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更なる挑戦

序章──新しいステージへ

 1973年創業のイタリア・フィレンツェ発ブランド LADARE(ラダーレ)。 東京・表参道にある同社の旗艦店は、先月の“ノルマ大作戦”をギリギリで成功させ、店長の**神崎(かんざき)**以下スタッフ全員が安堵の息をついた。だが、ひとたび一つのゴールを越えても、新たな課題はすぐに訪れる。 今月から、店舗売上を3ヶ月連続で達成すると、役職に応じてインセンティブが支給されるという新たな施策が本社から打ち出された。さらに年に一度の賞与(ボーナス)も近づいている。 「今度は個人売上にも目標が設定されるらしいわよ」 「店全体での目標も、また上がるんじゃないですかね……」 スタッフの間には、淡い期待と不安が入り混じった空気が漂っていた。

第一章──個人ノルマと店舗インセンティブの狭間

 LADARE表参道店では、これまで店舗全体の売上に焦点が当たることが多かった。しかし最近は、本社が「スタッフ一人ひとりの成長」を促す方針を掲げ、個人売上目標を設定。店舗目標と合わせてダブルでの達成を狙う仕組みになった。 「今回は結構きめ細かい数値を提示されましたね。私はバッグだけで月80万円とか……」 そうつぶやくのは、若手の佐伯(さえき)。セールスアソシエートとして接客を始めて1年ほどだが、語学力を生かして外国人客にも積極的にアプローチしている。 「個人ノルマは店舗やマネージャーの考え方にもよるから、うちの店はまだ楽な方だと思うけどね。銀座のLADAREではもっと厳しいって聞くよ」 副店長の**阿久津(あくつ)**はそう言いつつも、先月の激闘を思い出して肩をすくめる。現状でも表参道店のハードルは決して低くない。 一方、店長の神崎は皆を集め、次のように声をかけた。 「今月から“3ヶ月連続で店舗売上目標をクリア”すれば、スタッフ全員にインセンティブが支給されるそうです。金額は1万円から5万円程度で、役職によっても変わるとか。オペレーション担当の子たちにも支給されるから、チーム全体が前向きになれるわ」 スタッフから小さな歓声が上がる。販売だけでなく店舗運営を支えるメンバーにも光が当たるのは、モチベーションを高める有効な施策だった。

第二章──役職・キャリアパスへの期待

 LADAREには、大きく分けてマネジメントコーススペシャリストコースの二つがある。 - マネジメントコース  - セールスアソシエート → シニアセールスアソシエート → ストアスーパーバイザー → アシスタントストアマネジャー → ストアマネジャー → ジェネラルマネジャー → エリアマネジャー - スペシャリストコース  - アプレンティス・クラフトマン  - ソーシャル・インフルエンサー  - レザー・サービス・スペシャリスト  - ヴィジュアルマーチャンダイズスペシャリスト  - クライアント・エキスパート

 表参道店には、マネジメントコースを歩む神崎(ストアマネジャー)や阿久津(アシスタントストアマネジャー)以外に、ヴィジュアルマーチャンダイズスペシャリストの**中園(なかぞの)**も在籍している。彼はディスプレイと店舗内装の専門家としてブランドイメージを体現する仕事を担っている。 「俺、インセンティブとか売上って、正直そこまで意識してなかったんですよ。でも、3ヶ月連続達成で全員にボーナスが出るなら、頑張りがいがありますね」 中園はそう言いながら、店内の什器や照明の角度を微調整している。彼のようなスペシャリストでも、売上貢献が目に見える形で評価されるのはありがたいことだ。 また、セールスアソシエート職(経験1年・中途入社)で年収約350万円、アシスタントマネジャー(経験5年)で約450万円という情報が伝えられており、若いスタッフの間では「もう少し上を目指せば収入が増えるかも」という期待感が芽生えている。

第三章──3ヶ月連続クリアへの道

 しかし、“3ヶ月連続で店舗目標をクリア”というのは簡単なことではない。 「一時的に売上をガッと上げても、翌月が落ち込み過ぎたら意味がありません。安定的に達成する仕組みを作る必要があるんです」 そう力説するのは阿久津だ。彼女はストアマネジャーの神崎を補佐し、スタッフ個々の売上進捗を確認する立場でもある。 「今月は新作トートとレザー小物が稼ぎ頭になるでしょう。外国人観光客を狙うなら、ぜひ佐伯さんの語学力を最大限活かしてほしい。あとは常連のVIP顧客にも、そろそろ買い替えの時期の方がいらっしゃるはず」 こうした計画的なアプローチが、3ヶ月連続達成のカギを握る。

