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『法務ロワイヤル外伝14 ~ドラゴン再来と草薙の坂の下で~』―山崎行政書士事務所、再び“空飛ぶ幻獣”と対峙する!? 新たな困難編―

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月19日
  • 読了時間: 7分

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プロローグ:宇宙ビームの次は再びドラゴン…?

 静岡市清水区・草薙の坂の下。 山崎行政書士事務所はつい先日、「宇宙ビーム」騒動による住民不安の解消や研究所との調停をまとめ上げ、ほっとひと息ついたばかりだ。 しかし、今度は**「ドラゴン親子が山の上で大暴れしている」**という、まさかの連絡が飛び込んできた。

 スタッフたちは顔を見合わせ、またか…と苦笑い。 - 斎藤夏海:「ドラゴンは以前、保護区を設定して落ち着いてたはずじゃ…?」- 丸山修:「まさか新たなトラブル? 空を飛ぶルールは作ったはずなのに…」- 森下舞:「うーん、ひょっとしてまた育ち盛りの子ドラゴンが…?」

 所長の山崎哲央は穏やかに微笑む。「また現地を見てみないと分かりませんね。ひとまず、ドラゴン親子の所へ行って状況を確かめましょうか」

第一章:保護区での異変

■ 荒れた森と鳴き声

 行政書士事務所のメンバーは慌ただしく山林の“ドラゴン保護区”へ向かう。 かつて負傷したドラゴン親子を落ち着かせるため、山林奥を立ち入り制限エリアに指定し、消防や自治体と協力して管理を進めてきた場所だ。 ところが、現地に到着すると、あちこちの木々がへし折られ、地面が抉れた跡が残っている。まるで巨大な尾で叩きつけたような…。 森下が呟く。「すごい荒れ方…。ドラゴン親子が暴れたんでしょうか?」

■ ドラゴンの叫び

 遠くから聞こえる低く唸るような声。**“ゴゥ…グルル…”**という鳴き声は、どうやら子ドラゴンのものらしい。 斎藤は不安そうに眉を寄せる。「前に見たときは、ずいぶん人懐っこい感じでしたよね。大人しく保護区で暮らしてたはずなのに…。何があったんだろう…?」 丸山は念のためカメラを構えつつ、「母ドラゴンも近くにいるのかな。火を吹かれたら厄介だ…」と辺りを見渡す。

第二章:異変の理由―“群れ”の可能性?

■ ひとりぼっちの子ドラゴン

 木々の奥を探すと、意外にも母ドラゴンの姿が見当たらず、子ドラゴンだけが苛立った様子で鳴いていた。 母の姿を探しているのか、しきりに森をうろつき回り、尾で木を叩きつけたり、大きく翼を広げて火を吐きそうになったり。どう見ても落ち着きがない。 斎藤が胸を痛めるように言う。「子ドラゴン、不安なんでしょうね…。お母さんどこ行っちゃったんだろう…?」

■ 保護区管理スタッフの情報

 そこへ合流した地元ボランティアの吉本(幽霊物件オーナーで何かと顔が広い)が駆け寄ってくる。 「最近、保護区の監視カメラに母ドラゴンが姿を見せていないんだ。もしかしたら、別のドラゴンが近くの山に現れて、そっちを追いかけて行ったという話もある…」 森下が目を丸くする。「別のドラゴン…!? じゃあ新たな“群れ”が出来てるとか?」 吉本は真剣な表情でうなずく。「そういう可能性もある。とにかく子ドラゴンは母を求めてるのか、荒れてるみたいなんだよ」

第三章:捜索隊と“新ドラゴン”の痕跡

■ 拡がる巣穴

 スタッフたちは行政や地元の協力を得て、母ドラゴンの行方を捜す。すると、保護区の外れに新たな“巣穴”らしき痕跡を発見。 焦げた地面や深い引っかき傷から見て、大型のドラゴンが活動している気配がある。 丸山は息を呑む。「親ドラゴン以上のサイズかもしれない…。これ、本当に“群れ”化する前に対策しないと大変なことになるかも」

■ 地域住民の不安

 噂は瞬く間に広まり、「ドラゴンが増えたらどうなるの?」「安全対策は?」と住民の不安が高まる。 斎藤は見回りに協力しながら、「前回はルール作りで何とか共存できたけど、複数匹になると話が変わりますね」と頭を抱える。 山崎はいつもの落ち着いた表情で、「まずは事実確認です。ドラゴン同士が接触してどういう状態になっているか…。火炎放射の危険が増すなら、エリアを拡張するなど対応策を考えましょう」とメモを取る。

第四章:子ドラゴンの暴走と、母の帰還

■ 保護区の境界を突破

 ある夜、子ドラゴンがついに保護区のフェンスを突き破り、市街地に近い方へ飛び出してしまう。 目撃情報が相次ぎ、緊急出動した消防団が火災に備えるが、子ドラゴンはただ母を探しているのか、空をさまよっているだけのようだ。 森下は「このままじゃ交通事故や火事になりかねない…」と焦り、斎藤も「早く落ち着かせないと!」と広報車で呼びかけるが、効果は薄い。

