いだ。まだ幼い子ドラゴンには、大空は広すぎたのかもしれない。
第六章:母ドラゴンとの再会、そして新しい拠点
■ “合流作戦”
そこへ母ドラゴンも倉庫から追ってきたのか、洞窟近辺に姿を現す。親子は互いの存在を確認すると、しきりに鳴き交わし、寄り添うように体をすり合わせる。 まるで「ごめんね、心配かけて」「大丈夫、無事でよかった」そんな会話が聞こえてくるかのようだ。 斎藤は「よかった…とりあえず親子が無事に再会できた…」と涙ぐむ。
■ ここを“ドラゴンの住処”に?
倉庫はもう限界だし、子ドラゴンは飛べるようになりたがる。そこで山崎たちは自治体と協議し、この山林(洞窟周辺)を**“ドラゴン保護区”**として正式に指定する案を検討し始める。 - 一定のエリアを立ち入り禁止にして、ドラゴンが自由に飛べる空域を確保する- 火炎などのリスクに備え、消防や地元住民と協力体制を整える- 観光利用は段階的に解禁、ドラゴンにストレスを与えないよう制限を設ける
丸山はこれをマップにまとめ、森下はパンフレットやPR資料の草案を作る。斎藤が地元の会合や商店街に呼ばれて住民説明をする日々が続き、山崎は役所や研究者、メディアを調整する――いつもの“超常的”な行政書士業務が再び始まるのだ。
第七章:クライマックス―新たな飛翔
■ 子ドラゴンの初フライト、そして未来
数週間後、保護区の準備が整い、子ドラゴンの翼も回復した。そっと洞窟を出た親子は、大空に向かって翼を大きく広げる。 町の人々も遠巻きに見守るなか、まず母ドラゴンがゆっくりと羽ばたき、続いて子ドラゴンが恐る恐る飛び立つ。 「わあ、飛んだ!」 森下や斎藤が歓声を上げ、丸山はカメラを落としそうになりながら「す、すごい…」と感嘆する。 大空に舞い上がった二匹のドラゴンは、草薙の町を見下ろしながら、まるで「ありがとう。これからもよろしく」とでも言うように、ひときわ大きく翼を広げるのだった。
■ 法務は続く
こうして、ドラゴンの翼が草薙の空を彩る新たな日々が始まった。もちろん、安全対策や法務面の課題は山積みだ。 でも、山崎行政書士事務所には、どんな不思議な依頼でも地道に法と人情で支えてきた実績がある。深海も宇宙も、江戸時代も妖精も、パラレルワールドも乗り越えてきたのだ。 ドラゴン親子が自由に飛べる“共存の仕組み”は、まだ道半ば。だが、きっと彼らならうまくやってくれるだろう――そう信じながら、町の人々は空に舞うドラゴンの姿を見上げ、穏やかな笑みを浮かべる。
エピローグ:今日も坂の下で、次の物語が動き出す
事務所に戻った斎藤は、ふと窓の外の空を見上げる。「…あ、あんなところを飛んでる。親子で気持ちよさそう…」 丸山も「ドッキリ番組じゃないって分かってるのに、まだ信じられない気分だよ。行政書士でこんな体験する日が来るなんて…」と苦笑い。 森下はパソコン画面を覗きながら、「でも、嬉しいですよね。あの子が元気に飛ぶ姿を見ると、まるで自分も羽ばたいてる気分!」と笑顔を見せる。 最後に山崎が皆に声をかける。「さあ、今日も新しい相談が来ているよ。次は…え、また“古代王国の姫が現れた”って? 本当に休む暇もないなあ…」
草薙の坂の下。ここは今日も、不思議な存在と人間の世界をつなぐハブのような場所。どんな依頼が来ても、笑いと法務と優しさで受け止める――山崎行政書士事務所の冒険は、まだまだ続くのだ。
(さらなる物語へ…かもしれない)





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