 さらに神崎は、スタッフミーティングでこんな提案をした。 「個人ノルマはプレッシャーになるかもしれないけど、そのおかげで自分の課題が明確になる面もあると思うの。どのアイテムが強いのか、どの客層との相性がいいのか……。それをうまく全体にフィードバックできれば、月をまたいでも安定した売上を見込めるんじゃないかしら」

第四章──他店との温度差

 とはいえ、LADAREの全店舗が過剰なプレッシャーを抱えているわけではない。 「うちの同期が働いてる大阪の店舗は、ノルマの方針がゆるめで、自由な接客ができるらしいんです。お客さまとじっくり会話してファンを作る、といった理想的なスタイルとか」 佐伯はそう漏らしながら、表参道店の空気とは違う“ゆったり感”に羨望を感じている様子だ。 ただ、ノルマが少ない店舗はその分インセンティブもやや低めに設定されているらしい。同じブランド内でも、エリアや店舗の規模によって方針が異なる。それがスタッフにとってプラスにもマイナスにも作用する。 「まあ、旗艦店は売上を牽引する立場だから仕方ないわね」 阿久津が苦笑する。彼女もまた、以前は地方の比較的小規模な店舗を任されていた頃があり、「あの頃はそれほど数字に追われていなかった」と懐かしむことがある。

第五章──チームワークと微妙な競争

 スタッフ全員で店舗目標を狙う一方、個人ノルマによるスタッフ同士の微妙な競争意識も生まれる。 「佐伯さん、また高額のバッグを外国人観光客に売ったんだって? いいなあ」 「いや、僕はちょうど英語で説明できるスタッフがいなくて呼ばれただけですよ。たまたまです」 売れれば売れるほど個人としての評価も上がる。それがチームの士気を刺激する反面、ギスギスとした空気を生む可能性もある。 そこで神崎は、インセンティブの分配が「店舗達成がメイン」である点を再度強調し、あくまで“チームワーク重視”を呼びかけた。 「私たちが狙うのは、あくまで ‘3ヶ月連続の店舗目標クリア’。個人ノルマはあくまで ‘自分自身のスキルアップの指標’ と思って。誰かが大口を取れたときは、周りで連携してフォローし合うのが大事よ」

第六章──次なる試練が始まる

 やがて月末が近づき、表参道店は目標まであと少しのところまで売上を伸ばしていた。神崎はバックヤードでレジの打ち込みを確認しながら、スタッフの売上合計を計算する。 「あと20万円……誰かがレザー小物2点くらい売ってくれたら、いけそうね」 外の天気は快晴で、休日の表参道は多くの人で賑わっている。若いカップルがふらりと立ち寄って新作のミニショルダーを購入し、それが目標到達の決め手になった。 「店長! ついに達成しました!」 佐伯がレジで叫ぶと、店内のスタッフが笑顔を交わす。インセンティブの第一段階が近づいてきたのだ。

 しかし、目の前の一ヶ月を乗り切るだけでは終わらない。**“3ヶ月連続”**という長いマラソンを完走しなければ、ボーナスやインセンティブの本当の恩恵を掴み取れない。 「今月をクリアできたのは大きい。だけど来月、再来月こそが正念場ね。個人の売上目標も継続だし、本社からの要求はますます厳しくなるわ」 神崎はスタッフたちを集めて声をかける。彼女の目には、不安も決意も交じった光が宿っていた。 阿久津も、どこか引き締まった表情で同意する。 「せっかく今いい流れを作れたんだから、このまま3ヶ月走り抜きましょう。私も、次はもっと大きなお客様に提案してみようと思います」

終章──「次のゴール」を見据えて

 こうして、LADARE表参道店は新たな挑戦を開始した。個人ノルマと店舗目標を同時に追いつつ、3ヶ月連続クリアによるインセンティブ達成を目指す日々。 今後、売上規模が増せば増すほど本社からの期待値も上がり、スタッフそれぞれにかかる負荷も増えていくだろう。それでも、年に一度の賞与や月々のインセンティブがリアルな成果として提示される以上、誰も逃れられない。 セールスアソシエートとして成長し、シニアに昇進するも良し。あるいはヴィジュアルマーチャンダイズの道やレザーケアのスペシャリストを目指すも良し。スタッフたちは各々の夢や野望を胸に秘めながら、接客カウンターへ立ち続ける。 カリスマブランドとしての威光と、“数字”を追い求める企業論理。そのはざまで燃え続ける情熱が、LADARE表参道店を支えている。 彼らの本当の成功は、まだ先の話かもしれない。けれど、この一ヶ月、そして三ヶ月の先にある「次のゴール」に向け、再び店の扉が開かれる――。

(了)

 
 
 

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