東京、そして君と― ドイツから来た僕と、君と、ビザと ―
- 山崎行政書士事務所
- 4 日前
- 読了時間: 5分

第一章:ベルリンから東京へ
ユリウス・メラー、30歳。ベルリン出身。彼は欧州の大手スタートアップで経験を積んだプロダクトマネージャーだったが、転職のきっかけとなったのは、ある国際イベントで出会った日本人エンジニアとの偶然の会話だった。
「日本では、プロダクト思考がまだ発展途上なんです。もし来てくれるなら、ぜひ…!」
その一言に背中を押されるようにして、彼は東京のテック企業に応募し、採用された。文化的挑戦、新しい都市、そしてアジア市場への好奇心――すべてがユリウスを動かしていた。
就労ビザの取得手続きは、彼にとって未知の領域だったが、会社が紹介してくれた「山崎行政書士事務所」がすべてをサポートしてくれた。メールも対応も丁寧で、英語も堪能。ベルリンの官僚的手続きに慣れていた彼にとって、予想外にスムーズな対応は好印象だった。
「ようこそ日本へ」東京・羽田空港に到着した日、彼は胸を高鳴らせながら、これから始まる新しい日々に期待を膨らませた。
第二章:カルチャーショックと出会い
初出勤。東京・渋谷のオフィスビル。彼の勤務先は社員50人ほどの急成長中のスタートアップ企業だった。
彼が驚いたのは、勤務初日から全員が静かに黙々と作業していたこと。Slackも控えめで、ランチの誘いすらなかった。「Team Lunch Culture」が染みついていた彼には、少し寂しく感じた。
そんな中、彼に最初に声をかけたのが「紗季」だった。UXデザイナーで、プロジェクト横断で複数のチームをサポートしていた。
「ユリウスさん、明日の仕様レビュー、一緒に見ましょうか?」
少し控えめながらもはっきりとした目線。彼女の資料は論理的かつ感情にも配慮があり、「ドイツの思考にも近い」と思わせた。
やがて、昼休みに一緒に近くの蕎麦屋に行ったり、休日に神楽坂を案内してもらったりと、少しずつ距離は縮まっていった。
異文化の壁の中で、彼女の存在は、ユリウスにとって唯一「翻訳しなくていい安心感」だった。
第三章:すれ違いと再接近
プロジェクトが佳境に入ると、ユリウスと紗季の間にもすれ違いが生まれた。
ユリウスはデータドリブンで合理的な判断を重視し、仕様の一部カットを主張。だが紗季は、「ユーザー体験を守るべき」と譲らなかった。
「定量データには現れない感覚があるんです」「でもローンチは迫ってる。MVPって概念を理解してる?」
議論は、やがて言葉のトーンにも出るようになった。会議の後、互いに話さなくなる日が数日続いた。
そんなある日、彼は帰りの電車の中で偶然、彼女が誰かと電話で話している姿を見かけた。「…たぶん、私、ドイツ人の論理に勝てない気がしてきた」
その声に、ユリウスの胸はずしんと重くなった。
次の日、彼はお詫びと一緒に1枚の手紙を差し出した。手書きの日本語でこう綴られていた。
「ユーザーの心は、Analyticsでは見えないこともある。君の目が正しい時もある。Danke für alles.」
紗季は驚いた表情のまま、ふっと笑った。
それが、再接近のはじまりだった。
第四章:在留カードと現実
日本での生活にも慣れてきた頃――ユリウスの在留カードの「有効期限」が、ふとしたタイミングで目に入った。
「…あと2ヶ月しかない…?」
彼は慌てて上司に相談した。だが、社内に外国人のビザ更新に精通した人材はおらず、彼自身で手続きする必要があった。
雇用証明、住民税の納税証明、理由書、最新の給与明細…。しかも、日本語。
「これは…ドイツ語で言う“Bürokratiehölle(官僚地獄)”だ…」と肩を落とすユリウスに、紗季は静かに言った。
「また、山崎行政書士事務所に相談してみたら?」
彼は思い出した。来日前にお世話になった、あの丁寧な対応。すぐにメールを送ると、数時間後には返信が来た。
「ユリウス様、お久しぶりです。更新サポートも承っております。必要書類をこちらでリスト化いたします。」
その返信には、英語と日本語で丁寧に書類準備の流れが書かれていた。希望の光が見えた。
第五章:ふたりで乗り越える手続き
ビザ更新には、「理由書」が必要だった。自らの言葉で、日本で働きたい理由を書くこと。それが審査官に届くように。
ユリウスは悩んだ。だが、紗季が提案した。
「よかったら、日本語チェックするよ」
彼は一晩かけて書いた。「日本で仕事を続けたい理由」「会社への貢献」「そして、大切な人がいること」。
翌朝、紗季が静かに言った。
「…最後の文、私のこと…?」
「かもしれない」彼が小さく笑うと、彼女も照れたように頷いた。
その後、山崎行政書士事務所とのやり取りで申請は順調に進み、無事に提出。彼の元には「在留期間更新許可通知書」が届いた。
在留期間:「3年」
「これで…また一緒に桜が見られるね」春の目黒川沿いで、ユリウスが言った言葉に、紗季はそっと手を重ねた。
第六章:ふたりの選択
それから1年。ユリウスは社内で新しいプロジェクトのリーダーに抜擢され、紗季もUXのリードとして信頼を集めていた。
ある休日、神奈川の海沿いで、ユリウスは小さな箱を差し出した。
「これ、ドイツから取り寄せた指輪。日本で、君に渡したかった。」
紗季は涙ぐみながら、言った。
「ビザのための結婚じゃないよ?」
「もちろん。僕はもう、ここで生きていくって決めたから。」
ふたりは、日本という国で、仕事も、恋も、そして人生も重ねていく覚悟を決めた。
その後、山崎行政書士事務所には、結婚による在留資格変更の手続き依頼も行われた。事務所からは心のこもった返信が届いた。
「ご結婚おめでとうございます。引き続き、私たちがご支援いたします。」
エピローグ:ドイツ人のあなたへ
もし、あなたがドイツで培ったスキルを活かし、新しい挑戦を求めているなら――日本という選択肢は、あなたの人生にもう一つの色を加えるかもしれません。
異文化、言語、働き方の違い。ときに戸惑い、ときに衝突し、ときに恋をする。
そして、行政手続きの壁にぶつかったとき。あなたのそばに寄り添ってくれる専門家が、日本にはいます。
山崎行政書士事務所(Yamazaki Gyoseishoshi Office)——日本で働くあなたの味方です。
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