top of page

タイムスリップ夫の逆襲!?〜坂口あやめの悲喜こもごも11:ママ友は未来人!? 幼稚園問題で大混乱!〜




1.わが子の成長、そして幼稚園どうしよう?

 老舗出版社「米星社」の文芸編集者・坂口あやめ。 未来からやってくるトレンチコート族やスパンコールコート姑、筋肉配達員・カリブなど……さんざんな“時空トラブル”を経験してきたけれど、今は夫・裕作と生まれた娘(通称:ベビーあやめ)と幸せに暮らしている。 夜泣きもだんだん減り、赤ちゃんはまもなく1歳。もうすぐ一人歩きをしそうな勢いだ。

「早いなあ、もうこんなに大きくなって……。そろそろ幼稚園や保育園の情報収集とか始めないとね」 あやめはそうつぶやきながらスマホで“近所の幼稚園・保育園”をリサーチ。夫・裕作もフリーライターとして忙しくなってきたから、いずれは預け先を考えなくちゃいけない。 「どうする? 保育園は空きが少ないみたいだし、幼稚園はどうも激戦らしくて……」 夫婦で頭を抱えつつ、ママ友からの口コミ情報を頼りにしているところだった。

 しかし、思い返せばこの数年、何を決めようとしても未来人が絡んできたではないか。もう二度とそんなことは起きないでほしい……そう願うあやめの思いは、もちろん甘かった。

2.公園デビューで出会った「怪しいママ」

 最近、娘を連れてよく行く近所の公園。滑り台やブランコのある小さなスペースで、子どもを遊ばせながらママたちが情報交換する、いわゆる**「公園デビュー」**というやつだ。 あやめは少し緊張しつつも、他のママさんと挨拶を交わし、育児の悩みなどを話している。 すると、その中に一人だけ、やけにデジタルガジェットを持ちこんでいるママがいた。 長い髪を束ね、全身ユニクロっぽいシンプルファッションながら、腕には不自然なバンド型デバイスが輝いている。

「はじめまして〜。私、皆瀬(みなせ)サクラと言います。そちらの赤ちゃん、もうすぐ1歳ですか? かわいいですねぇ〜!」 柔らかな雰囲気でにこやかに近づいてきたので、あやめも「坂口あやめと申します。こっちは娘で……」と笑顔で返す。 しかし、皆瀬サクラの腕にあるバンド型デバイスが妙に気になって仕方がない。色合いもやけに近未来的だし、時々ピカッとランプが光り、どうやら操作パネルが浮かび上がるような気配が……。 (ま、まさか、また未来人……? いや、まさかね、普通にハイテク好きな人かも……)

3.不穏な発言「近い将来、この公園は消滅しますよ」

 ほかのママたちが「ここらへん、幼稚園は激戦ですよね〜」などと話す中、皆瀬サクラも自然に会話に加わってくる。 「でもまあ、あまり長くは使えないんじゃないですか、この公園……」 何気ない口調でそんなことを言うので、周囲はキョトン。「え、この公園って再開発とかあるんですか?」と誰かが尋ねると、サクラはハッとして言葉を濁す。

「……えっと、いや、何か大きな工事が入るかも、なんて噂をどこかで聞いただけですよ〜」 あやめはサクラの目が泳いでいるのを見て確信する。これは絶対に裏がある。 かつて「ネギが腐って別居危機になる」「Wi-Fiパスワード事件で離婚寸前」という未来情報をひそかに漏らされた経験があるあやめは、嫌〜な予感がする。 「もしやこの人は未来から来たママ友……?」

4.皆瀬サクラの行動がどんどん怪しい

 翌日、公園に行くと、皆瀬サクラが“謎の小型スキャナー”を地面に向けてごそごそやっているところに出くわした。 「すみません何やってるんですか?」とあやめが恐る恐る声をかけると、サクラはびくっと驚き、「あ、ああ、これはその……地面の放射線量とか測ってみようかと……」などと適当に取り繕う。 あやめは心の中で(放射線量なら普通に一般販売されてる測定器使うでしょ? こんな未来ガジェット丸出しのやつじゃなくて……)とツッコミながら、思い切って切り込む。

