中津川で秋の味覚大混戦！栗きんとん vs. 栗きんつば

山崎行政書士事務所
1月24日
読了時間: 5分

登場人物

日向（ひなた）しのぶ

30代OL。和菓子好きで、特に秋に登場する“栗系スイーツ”には目がない。
田辺（たなべ）明日香（あすか）

しのぶの同僚。洋菓子派だったが、最近和菓子の魅力に目覚めつつある。
店主・松岡（まつおか）

和菓子店「松葉（まつば）」の店主。秋には特に力を入れて、栗きんとんや栗きんつばを仕込む。
“栗きんマニア”宮下（みやした）
栗きんとんや栗きんつばを愛し、中津川界隈の栗和菓子を片っ端から味わう謎の人物。いささか鼻息が荒い。

第一幕：秋の味覚は中津川「松葉」にあり！

「明日香、聞いて！　この前テレビでやってた中津川の和菓子、松葉の栗きんとんと栗きんつばがめっちゃ美味しそうだったの！」休憩時間、日向しのぶが興奮して話す。

「栗きんとんは知ってるけど、栗きんつばって何…？きんつばとは違うの？」田辺明日香は首をかしげる。

「そう、元々きんつばは小豆餡を薄皮で包んで焼いたものじゃない？でも栗きんつばは栗の餡を使ったりして、とにかく栗を満喫できる和菓子なの！しかも“松葉”ってお店は栗きんとんも有名で、秋になると行列できるんだって！」「へえ～、ちょっと気になる。和菓子ってたまに食べるとほっこりするんだよね。行ってみる？」「行く行く！　秋はやっぱり栗でしょ！」

第二幕：中津川の「松葉」へ

休日に電車で中津川へ。秋の空気が爽やかに感じられる中、しのぶと明日香は駅から少し歩いた先にある和菓子店「松葉」に到着。店の前にはすでに人が並んでいるが、運よくそんなに長くはない。

「さすが秋のシーズンだね。栗きんとん目当ての人が多いのかな」しのぶがわくわくしていると、店主・松岡が暖簾をくぐって「いらっしゃいませ～。今日は栗きんとんも栗きんつばもございますよ～！」と声をかける。

「やったー！両方買いたいんですけど、まだありますよね？」明日香が尋ねると、店主は「はい、今朝仕込んだ分がまだ残ってますよ！」と笑顔。

第三幕：謎の“栗きんマニア”が出現

二人が並んでいると、後ろから急ぎ足でやって来た男がいた。「すみません、ここに並んでますか？うわ、やっぱり少し列がある……」見ると彼はリュックに“栗”のイラスト入りキーホルダーをぶら下げている。妙にテンションが高い。

「ど、どうぞ。私たちの後ろですが…？」しのぶが振り返ると、男はニコリと微笑み、「私は宮下。“栗きんマニア”って呼ばれてます。ここの栗きんとんと栗きんつばが絶品って聞いて、飛んできたんですよ！」と自己紹介。

「“栗きんマニア”…？なるほど、すごいこだわりを感じる…」明日香は苦笑。でも同じ目的を持つ者同士、何となく仲間意識が芽生える。

第四幕：栗きんとんと栗きんつば、いざ対面！

ようやく順番が来て店に入り、しのぶと明日香はそれぞれ栗きんとんと栗きんつばを購入する。店の奥にちょっとしたイートインスペースがあったので、二人はそこに腰を下ろし、さっそく開封。

栗きんとん：ほんのり黄色みを帯びた栗餡をキュッと茶巾絞りにした形。口に入れるとふわりと広がる栗の甘さ。
栗きんつば：外はうっすら焼き色のついた薄皮、中にはぎっしりと詰まった栗餡。断面はきれいな黄色系。

「わあ、どっちも美味しそう……私は栗きんとん派だけど、きんつばも惹かれるなあ」しのぶは栗きんとんをパクリ。「ああ、ホクホクの栗を感じる…甘さも上品で、この自然な風味がたまらん！」明日香も栗きんつばを一口。「おお、皮が薄いからほんとに栗餡が主役！もっちりしててクセになるかも！」

第五幕：マニアの強引な味見要求!?

そこへ宮下（“栗きんマニア”）が「お二人さんも召し上がってるんですね！」と声をかけてくる。「私、きんとんもきんつばも両方買いましたが、一人だと食べ切れそうにないんで、もしよければ一緒に味の感想とか共有しません？」とキラキラした目。

「え、いやでももう自分たちの分は自分たちで…」明日香が戸惑う。しのぶは「まあ、感想くらいはいいけど…」というところ。

すると宮下は「あ、じゃあ味見させてもらえませんか！？」と興奮ぎみに迫る。二人は「ええっ！？」と驚くが、宮下は「いや、僕のも分けるんでお互いに味を比べましょうよ！」と強引。

第六幕：ちょっぴり交流、でも笑い合い

結局、少しだけお互いの和菓子を交換し合うことに。「おお、あなたのきんとんは柔らかめですね。私のきんとんはちょっとしっかりめ… batchによって違うのかな？」「え、そうなんですか？言われてみれば微妙に違うかも…」「きんつばも皮の厚みがちょっと違うかも…」

お互いに「微妙な違いだね」「でもどっちも美味しい！」と盛り上がり、店内の他の客はクスクス笑っている。店主・松岡は「うちの製造も日によって微差はあるんですけど、それもまた風情ですよ」と苦笑。

第七幕：爆笑のフィナーレ

最終的に、しのぶと明日香は満足して「やっぱり秋は栗に限るね」「もう和菓子の概念変わったわ」と笑顔で会計を済ませる。宮下も「いやあ、素晴らしい体験をありがとうございます！やっぱり中津川の栗きんとんは最高です！」と頷く。

店主・松岡は「また来てくださいね。これからの季節、ますます栗スイーツが充実しますよ！」と嬉しそうに見送ってくれる。「はーい、絶対また来ます！」と二人は手を振って店を後に。

外に出ると、まだ昼下がりの秋空。ほんのりと口に残る栗の余韻が心地よい。「おいしかったね。きんとんもきんつばも最高だった…」「うん、まったり甘くて、でも自然な栗の風味がいい感じだった！なんだかほっこり幸せ…」

背後では宮下が「じゃあ僕はこの後もう一軒、栗きんとんの名店があるので行ってきます…！」と意気込んでいる声が聞こえる。二人は「すごいなあ、あの人…」と笑いあって歩き出す。

中津川松葉の栗きんとんと栗きんつば――秋の香りと自然な甘みで人々を虜にする和菓子。今日もそこには、栗を愛する人たちの笑いと感動が満ち溢れている。

（終わり）