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不利でも合法、は普通に存在する

(山崎行政書士事務所・生活法務サポート室/契約書チェックの現場から)

こんにちは。山崎行政書士事務所・生活法務サポート室です。今日のテーマはこれ。

「不利でも合法、は普通に存在する」

これ、現場でいちばん誤解が多いポイントです。みなさん心のどこかでこう思ってます。

「こんな不利な内容、法律でダメなんじゃない?」「こんな条件なら無効でしょ?」「だって“普通”じゃないし…」

……残念ながら、不利=違法ではありません。不利でも「成立しちゃう」「有効になり得る」こと、普通にあります。契約書って、優しさでできてないことが多いんです(泣)。

※先に大事な注記です。当室(行政書士)は、契約書・合意書等の文書作成、内容確認(チェック)、条文の整理、リスクの見える化など、書類面のサポートを行います。紛争化した案件での代理交渉や裁判手続の代理は行いません。状況により弁護士等の専門家相談が適切な場合は、その旨ご案内します。

「合法かどうか」と「得かどうか」は別の話

ここ、いちばん大事です。

  • 合法(=直ちに違法とは言えない)

  • 公平(=あなたにとって納得できる)

  • 得(=コスパが良い)

この3つ、別物です。

たとえば、スーパーで“高いトマト”を買うのは合法です。でも「得」ではないかもしれない。契約書も同じで、**買ってはいけないトマト(違法)**と、**買えるけど割高トマト(不利だが合法)**が混在します。

問題は、契約書には値札がないことです。だから、署名前に見に行く必要がある。

「不利でも合法」が起きる理由:契約書は“自己責任ゲーム”になりやすい

契約書の世界は、基本こうです。

「合意したなら、それがルール」

もちろん、どんな条文でも無制限にOKという話ではありません。ただ現実には、**“えっ…これでも通るの?”**みたいな条文が残っていることも多い。

そして怖いのが、後からこう言われるパターン。

「書いてありますよね」「サイン(同意)しましたよね」

契約書は、優しさの確認書ではなく、**未来のトラブルを裁く“ルールブック”**になりやすいんです。

「不利でも合法」になりやすい条文あるある(地味に刺さる)

ここからは、署名前チェックでよく出る“合法だけどキツい”条文たち。(※全部が必ずダメという意味ではなく、バランスと前提条件の話です)

1)自動更新(解約しないと延長戦)

「期間満了の○日前までに書面で通知がないと自動更新」これ、合法でも普通に存在します。

怖いポイントはここ。

  • 通知期限が地味に早い

  • 通知方法が「書面のみ」

  • 送った送ってないで揉めやすい

気づいたら契約が延長していて、あなたの予定だけが崩れます。

2)解約・解除が片側だけ有利

相手はサクッと解除できるのに、あなたは解除しづらい。あるいは解除すると違約金が重い。

これも、内容次第で“成立し得る”ことがあるので油断禁物。契約書界の格言:「入り口は広いが、出口は狭い」(つらい)

3)支払い条件が“検収”に吸い込まれる

「検収完了後○日以内に支払う」一見まともですが、検収の期限や基準が薄いと、

検収が終わらない世界線

が誕生します。「検収します(いつとは言ってない)」が永久機関になります。

4)責任制限が“片側だけ”

相手の責任は軽い/免責が厚い。あなたの責任は重い/上限なし。

これも、条文の書き方次第で“そういう契約”として残ることがあります。事故が起きたとき、背負うリスクが一気にあなたに寄るやつです。

5)「一方的に変更できる」系の条文

「当社は必要に応じて契約内容を変更できる」これ、内容次第ではトラブルの種になりやすい。

合法かどうか以前に、実務的にはこうなります。

ある日、あなたが知らないうちにルールが変わるそして知らないうちに違反者になる

……怖い。普通に怖い。

6)「当然含まれる」で追加作業が無限に増える

「必要な対応は含む」「当然の範囲で対応する」この“当然”が曲者です。

当然の範囲って、人によって宇宙の広さが違います。そして揉めるのは、だいたいここです。

「それも込みでしょ?」「いや別料金です」「書いてないよね?」

はい、空白の怪物が出ました。

7)秘密保持が広すぎる(あなたが生きづらい)

秘密保持は大切。でも範囲が広すぎると、将来こうなります。

  • 実績が言えない

  • ポートフォリオに載せられない

  • 同種の案件にノウハウを使いづらい

合法でも、生活がしんどい秘密保持は存在します。

「不利でも合法」に飲まれないための考え方

ここからが肝です。契約書を読むときは、“正しいかどうか”より先に、これをやってください。

1)「最悪の日」を想像する(未来視)

契約書が出番を迎えるのは、だいたい平和な日ではありません。

  • 支払いが遅れる

  • 納期がズレる

  • 仕様が増える

  • キャンセルが来る

  • 連絡が取れない

そのとき、この条文で耐えられるか。耐えられないなら、合法でもあなたには危険です。

2)義務と権利の“釣り合い”を見る

チェックのコツはシンプルです。

  • あなたの義務(やること・責任)だけ重くない?

  • あなたの権利(やめる・請求する・拒否する)が薄くない?

義務:筋トレ100kg権利:紙コップの水みたいな契約、普通に存在します。

3)「書いてないこと」を疑う

不利条文より怖いのが、空白です。

  • 追加作業が出たらどうする?

  • 検収はいつ終わる?

  • 解約はどうやる?

  • 途中精算は?

書いてない=将来揉める余白書いてない=相手の都合で決まる余地になりやすい。

4)“納得して不利を飲む”ならOK(ただし自覚して)

ここ、現実の話です。

条件が不利でも、

  • その代わり単価が良い

  • 将来の取引につながる

  • 自分にとってメリットが大きいなら、「納得してサイン」もあり得ます。

ただし大事なのは、これです。

不利な条件を“知らずに飲む”のが一番危ない

知らずに飲むと、後で必ずこう言います。

「そんなの聞いてない」

そして契約書は静かにこう言います。

「書いてあります」

静かに刺してくるタイプです。

「みんなサインしてます」に対する、角が立たない返し方

相手が急かしてくるときに使える、現場向けの一言テンプレです。

  • 「重要事項なので、署名前に内容だけ確認します」

  • 「社内(家族)で確認してから戻します」

  • 「条件面だけ、誤解がないように確認させてください」

“確認する”は失礼じゃありません。むしろ確認しない方が、将来失礼になります(揉めるから)。

生活法務サポート室としてできること(署名前の段階がいちばん効く)

当室では行政書士として、交渉の代理ではなく

  • 条文の内容確認(チェック)

  • 不利になり得る点・空白の洗い出し

  • リスクの見える化(「最悪のとき何が起きるか」整理)

  • 代替表現・条文案の整理(当事者が使うための文案作成)

  • 合意書・覚書への落とし込み

といった「書類面の整備」で、“知らずに不利を飲む”事故を減らします。(すでに紛争化している、法的判断や代理対応が必要性が高い等の場合は、弁護士等の相談をご案内します。)

まとめ:不利でも合法はある。だから“署名前”が強い

  • 不利=違法ではない

  • 合法でも、あなたには危険な条件はある

  • いちばん怖いのは「書いてないこと」

  • だから契約書は“今”より“将来”を見る

  • そして、署名押印は「購入確定ボタン」

最後にひとこと。

「不利でも合法」だからこそ、“読んで納得してサイン”が最強です。

「この契約書、普通って言われたけど不安」「急かされてるけど、どこが不利かだけでも知りたい」そんなときは、署名前の段階で“文書の安全点検”をご相談ください。

 
 
 

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