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『法務ロワイヤル外伝13 ~宇宙ビームと草薙の坂の下で~』―山崎行政書士事務所、“銀河級”の新トラブル編―

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月19日
  • 読了時間: 7分

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プロローグ:安息は束の間…再び、衝撃の電話

 静岡市清水区・草薙の坂の下。 山崎行政書士事務所では、「イシュタリア文化交流センター」のオープンにより、古代王国の姫セリーヌの在留資格問題がひと段落したばかり。スタッフたちはようやく一息ついていた。 斎藤夏海は「幽霊、宇宙人、深海人、江戸、妖精、ドラゴン、古代王国…もうさすがにネタ切れでしょ」と冗談交じりにつぶやき、丸山修は「まったく…普通の相続や遺言の案件こそ取りたいよ…」と嘆きながらプリンターをチェック。 森下舞は「姫様のリクエストでイシュタリア風ポスター作りが忙しかったけど、これで落ち着きますかね…」と肩を回す。 ところが、その直後、電話が鳴り響く。受話器を取った森下がいきなり青ざめ、「え、宇宙からのビームが? …はい…はい!? レーザーみたいなものが空から…?」と狼狽する声を上げた。

第一章:謎の“宇宙ビーム”と緊急相談

■ 相談者の正体

 電話の主は、地元でプラネタリウムを運営する星野浩二という男性。彼によれば、「深夜、山の方で突然空が光り、地面が焼け焦げた跡がある。まるで宇宙からビームが降ってきたようだ…」と。 「はあ…宇宙からビーム…」と困惑する斎藤に、星野は必死で訴える。 > 「実はプラネタリウムのお客さんからも“空に謎の閃光を見た”という報告が相次いでて…。地元警察は相手にしてくれないし、行政書士の皆さんなら何とかしてくれるかもと思って…!」

■ 行政書士へ相談する理由

 普通ならUFO騒動は科学者や自治体の担当部署か、警察に回されそうなものだが、「山崎事務所は宇宙人にも対応できる」という噂が広まっているのだ(かつて宇宙人騒動を処理した前例があるため)。 丸山は電話のやり取りを聞きながら、「ああ…そういえば昔、宇宙人が物置に住み着いたとかいう相談があったっけ」と懐かしく思い出す。 山崎哲央所長は「まあ、とにかく現地を見てみましょう。ビーム痕って何のことやら気になりますね」と淡々と準備を始めるのだった。

第二章:焦げ跡と不可解な機械

■ 現地調査へ

 翌日、斎藤・丸山・森下、そして山崎らは星野の案内で山奥へ向かう。草薙の町から少し離れた林道に入ると、ぽっかりと木が倒れ、地面が焦げている地点を発見。見るからにただの山火事という感じでもなく、何かが“一直線に”焼いたような跡だ。 森下が「うわ…まるでレーザーか何かが通ったみたいですね」と息を呑む。丸山も「ただの落雷にしては痕の形が妙だし…。ほんとにビーム…?」と首をかしげる。

■ 謎の部品が散乱

 さらに、付近には金属片や怪しげな回路の破片が散らばっている。斎藤が一つを手にとって「これ…何かの機械部品ですよね? 現代の技術じゃ見ない形…」と戸惑う。 星野も頭を抱える。「まさか宇宙船が落ちたとか…? いや、UFO説は好きだけど、こんなにリアルなのは…」 山崎は落ち着いた声で言う。「まずはこれを回収して、どんなものか専門家に見てもらいましょう。あくまで可能性ですが、**“宇宙から来た機器”**の可能性も否定できませんね…」

第三章:騒動拡大、町を揺るがす“宇宙ビーム”報道

■ メディアが嗅ぎつける

 焦げ跡や不可解な金属片の写真がSNSに拡散され、「宇宙ビーム襲来!?」「UFO墜落か?」などと一気に話題沸騰。 テレビ局や週刊誌の記者が草薙の坂を訪ねてきて、「山崎事務所は知っているのでは?」とマイクを突きつける。 斎藤は慌てて「いえ、まだ何もわかりません…」と答えるが、記者たちは面白おかしく煽り立てる。「宇宙人とコンタクトしたって本当ですか?」「ドラゴンの次はエイリアンですか?」

■ 住民の不安と行政書士の立ち位置

 住民たちは「またか…」という呆れと不安が入り混じり、役場の窓口も対応に追われているらしい。 丸山は「うち、ほんとに何でも屋だな…」と苦笑い。森下は「法務と宇宙…これまたどう絡めばいいんでしょう?」とため息。 しかし山崎は前向きだ。「今は正体不明でも、何らかの“相談”があるなら、力になりましょう。宇宙といえど、人々の不安を取り除くのが大事ですからね」

第四章:謎のエンジニア集団と“光の発生装置”

■ 奇妙な集団が接触

 そんなさなか、事務所に訪ねてきたのが**“テンシューエンジニアリング”**と名乗る私設研究所のメンバーたち。 「実は、我々が極秘で“高エネルギーレーザー実験”を行っていたんです。それが事故で暴走し、山に照射されてしまった可能性が…」 斎藤は目を丸くする。「え、それって“宇宙から”じゃなくて、地上から出たビームだったんですか?」 研究員の一人は気まずそうに言う。「はい、本当に申し訳ありません。ただ、開発中の装置に“宇宙技術”のパーツを流用していまして…それが飛び散ったかもしれません」

■ 違法な実験だった?

