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『法務ロワイヤル外伝11 ~古代王国の姫と草薙の坂の下で~』―山崎行政書士事務所、“悠久の封印”を解く!? 新たなる伝説編―

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月19日
  • 読了時間: 9分



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プロローグ:また新たな扉が開く予感

 静岡市清水区・草薙の坂の下にある山崎行政書士事務所。 負傷したドラゴンの保護から始まり、卵の孵化、子ドラゴンの飛行まで――ファンタジーの連続にすっかり慣れつつあるスタッフたち。 今日も所長の山崎哲央は穏やかな微笑みを浮かべながら、電話応対に追われる斎藤夏海と書類整理に奮闘する森下舞、エクセル集計に頭を抱える丸山修を見守っていた。 しかし、彼らがようやく一息つこうとした時、またしても衝撃的な相談が舞い込む。それは「古代王国の姫が現れた」という、まるで歴史ロマンを地でいくような話だった。

第一章:神秘の姫、事務所に来たる

■ 突然の来訪者

 夕方、事務所のドアが静かに開き、入ってきたのは和洋折衷(わようせっちゅう)とも言えない妙な衣装を身にまとった少女だった。 金色の装飾が施された頭飾りと、古代文字らしき模様の入った布――まるで映画の世界から抜け出してきたかのような出で立ちである。 斎藤が「い、いらっしゃいませ……?」と戸惑うと、少女は深々と頭を下げて言う。「わたくし、イシュタリア王国の姫・セリーヌと申します。ある封印を解く方法を探して、この時代にたどり着きました…」

■ 古代王国の姫、その正体は?

 「イシュタリア王国」。聞いたことのない国名にスタッフたちは首をかしげるが、どうやら彼女の言う“王国”は何千年も前に滅びたとされる伝説上の国らしい。 森下が資料を少し調べてみると、「駿河地方に昔から伝わる古い伝説の一つに、イシュタリアなる王国があった…」という記録が微かに残っているという。 斎藤は「もしかして江戸時代から来たお滝さんみたいに、時空を越えてしまったのかも…?」とささやく。 丸山は苦笑しながら「うちの事務所、タイムトラベルとか異世界移動の常連になってきましたね…。もう驚かない自分が怖い…」とぼやく。

第二章:セリーヌ姫の依頼内容

■ “封印の鍵”を探してほしい

 姫が持ち込んだのは、古代文字が刻まれた石板とぼろぼろの羊皮紙。それにはこんな文言が記されているらしい。

「悠久の封印を解くには、現代の法の力を借りよ」 さらに、指し示す地図らしきものには、草薙付近の山や川を思わせる輪郭が描かれている。 セリーヌは切実な表情で言う。「わたくしの祖国イシュタリアには、神々が残した“宝”が封印されております。国を再興するためには、その封印を解き、新たなる力を得ねばならないのです…」

■ 法の力? 行政書士が鍵になる?

 「現代の法の力を借りよ」という一文を見て、山崎はうっすら微笑みを浮かべる。「なるほど、僕たちにとっては“書類を作る”ことが法の力の最たるものですが…。まさか古代の封印に関係するとは思いませんでしたね」 斎藤は「うーん、幽霊やドラゴンとはまた違うベクトルのファンタジーが来ましたね」と困惑。 丸山は石板をのぞきこみながら、「この文字、解読できる専門家を探さないと…。行政書士の仕事を通り越して、考古学とかそっちの分野じゃないですか?」と言いつつも、なぜかワクワクしている様子だ。

第三章:覚醒の神殿? そして地元神社の秘密

■ 神社の宮司が口にした“伝説”

 さっそく一行は、地域の神社を訪れる。何か手がかりがあるかもしれない、と考えたからだ。 宮司の孫・藤村歩(以前“妖精事件”で協力した人物)が応対し、セリーヌの石板を見て驚く。「これ、ウチに伝わる古文書と同じ紋章が刻まれています。昔、このあたりには“神殿”があったとされていて…」 藤村が奥から取り出した古い記録には、「地底に眠る神殿にて、聖なる姫が封印を解く」という記述が。どうやらセリーヌの主張とピッタリ符合するらしい。

■ しかし、位置が不明

 問題はその神殿の正確な場所だ。山崎が地図を比較するも、古代の地形と現代の地形が微妙にズレていて、一筋縄ではいかない。 森下は「また山の中に洞窟があるパターンかもしれませんね。ドラゴンの時もそうでしたし…」とため息交じり。 斎藤は「時空を越えたり、パラレルワールドがあったり…もう何でもありですね、この土地」と苦笑する。

第四章:謎の組織も動き出す?