「皆瀬さん、もしかして……未来の方だったりしませんか?」 するとサクラの瞳が一瞬カッと見開いて、「……え? な、何言ってんの? そそそんなわけ……」と動揺が隠せない様子。 あやめは苦笑いで続ける。「私、色々あったんです。もう慣れちゃってるんですけど、もしそうなら正直に言ってください。ママ友関係がギクシャクしちゃうと困るし……」

 サクラは観念したようにうつむき、ぽつりと呟いた。 「……バレちゃったか……。そう、私、実は西暦2128年から来た皆瀬サクラ。夫が転勤で過去に……というのは嘘で、本当は研究目的でここにいるの。ごめんなさい……」

5.サクラ、未来の幼児教育研究員だった!

 あやめが詳しく聞くと、どうやらサクラは未来の幼児教育研究所に勤めていて、「過去の幼稚園や保育園、子育てコミュニティがどんなふうに機能していたか」を調査するために送り込まれたらしい。 「未来では公園や幼稚園がかなり減ってきて、子ども同士のリアルな交流が少なくなってるんですよ……。だから、過去の‘自然豊かな遊び場’とか‘コミュニティのあり方’を調べて、未来に活かしたいと思って……」 サクラは申し訳なさそうにそう説明する。

 あやめはあきれ半分だが、苦笑いしながら「それなら最初に言ってくれればいいのに。私、散々未来人に悩まされてきたから、疑心暗鬼になっちゃったじゃない……」 サクラも「だって時空警察がうるさいし、ここらへん“坂口あやめ一家”がいるって聞いて、なんだか手出ししちゃいけないオーラがあって……」としょんぼり。 どうやら“あやめ一家”は未来人の間でも要注意ポイントとして知られているらしい。

6.衝撃!「この幼稚園、将来閉園するわよ」

 サクラはあやめに対して「まあ、せっかく知り合えたし、お友だちになりましょう!」と軽やかに誘ってくる。 ちょうどあやめも幼稚園探しの真っ最中。試しに「この近くの‘トトロ幼稚園’どう思います?」と尋ねてみたら、サクラがまた怪しい顔をする。

「え〜っと、その幼稚園って、将来的に再開発で……閉園になるんじゃなかったかな?」 あやめは「はあ!? 閉園!?」と驚愕。地元ではけっこう人気の幼稚園で、まさかそんな噂は聞いたことがない。 「ちょ、ちょっと、その情報いつの話? 未来での話を勝手に言われても困るんですけど……」 サクラは気まずそうに「ご、ごめんなさい。でも本当に、あと10年くらいで駅前の大型施設になっちゃうんです。子どもの数が減るのと、土地の売却とか絡んで……。過去の人に告げるべきじゃないんですけど……」

 あやめは頭を抱える。「10年後なら私たちには影響ないけど、なんかモヤモヤする……」 ともあれ、もしかしたら“無駄足”になるかもしれないと思うと悶々としてしまう。とはいえ、今、子どもを預けられればいいという問題でもある。 「もう! そういう未来情報、さらっと言われると余計に混乱するのよ……!」

7.行き詰まるあやめに謎のママ友軍団参戦

 さらにややこしいのは、サクラ以外にもいくつか“未来から派遣された研究員ママ”がいるというのだ。 某日、公園で子どもを遊ばせていると、ハーフ顔の美人ママが「私も実は2125年から来たケーキ職人なんです」とか言い出し、おっとり系のパパが「え? 僕は2130年のAI育児研究者ですよ!」と会話に加わってきたり……。 どうやら、あやめの住む地区は「過去の子育て環境を調査する」ために未来人が入り乱れるホットスポットと化していたらしい。

 その結果、公園のママ友グループがカオスに。純粋にこの時代のママである人たちは「何この人たち、なにやらハイテク機器ばっかり……!?」と疑い始め、不穏な空気さえ漂う。 あやめは「私まで変なママ友扱いされる……! ただでさえ人見知りなのに!」と頭を抱える。