 丸山が書類を調べると、どうやらこの研究所は正式な許認可を得ずに高出力レーザーの実験を進めていたらしい。 「そりゃ問題です! 法律的にアウトですよ。安全対策もせずにこんな大出力レーザー撃ったら…」 森下もあきれ顔。「地元への事前説明もなかったでしょうし。まるで核実験みたいなものじゃないですか…」 山崎は困惑しながらも「なるほど、これがビームの正体なら、住民や地元自治体との調整が必要ですね。まずは事故報告を出さないと」と提案する。

第五章:研究所VS星野、そして住民の対立

■ UFO説 vs 人災説

 研究所側はあくまで「実験の誤爆」と説明して謝罪したい意向だが、星野をはじめとするUFO派や地域観光で盛り上げようとする人々は「待て待て、宇宙起源の可能性もまだある!」と主張する。 「マジで宇宙船が墜落した残骸じゃないのか!? 研究所が嘘をついているんだ!」 メディアも両説を煽り、「本当に地球外文明が関与しているのか? それとも研究所の違法行為か?」と報道合戦に。状況はカオスだ。

■ 行政書士の調停?

 斎藤は頭を抱える。「もう一介の行政書士が扱うスケールじゃないですよね…」 しかし山崎は微笑みつつ、「いや、住民と研究所のあいだに入って、事実関係を整理し、謝罪や補償についてまとめるのは、法務的に大事な役目です。私たちにできることがあるはずです」と語る。

第六章:研究所の“真実”と宇宙の謎

■ 部品の正体

 研究所の代表が持参した資料を検証すると、確かに海外企業から“宇宙開発用の先端パーツ”を違法に入手していたことが発覚。輸入手続きも怪しい。 丸山がため息をつく。「また無許可輸入…これは関税法や輸出入関連法規の問題になりますよ…」 森下も「そうか、部品自体は宇宙開発用だから“宇宙起源”と言えなくもない。だから“宇宙のビーム”と誤解されたんですね…」と納得。 星野はがっかりしたようで、「じゃあUFOでもなんでもない…? いや、まだ残骸が異星人由来じゃない保証はない!」と最後まで諦めない。

■ さらに謎の痕跡?

 一方、研究所の装置だけでは説明できない“成分”が山で検出される。かなり微量だが、地球上に存在しない金属同位体らしい。 「これってやっぱり宇宙から何か落ちてきた可能性もゼロじゃないんですね…」と斎藤。 山崎は複雑な表情でうなずく。「研究所のビーム事故がメインの原因としても、同時に本当に小型の隕石や宇宙デブリが落ちた線も否定できませんね…」

第七章:調停の決着、そして可能性を残すエンド

■ 研究所側の謝罪と補償

 山崎事務所の調整により、研究所は住民への謝罪と焦げ跡の復旧費などを負担することに合意。自治体に対しても違法実験を行った責任を認め、改善計画を提出することで収束を図る。 星野は不満げに「うーん…まあ、普通に人災だったってオチか…」と肩を落とすが、山崎は「災害自体は人為的なものが大きいでしょう。ただ、あの金属同位体の存在は事実ですから、もしかしたら宇宙的な要因もゼロではない、という結論ですね」と微笑む。

■ “宇宙ビーム伝説”が町おこしに

 結果的に「研究所の誤爆だった」と発表されるが、同時に「地球外の隕石が落ちたかもしれない…?」というロマンを残す形に。 自治体は「草薙“宇宙ビーム”伝説」として観光資源にしようと企画を立ち上げ、プラネタリウムの星野も「これはこれで面白いかも。UFOハンター体験ツアーやろうかな!」と意欲を見せる。

第八章:エピローグ ― 宇宙は広く、法務の可能性も無限

■ “宇宙ビーム”後の山崎事務所

 騒動から数日。事務所で斎藤が書類をまとめていると、丸山が「結局、宇宙人は現れなかったね。ちょっと残念…」と笑う。 森下は「でも、本当に隕石のかけらが混ざってたみたいだし…いつかまた“本物の宇宙人”が来るかもしれませんよ」とウキウキ。 山崎はいつものやわらかな表情で、「どちらにせよ、人々の不安を解消できてよかった。これも“法務の力”のおかげだね」とまとめる。

■ また新たな“変”な相談が…?

 安堵したのも束の間、事務所の電話が再び鳴り響く。 「すみません、ドラゴン親子がまた山の上で大暴れしてるっていう噂が…!」 斎藤と森下は顔を見合わせ、同時に「嘘でしょ…」とため息。しかし、どうせ行くしかないのが日常だ。 山崎は苦笑しながら「さあ、行こうか。宇宙でも深海でもドラゴンでも、僕たちができることは変わらない。法と人情で少しでも役に立てるならね」と鞄を手に取る。

 山崎行政書士事務所の冒険は続く。今度は宇宙からビーム、次はドラゴン再び、さらには古代王国…混沌とした世界を、彼らは今日も“法務ロワイヤル”で乗り切っていくのだ。

(さらに続く…かもしれない)

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