■ 石板を狙う怪しい男たち

 事務所に戻った姫たちを待ち受けていたのは、謎の男たちの襲撃だった。彼らは黒ずくめの服装で、セリーヌの石板を奪おうと試みる。 斎藤と森下が「な、何なのあんたたち!」と制止するが、男たちは言葉少なに石板を強奪しようとする。 そこへ丸山が必殺(?)のエクセルファイルをぶん投げ……はしないが、威嚇(?)と叫び声で混乱を誘い、ぎりぎりのところで石板の流出を阻止。 山崎が通報して警察が駆けつけ、男たちは辛うじて逃亡。どうやら“姫の封印”に興味を持つ勢力がいるらしい。

■ 彼らの目的は?

 斎藤は「きっと封印を解いて“宝”を独占しようとしてるんでしょうね…。なんてドラマチック!」と言うと、森下は「ただ、現代の世界で古代の宝を手にして何をするつもりなんだか…」と首をひねる。 セリーヌ姫は沈痛な面持ちで、「もし“封印”を歪んだ欲望で解かれてしまえば、この地に禍いが及ぶかもしれません…」と警戒を強める。

第五章:封印の場所を探し出せ!

■ 地元有志の力を借りて調査開始

 ここでお馴染みの吉本(幽霊物件オーナー)や網代功(深海ダイナーの漁師)、そしてNPO代表の遠藤柚香ら、いつもの“仲間たち”が合流。 「神殿の所在を探すなら、古地図や地層の調査が必要じゃねえか? 俺たちも手伝うぜ」 「これはもう、地域総出の大捜査ですよ!」 斎藤は苦笑しながら「なんだか“ドラゴン捜索”や“妖精捜し”のときと同じ流れですね…」と呟くが、皆が協力し合う姿は頼もしい。

■ ドラゴン親子も一役買う?

 そうこうしているうちに、「あのドラゴン親子なら空から地形を探れないだろうか…?」という案が持ち上がる。 母ドラゴンと子ドラゴンの保護区はすっかり安定しているが、もし協力してくれるなら上空からの調査が可能かもしれない。 山崎は「彼らが嫌がらなければ、上空からの偵察というのも有効ですね。ドラゴンが嫌がることはしない主義ですが…」とあくまでドラゴンの意志を尊重する立場を貫く。

第六章:神殿発見、そして試練

■ ついに入り口を見つける

 幾日にもわたる捜索の末、山岳部の崖下に“古代の門”らしき岩窟を発見。ドラゴンが上空から見ても、そこだけ地形が不自然なようだ。 セリーヌ姫が石板をかざすと、突如として岩に古代文字が浮かび上がり、重々しい音を立てて門が開く。 斎藤や森下は「うわあ、ガチのファンタジーだ…!」と目を丸くし、丸山は怯えながらも動画を撮りつつ「すごいぞ、バズりそう!」と興奮する。

■ 謎の守護像と仕掛け

 神殿の中は薄暗く、無数の彫刻と壁画があふれている。まるでトラップだらけの冒険映画さながら。 セリーヌ姫は羊皮紙を見ながら「ここに“封印石”があるはず…」と呟く。 しかし、巨大な守護像が道を塞ぎ、「侵入者を排除する」かのごとく石の腕を動かし始めた。 森下が「何これ! 動く彫像なんて聞いてないですよ!」と悲鳴を上げ、丸山は「やばいやばい、戻る!? いやでも、姫の目的が…!」と右往左往。