■ 母ドラゴンの咆哮

 そこに、どこからか巨大な咆哮がこだまする。母ドラゴンだ。さらに別の龍影も微かに見える。 母ドラゴンが羽ばたき、子ドラゴンの前へ舞い降りると、子は一瞬戸惑ったように見えたが、すぐに甘えるような仕草を見せる。 斎藤は安堵の声を漏らす。「ああ、再会できた…!」

■ もう一頭の姿

 母ドラゴンの後方を飛ぶのは、体格が少し違う別のドラゴン。“仲間”なのか“オス”なのか…。 山崎が穏やかに言う。「どうやら新たなパートナーを見つけたのかもしれませんね。生物として自然な行動なのでしょう。問題は、子ドラゴンとの合流でどう動くか…」

第五章:再び行政書士の出番―複数ドラゴンとの共存ルール

■ 保護区拡張と安全管理

 複数のドラゴンが同時に山岳地帯を利用するなら、保護区の範囲や飛行ルートの設定を見直さなければならない。 丸山は地図を広げ、「これまでの空域と火炎防止エリアを大きく拡張しないとダメですね…。費用もかかりますが…」と苦い顔。 森下は「クラウドファンディングも第2弾をやるしかないですね。住民理解を得るための説明資料も急いで作りましょう」と意気込む。

■ “ドラゴン繁殖”の可能性

 斎藤が呟く。「母ドラゴンと新たな相手が一緒にいるなら、また卵が産まれるかもしれませんよね…? となると、数がどんどん増える可能性も…」 山崎はうなずく。「動物が増えるのは自然の摂理。だけど、地域に甚大な影響が出るなら、早めに『ドラゴン増加シミュレーション』をして、共存体制を整える必要がありますね」 こうして、法律家としての観点から「複数ドラゴン飼育管理計画」の策定が始まる。住民説明会、保護予算の確保、万が一暴れたときの避難経路…検討すべき課題は山ほどある。

第六章:ドタバタの先にある“新しい当たり前”

■ 住民説明会、賛否渦巻く

 役所の会議室で行われた住民説明会には、大勢の町民が詰めかける。 - 「ドラゴンがさらに増えるなんて危険すぎる!」- 「観光資源として魅力じゃないか!」- 「家畜や農作物は大丈夫?」 意見は真っ二つ。騒然とする会場を、山崎が冷静にまとめていく。 「私たちは、あくまでドラゴンと人間が安全に共存できる仕組みを作りたい。そのためには皆さんの理解と協力が不可欠です」と穏やかに説得する。

■ 子ドラゴンの微笑ましい仕草

 一方、母ドラゴンと合流した子ドラゴンは、少し落ち着きを取り戻しているようで、保護区に戻っては威嚇することなく穏やかに過ごしているという。 森下は巡回の際、子ドラゴンが母にじゃれついている姿を見て、「やっぱり可愛いですね…でも、体長はもうトラック並みか…」と苦笑する。 斎藤も「動物園じゃないけど、こんな光景が日常になるって不思議」と感慨深い。

第七章:未来への展望―ドラゴンコミュニティ?

■ 自治体が作る“ドラゴン共生条例”

 いよいよ自治体は本腰を入れ、**“ドラゴン共生条例”**の改正案を立ち上げる。 - 複数ドラゴンの飼育・繁殖に関する報告義務- 山林の立ち入り制限エリアの拡大- 事故や火災が起こった際の賠償制度(クラウドファンディング+公的資金) 丸山は条例文をチェックしながら、「…これ、まるで“ペット条例”と“大型危険動物条例”と“空域規制”が合体したような内容だな」と驚く。 山崎は微笑みつつ「でも“前例のない”ことをきちんと制度化するのが、私たちの役目ですからね」とまとめる。

■ 龍影が遠く空を舞う

 保護区付近では、母ドラゴンと新たな仲間らしき影が山間を飛び、時には子ドラゴンを連れて優雅に空を旋回する姿がしばしば見られるようになる。 地元住民は最初こそぎょっとするが、次第に「今日は3匹見た」「あの子ドラゴン、また大きくなったんじゃ?」と噂し合い、恐怖よりも“日常の風景”へ変わっていく。

エピローグ:草薙の坂の下で、次なる一歩

 こうして、山崎行政書士事務所は再度“ドラゴン共存”の難題に取り組むこととなった。 - 子ドラゴンが巣立ち、数が増えればその分リスクも膨らむ。- しかし、同時に観光客や研究者を呼び込み、町を活性化させる大きなチャンスでもある。

 斎藤は事務所の窓を見上げながら、「いつの間にかドラゴンが飛ぶのが当たり前の町になってきましたね…」としみじみ。 森下は「ええ。最初は“火を吹く巨大生物”なんて信じられなかったのに」と微笑み返す。 丸山は書類の山を前に「でも、さらに増えたらまた“ドラゴン多頭飼い”の手続きで徹夜だなあ…」と肩をすくめるが、どこか誇らしげでもある。 山崎は静かに言う。「どんなに非常識な依頼でも、私たちが少しでも人とドラゴンの架け橋になれれば嬉しい。さあ、今日も頑張りましょう!」

 ドラゴンの翼が青空を横切る町、草薙。そこで繰り広げられる“法務ロワイヤル”は、まだまだ終わらない。次はどんな“超常”が舞い込んでも、山崎事務所ならきっと笑顔で迎えることだろう――。

(さらに続く…かもしれない)

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