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『法務ロワイヤル外伝16 ~ドラゴンの夕焼けと草薙の坂の下で~』―山崎行政書士事務所、新たなる“共生の形”を模索する最終章(?)編―

  • 山崎行政書士事務所
  • 1月19日
  • 読了時間: 7分



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プロローグ:落ち着いた日常、しかし…

 静岡市清水区、草薙の坂の下。 山崎行政書士事務所では先日、「ドラゴンフェス」が無事に成功を収め、町は一躍“ドラゴンの里”として注目を集めた。 フェスによる観光客の波も、一段落した今――ようやく一息つけるかと思いきや、まだまだ解決しなければならない問題は残っている。

 斎藤夏海はため息をつきながら、モニターに映し出された保護区の監視カメラ映像を確認し、 > 「ドラゴンたち、今日は穏やかに飛んでるみたいですね。あっ…子ドラゴンが山肌に火を吹いてる? 植生への影響が心配…」

 丸山修は膨大な経費・会計データをまとめながら、 > 「フェスの収益は悪くない。でも維持費もかさむから、また町議会で予算折衝しないといけないな…」

 森下舞は住民説明会の資料を広げて、 > 「またドラゴンが増えてきたら、保護区をさらに拡大する案を出すしか…。まだまだ先は長いですね…」

 所長の山崎哲央は微笑をたたえつつ、「まあ、ひとつずつ前進していきましょう。今回のフェスで、町全体がドラゴンと共に歩む覚悟を固めたんですから」と、穏やかに声をかける。

第一章:新たな来訪者と“ドラゴンの学校”計画?

■ 教育関係者が動き出す

 そんな折、静岡県内の教育委員会を名乗る一団が事務所を訪ねてきた。 > 「子どもたちに“本物のドラゴン”を見せて、夢を与えたいんです! ドラゴンをテーマにした学習プログラムをやりたいと思いまして…」

 斎藤は驚いて聞き返す。「えっ、子どもたちを保護区に連れて行くんですか?」 相手は慌てながら、「もちろん安全管理が大前提です。行政書士の皆さんに許認可や条例の調整をお願いできれば…」と頭を下げる。 丸山は「子どもが万が一危険にさらされたら大問題ですけど、実現すれば教育的にもインパクトは大きいでしょうね…」と唸る。

■ “ドラゴンの学校”構想

 さらに、NPO代表の遠藤柚香(高齢者支援で一緒に活動してきた)も、福祉施設の子どもや高齢者が安全にドラゴンを“リモート”で観察できるような配慮を提案する。 > 「VR機器やオンライン中継を活用して、ドラゴンの姿を自宅や施設で見られるようにすれば、わざわざ山を登らなくてもOKですよ。もちろん、希望者には見学ツアーも!」 森下は目を輝かせ、「地域の小学校や中学校の授業で“ドラゴン研究”を取り入れたりしたら、面白そう…」と楽しげに想像を膨らませる。

第二章:ドラゴン保護区に広がる変化

■ “複数個体”が活動を始める

 既に母ドラゴンと子ドラゴンに加えて、新たなオス(?)や仲間らしきドラゴンの姿もちらほら確認され、少しずつ“群れ”を形成しているかのような兆候もある。 斎藤は監視カメラ映像を見ながら、 > 「わあ、4匹くらいいるんじゃないですか? ひょっとしてこっそり卵を産んでる可能性も…」 と思わず身震い。

■ 対応策—“最強の法務”を!

 このまま自然に任せれば、ドラゴンがさらに増え、いずれ人里に近づくリスクは高まる。 山崎は真剣な表情で言う。 > 「これからは“多頭飼い”ならぬ“多頭生息”に対応できるよう、法務面を強化しなければなりません。保護区の拡大、寄付金や財源確保、見学ルートのさらなる整備…」 丸山はエクセルで作成した巨大な表を示し、 > 「このままだと年間運営費が数千万円どころか億単位に膨らむ恐れも…。フェスの利益だけじゃ追いつかない。自治体と国の補助金を狙うしかないか…」 森下は資料をめくりながら、 > 「IDRI(国際ドラゴン研究機関)も資金を出してくれてるけど、永遠に頼るわけにもいかないですし…」 と頭を抱える。

第三章:住民との衝突再燃?

■ ドラゴン被害を訴える農家

 地元農家の一部から、「夜にドラゴンが畑を荒らしている!」「火炎で一角が焼けた!」という報告が続出。 斎藤たちは現場を確認すると、確かに作物が焼け焦げた跡がある。 農家は怒り心頭。 > 「フェスで儲かったのは商店街と役場だけだ! こっちは大損害だぞ!」

■ 補償と保険

 これまでもドラゴン被害に対する補償制度は作っていたが、被害が増えれば支払い能力が追いつかなくなる可能性がある。 丸山は再度エクセルに向き合いながら、 > 「やばい…かなりの赤字になるかもしれない。新たな基金や保険制度が急務ですね…」 森下は「ドラゴン保険…保険会社が嫌がりそう…。法整備が追いついてないので仕方ないけど…」と渋い顔。