第七章:封印解除と“現代の法”の奇跡

■ 法務ロワイヤル、ここに炸裂

 迫りくる石像に危機一髪というところで、山崎は落ち着き払って石板に記された古代文字を読み解く。そこにあるのは契約書のような誓約の文言――

「汝、正しき手続きをもってここに入る者なれば、道は開かれん」 ――いわば“古代の入場許可契約”らしい。 姫と山崎が羊皮紙を照らし合わせ、現代の行政書士として“誓約書”を書き起こす。古代文字風の文書フォーマットを作り、姫がそれにサインを入れると、石像はピタリと動きを止める。 斎藤は汗だくで「まさか、本当に書類でトラップ解除とは…!!」と驚愕。 丸山は「うちの事務所、ついに古代遺跡の仕掛けも“書類手続き”でクリアするようになったか…」と呆れつつも感動している。

■ 宝の封印、解かれる

 さらに奥へ進むと、そこには巨大な石棺のようなものが鎮座し、封印石で覆われている。セリーヌ姫が石板を据え付け、静かに祈りの言葉を捧げると――封印石が光を放ちながら音もなく砕け散る。 中から現れたのは、黄金の杯や宝石…ではなく、王家の紋章が刻まれた剣と冠。そしていかにも神秘的なエネルギーが渦巻いている。 「これがイシュタリア王家の証…。これで国を再興できる…はず」と姫は涙を流す。

第八章:エピローグ ― 新時代への道しるべ

■ 姫の決断

 宝を得た姫は、やがて現代の世界を去ってしまうのかと思いきや、どうやらこの時代にもう少し留まるつもりらしい。 「国を再興すると言っても、わたくし一人では何もできません。まずは現代の教えを学び、イシュタリアの未来に活かしたいのです」 山崎は微笑み、「もちろん、お力になりますよ。ビザや在留資格はどうしましょう? 古代王国の姫様用の申請って、さすがに前例はありませんが…」と冗談めかす。 斎藤たちは「また、新たな前例を作るんですね」と苦笑するが、姫が微笑み返す姿は希望に満ちている。

■ 封印の力と町の平和

 イシュタリア王家の宝が封じ込めていた“禍い”も完全に浄化されたようで、神殿から怪現象が起こる気配はない。 ドラゴン親子のいる空も、妖精のいなくなった神社も、今は静かで穏やか――しかし、この町にはまだまだ未知の世界が眠っているのだろう。

その後:山崎行政書士事務所の新日常

 数日後。事務所には、**「古代王国の姫が在留資格認定を希望」**という前代未聞の案件が正式に持ち込まれていた。 丸山がパソコンを操作しながら、「これ、どう入力すればいいんでしょうね。“国籍:イシュタリア王国(古代)”…?」と真面目に悩む。 森下は隣で参考書をめくりながら、「でも、書類は整えなきゃ。姫様が“イシュタリア大使館”を作りたいとか言い出したら、それも手続き必要ですよね…」と冷や汗混じり。 斎藤は電話対応で、「はい、えーと、イシュタリア王国についてはまだ法務局に確認が必要で…あ、わかります、こちらも初めてなので…」と必死に説明している。 山崎はそんなドタバタを微笑ましく見やりながら、「さあ、みんな落ち着いて。ここからが本番だよ。我々がサポートすれば、古代王国と現代がきっと上手く共存できるはずだ」と柔らかな声で背中を押すのだった。

終わらない物語、そして次の扉

 山崎行政書士事務所は、幽霊、宇宙人、深海人、江戸時代の来訪者、妖精、ドラゴン…そして今度は古代王国の姫まで受け入れ、今日も法の力で人々を助け続ける。 果たしてイシュタリア王国は蘇るのか? そして姫の運命は? この町には、まだ見ぬ不思議がいくらでも眠っている。だが、どんな謎も笑いと優しさ、そして“行政書士”が持つ実直な書類作成の力で乗り越えられると、彼らは信じているのだ。

(さらに続く…かもしれない)

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