8.時空警察カリブ、また現る

 案の定、これだけ多数の未来人が集まれば、時空警察の動きも早い。 あの日の夕方、公園からの帰り道、あやめが赤ちゃんをベビーカーに乗せて歩いていたら、向こうから筋肉配達員・カリブが手を振りながら走ってくる。 「いや〜、あやめさん、また未来人たちが大量に“子育て調査”と称して潜伏してるらしいっすね! 尾根崎警視も頭抱えてまして、なるべく目立たないようにやってほしいって言ってるんですけどね〜」

 あやめは深いため息。「ほんと、私だってこれ以上巻き込まれたくないのよ。ママ友づきあいだけでも疲れるのに、未来人とのママ友づきあいって重たい……!」 カリブは同情しつつ「ま、とりあえず危険度は低そうなので、しばらく泳がせておく方針らしいです。彼らも研究目的ってだけで、悪さはしなそうだし」と言うが、あやめのストレスは頂点に近い。

9.「子どもはこの時代に育てて正解だよ」

 そんなある夜、子どもがやっと寝静まったあと、あやめはリビングで一息ついていた。夫・裕作も仕事の原稿を終え、二人で幼稚園資料を並べて「さて、どこがいいか……」と検討中。 そこへ、突然スマホにLINEが届く。送信者は皆瀬サクラ——未来からのママ友。 > 「今日はゴメンね、いろいろ言いすぎて。わかるでしょ、未来の情報なんて教えるべきじゃないんだけど、つい……。でもあなたのお子さんは、この時代でちゃんと楽しく幼稚園に通えると思うよ。 >  だから安心して“今”を選んでね。私なんかが言うのも変だけど、あなたたち親子には、すごくあったかいオーラがある。みんなを幸せにしてると思うから!」

 あやめは思わず胸があたたかくなる。未来人にあれこれ口を出されるのは嫌だけど、サクラの言葉には優しさが滲んでいる気がした。 「うん、結局は自分たちで決めるしかないんだよね……。10年後にどうなるとか関係ない。今、この子がどの幼稚園で笑ってくれるか、それが大事なんだから……」 あやめがそうつぶやくと、裕作も深くうなずく。

エピローグ:未来は未来、私たちの“今”がすべて

 翌週、あやめと裕作は町内の幼稚園をいくつか見学し、結局“トトロ幼稚園”に申し込むことにした。将来再開発で消えるかもしれないが、「それは10年後の話」。いま我が子にとってベストなら、そこを選ぶまでだ。 帰りにふと公園へ寄ると、皆瀬サクラの姿はなかった。噂によれば「研究が一段落して未来へ戻った」らしい。けれど他にもちらほら怪しいママ友が残っていて、「次は育児サークルの様子を調べたい」とか言っているとか……。 それでもあやめは「まあ、いっか。大きな事件じゃないし。私たちは子どもが元気に育つよう、ちゃんと見守ってあげればいいよね」と肩をすくめて笑う。

 未来がどうなろうと、自分たちの“今”を大切にする。 あやめの胸には、そんな強い決意がある。奇妙な未来ママ友との出会いは疲れたけれど、それでもほんの少し学ぶこともあったのだ。 きっとまたどこかで、トレンチコートやスパンコールコートを翻して誰かがやってくるかもしれない。でも、あやめたちはもう慣れっこ――いくらでもかかってこい(?)状態だ。

 ——そして今日も公園の砂場では、子どもたちが笑顔ではしゃぎ回る。そこにどんな秘密が隠れていようが、親子の笑顔は“この時代”に確かに輝いているのだった。

(了)

 
 
 

コメント


Instagram​​

Microsoft、Azure、Microsoft 365、Entra は米国 Microsoft Corporation の商標または登録商標です。
本ページは一般的な情報提供を目的とし、個別案件は状況に応じて整理手順が異なります。

※本ページに登場するイラストはイメージです。
Microsoft および Azure 公式キャラクターではありません。

Microsoft, Azure, and Microsoft 365 are trademarks of Microsoft Corporation.
We are an independent service provider.

​所在地:静岡市

©2024 山崎行政書士事務所。Wix.com で作成されました。

bottom of page