top of page

契約書チェックでよく聞く3つの勘違い

(山崎行政書士事務所・生活法務サポート室/署名前チェックの現場から)

こんにちは。山崎行政書士事務所・生活法務サポート室です。契約書チェックの相談って、だいたい“契約書そのもの”より先に、勘違いが出てきます。

しかもこの勘違い、悪意ゼロで、善良な人ほどハマる。(そしてハマった人ほど、後で胃薬と友達になる)

今日は、現場でよく聞く「三大・勘違い」を、面白おかしく、でも肝は外さずにいきます。

※先に業務範囲の注記です。当室(行政書士)は、契約書・合意書等の内容確認(チェック)、条文の整理、修正案の文案作成、リスクの見える化など、書類面のサポートを行います。交渉の代理や紛争解決の代理、裁判手続の代理は行いません。必要に応じて弁護士等の専門家相談をご案内します。


勘違い①:「契約書は“公平”にできているはず」

〜現実:契約書は“作った側に都合よく”できがち〜

これ、めちゃくちゃ多いです。

「契約書って中立でしょ?」「双方が気持ちよく取引するためのものですよね?」

理想はそうです。でも現実の契約書は、だいたいこうです。

  • 先に用意した側の雛形

  • 自社を守る条文が多い

  • 事故ったときの責任を軽くしたい

  • 解除権を持っていたい

  • 変更できる権限を握っていたい

つまり契約書は、よく言えば「保険」。悪く言うと「落とし穴の地図」。しかも作った側が地図を書いてる。

だからチェックの目的は、“公平かどうか”を判定することより、“あなたが耐えられる条件か”を確認することです。

✅ チェックで見るべきポイント(超実務)

  • 義務(やること)が重すぎないか

  • 権利(拒否・変更・解約)が薄すぎないか

  • 責任(損害賠償)の範囲と上限が現実的か

  • “書いてないこと”が多すぎないか(ここが一番怖い)


勘違い②:「サインしても、口約束が勝つ(or 雰囲気で何とかなる)」

〜現実:揉めたら“書いてあるもの”が強い〜

これ、平和なときほど起きます。

「担当者が“いいですよ”って言ってました」「今までこうやってきたので」「普通そうでしょ?」

はい、分かります。ただ、揉めると世界線が変わります。

揉めた瞬間に強いのは、だいたいこれです。

  • 契約書の条文

  • 覚書・合意書

  • 書面の記録(メール等)

“口で言った”は、証明が難しくなりがち。そして雰囲気は、契約書に添付できません(添付できたら怖い)。

✅ チェックで見るべきポイント

  • 口約束で運用している事項が、契約書に反映されているか

  • 「別途協議」「誠意をもって」など、曖昧ワードが運用頼みになっていないか

  • 「追加」「変更」「例外」の扱いが書いてあるか

特に、追加作業や仕様変更のルールが書いてない契約は、将来ほぼ止まります。


勘違い③:「法律が守ってくれるから、不利な条文は無効になるはず」

〜現実:不利でも合法、は普通に存在する〜

これも多いです。

「こんな不利な条文、無効でしょ?」「法律で禁止されてるはず」「常識的におかしい」

……残念ながら、不利=違法ではありません。契約書には“割高トマト”みたいな条文が普通に存在します。

買ってはいけないトマト(違法)も世の中にはありますが、買えるけど高いトマト(不利だが合法)も普通にある。

契約書の怖さは、値札がないこと。だから署名前に値札を見に行く=チェックが必要です。

✅ チェックで見るべきポイント

  • 責任の範囲が広すぎないか(上限なしになってないか)

  • 解約・解除が片側だけ有利になってないか

  • 検収や支払条件が曖昧で、お金が止まり得ないか

  • 「一方的に変更できる」など、運用で詰む条文がないか


生活法務サポート室的:勘違いを正すと、契約書は読みやすくなる

この3つの勘違いを外すと、契約書チェックの視点が一気に実務的になります。

  • 公平か? → 耐えられるか?

  • 口約束で何とかなる? → 書面に落とせているか?

  • 不利は無効? → 不利でも成立し得る前提でリスクを見る

そして最後に、契約書チェックの目的を一言で言うとこれです。

「最悪の日に、自分が詰まないための穴埋め」

当室でできること(行政書士の範囲内)

当室では行政書士として、署名前の段階で

  • 契約書の内容確認(チェック)

  • 不利になり得る点・空白の洗い出し

  • リスクの見える化(将来何が起きるか整理)

  • 当事者が相手に提示するための修正案(条文案・赤入れ案)の文案作成

  • 覚書・合意書への落とし込み

など「書類としての安全点検」を行います。※交渉の代理は行いません。


まとめ:勘違いを外すと、契約書は“未来の自分を守る道具”になる

契約書チェックでよく聞く三大勘違いはこれ。

  1. 契約書は公平なはず

  2. 口約束や雰囲気が勝つはず

  3. 不利な条文は無効になるはず

この3つを外して、署名前に“将来”を見に行く。それだけで、契約書は「怖い紙」から「守る紙」に変わります。

「これ、勘違い込みでサインしそうだった…」「急いでるけど地雷だけ拾いたい」そんなときは、生活法務サポート室として“署名前チェック”でお手伝いします。

 
 
 

最新記事

すべて表示
AIが自分を監査する時代に、企業は何を設計すべきか

――「自己監査クラウド」と法的責任の現実 クラウド運用の現場では、「AIに監視させる」「自動で是正する」「人は最後に見るだけ」という発想が、もはや珍しくありません。 構成逸脱を自動検知し、ログを解析し、「これは規程違反です」とAIが判断する。 一見すると理想的な世界です。しかし、 クラウド法務の視点 で見ると、そこには明確な“落とし穴”があります。 「自己監査クラウド」は技術的に可能か? 結論から

 
 
 
内部メールに見えるフィッシングが、なぜ防げないのか

――メール設定ミスが生む“信頼の詐称”という法務リスク はじめに 近年、フィッシング被害の相談で増えているのが、 「外部からの攻撃なのに、内部メールに見えた」 というケースです。 標的型攻撃でもなく、特定企業を狙った高度攻撃でもありません。原因はもっと身近で、 自社のメール構成そのもの にあります。 攻撃の正体は「認証突破」ではない このタイプの攻撃で誤解されがちなのは、「Microsoft 36

 
 
 

コメント


Instagram​​

Microsoft、Azure、Microsoft 365、Entra は米国 Microsoft Corporation の商標または登録商標です。
本ページは一般的な情報提供を目的とし、個別案件は状況に応じて整理手順が異なります。

※本ページに登場するイラストはイメージです。
Microsoft および Azure 公式キャラクターではありません。

Microsoft, Azure, and Microsoft 365 are trademarks of Microsoft Corporation.
We are an independent service provider.

​所在地:静岡市

©2024 山崎行政書士事務所。Wix.com で作成されました。

bottom of page