第四章:議会でのバトル、ドラゴン廃止論も浮上

■ ドラゴン派 vs 廃止派の衝突

 町議会では、「ドラゴン廃止」を強く主張する議員が現れ、再び騒動が勃発。 > 「こんな危険な生物を野放しにしては町の安全が脅かされる! フェスで一時的に潤っただけで、リスクが高すぎる!」 これに対し、ドラゴン観光を推進する派は > 「いや、ドラゴンこそが町の目玉! 今さら追い出すなんて無理だし、住民の一部はドラゴン被害を誇張しているだけだ!」 と譲らない。

■ 山崎事務所の立場

 議員たちは口々に「山崎事務所も無責任に“共生”を唱えるだけでなく、具体的解決策を示すべき!」と声を荒げる。 山崎は落ち着いたトーンで答える。 > 「私たちは、あくまで法務の面から支援をしているに過ぎません。しかし、“ドラゴンとの共存”が町にとって意味のある未来だと信じています。 >  補償制度の拡充や保護区の整備をさらに進め、被害を最小限に抑えることは可能です。皆さんが協力し合えば、きっと問題は解決できると思います」

第五章:子ドラゴンの意外な行動

■ “雛”の孵化が近い?

 保護区のカメラに映る子ドラゴン(もはや子とも呼びづらい大きさ)が、やけに洞窟の奥へ頻繁に出入りしている。どうやらがあるのかもしれない、という噂が広まる。 斎藤は「ええっ、また孵化するんですか? そりゃ確かに群れが増えるわけだ…」と唖然。 森下は苦笑しつつ「このままいくと“ドラゴン王国”になっちゃいますね」と冷や汗をかく。

■ 心配する母ドラゴン

 ある夜、母ドラゴンが保護区の柵周辺をうろうろし、低い唸り声をあげる姿が撮影される。まるで「助けて」と言わんばかり? それとも警戒のサイン? 山崎は映像を見ながら「これは…ひょっとしたら、新たな生命が誕生する際に人間に干渉されたくない、でも不安があるのかもしれませんね…」と推測。 専門家もいないため、実態は不明だが、ドラゴンたちの“新しい局面”が近づいているのは確かだ。

第六章:終局へ—ドラゴンと人間の“本当の共生”を目指して

■ 大きな意思決定のとき

 議会や住民、山崎事務所、そしてドラゴンたち。みんなが**“ドラゴンの町”**としての未来を本気で考える時が来た。 - 完全に追い出す?(現実的には難しく、大規模な紛争も起こり得る)- 現状維持でズルズルと続ける?(被害拡大のリスク)- さらに大規模な予算を投じて、本格的に“ドラゴン共生”のインフラを整える?

■ 山崎の結論

 町民集会の場で、山崎は静かに語る。 > 「私たちは“法”を使って、人々の平和を守り、同時にドラゴンたちの生態を尊重したいと思っています。 >  確かに維持コストは莫大ですし、リスクもゼロにはできません。でも、これほど素晴らしい生物と出会える町は世界にそうありません。 >  仲間や研究機関と協力し、ドラゴン被害を最小限に抑えながら、観光・教育・福祉と結びつける道こそが、この町の“新しい可能性”だと信じます」

 場内はしばし沈黙。しかし少しずつ、賛同の拍手が広がり始める。

第七章:ドラゴンの夕焼け、そして未来へ

■ 迎える決断

 町議会は最終的に**“ドラゴン共生プラン拡充案”**を可決。大幅な予算増額と条例改正が正式に決まり、国や外部機関の支援も仰ぐ方向となる。 もちろん反対派の声は消えないが、「もう後戻りできないならやるしかない」という空気が町全体に漂う。

■ 赤く染まる空に舞う影

 夕暮れ時、事務所の窓からは、オレンジ色に染まる空をゆったりと旋回するドラゴン親子の姿が見える。 その美しさに、斎藤丸山森下は思わず見とれ、「こんな景色が当たり前になったんですね…」と感慨を漏らす。 山崎は静かに微笑み、「きっとこれからもっと大変になりますよ。でも、この町にはそれだけの“夢”がある。私たちも力を尽くしましょう」と語りかける。

エピローグ:まだ続く物語

 こうして山崎行政書士事務所は、ドラゴンをめぐる法務・調整・住民対応に奔走しながら、一歩ずつ“真の共生”へと歩みを進める。 - 教育プログラムで子どもたちがドラゴンへの理解を深めたり、- 農家への補償や防護策を拡充したり、- 国外の研究者と協力して“多頭生息”における安全策を練ったり…

 どれも前例のない課題ばかりだが、法と人情で乗り越えてきた彼らなら、きっとやり遂げるだろう。 町の空には今日も、真っ赤な夕焼けを背景にドラゴンの翼が悠然と羽ばたいている。草薙の坂の下から見上げるその光景は、かつては奇跡だったが、今では当たり前の日常になろうとしている。

 (これで物語は一旦の区切り。ただし、ドラゴンたちの冒険も山崎事務所の奮闘も、まだまだ続いてゆく…)

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