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書いてないことが一番怖い理由



(山崎行政書士事務所・生活法務サポート室/契約書チェックの現場から)

こんにちは。山崎行政書士事務所・生活法務サポート室です。契約書を見ていて、いちばん背筋が冷える瞬間って何だと思いますか?

条文が難しい?専門用語が多い?印紙がいる?(それも大事)

違います。

いちばん怖いのは「書いてないこと」です。

なぜなら、書いてないところには、将来こういう怪物が生まれるからです。

  • 「言ったよね」

  • 「聞いてない」

  • 「それは常識でしょ」

  • 「いや、普通はこうでしょ」

  • 「空気で分かるよね?」

……空気、契約書に載りません。空気はファイルに保存できない。保存できるのは条文だけです。

※先に業務範囲の注記です。当室(行政書士)は、契約書・合意書等の文書作成、内容確認(チェック)、条文の整理、リスクの見える化など、書類面のサポートを行います。紛争化した案件での代理交渉や裁判手続の代理は行いません。状況により弁護士等の専門家相談が適切な場合は、その旨ご案内します。

書いてないと何が起きる?

結論:「決めたつもり」が、将来「決めてない」に変わります。

契約書って、平和なときは“飾り”になりがちです。でも揉めた瞬間、契約書は“唯一の地図”になります。

そして、その地図に道が描いてなかったら?

迷います。そして迷ってる間に、時間とお金が減ります。

書いてないことが怖い理由 7つ(生々しい現場あるある)

1)「都合のいい解釈」が生まれるから

書いてないと、相手はこう言えます。

「そう書いてないですよね?」

そして書いてない側はこう言います。

「書いてなくても、普通そうでしょ!」

ここで戦争が始まります。“普通”という名の無限武器が投入されるからです。

書いてない=空白空白=相手が自由に書き込める余白(しかも、口頭で。しかも、後出しで。)

2)「言った言わない」が発生して、証拠が薄くなるから

書いてないと、頼れるのは記憶です。でも記憶は、だいたい都合よく編集されます。

  • あなたの記憶:正義のドキュメンタリー

  • 相手の記憶:自分が被害者のドラマ

同じ出来事なのに、別番組になります。だから文書に残す。残すと、番組が一本化されます。

3)現場が止まるから(揉める前に止まる)

揉めた“後”じゃなく、“途中”で止まることもあります。

例:追加作業が発生相手「それ、当然込みでしょ」あなた「別料金です」相手「え?契約書に書いてないよね」あなた「いや、書いてないけど…」相手「じゃあタダで」あなた「うっ…」

結果:気まずい沈黙。プロジェクト凍結。書いてないと、現場が固まります。

4)お金が止まるから(支払い条件が“行方不明”)

契約書で多い空白、これです。

  • 請求はいつ?

  • 支払期限はいつ?

  • 検収(確認)はいつ終わる?

  • 分割は可能?

  • 追加費用はいつ確定?

この空白、将来こうなります。

「検収が終わってないので払えません」

検収の期限が書いてないと、検収が永遠に終わらない世界線が誕生します。つまり、お金が“検収という名の霧”に隠れます。

5)責任が膨らむから(空白は無限に育つ)

責任の条文が薄い、または書いてない。

すると将来、事故が起きたときにこうなります。

相手「全部そっちの責任ですよね?」あなた「え、どこまで…?」相手「全部」あなた「全部って…宇宙まで?」相手「はい、宇宙まで(気持ち)」

もちろん実際はそんな簡単ではないですが、書いてない=上限が見えない状態になりやすいのが怖いところです。

6)やめ方が分からなくなるから(解約・解除が未設計)

契約は始め方より、やめ方が難しい。

でも契約書が薄いと、将来こうなります。

  • いつまで続くの?(自動更新の罠も)

  • 何日前までに言うの?

  • 途中解約したら精算どうする?

  • どこまで作業した分は支払われる?

やめ方が書いてない契約は、将来“別れ話が泥沼”になります。恋愛と同じです(契約書は恋愛より冷たいけど)。

7)結局「人間関係」にダメージが入るから

書いてないと、揉めたときに攻めるしかなくなります。

  • 相手を責める

  • 自分を守る

  • 過去のLINEを掘る

  • 「あのときこう言った」合戦

本来、契約書は人間関係を守るための“緩衝材”なのに、書いてないと緩衝材がない。直接ぶつかる。痛い。関係が折れる。

「書いてない」を減らすための、超現実的チェック項目

契約書を前にしたら、最低ここだけ埋めてください。

① お金

  • 金額(内訳)

  • 支払時期・支払期限

  • 請求タイミング

  • 追加費用の条件

  • 返金・減額の条件(必要なら)

② 期限・手順

  • 納期/提供時期

  • 検収(確認)の基準と期限

  • 変更(追加)の手順(見積・承認・期限調整)

③ やめ方

  • 解約・解除の条件

  • 通知方法(書面?メール?)

  • 精算方法

  • 自動更新の有無

④ リスク(責任)

  • 損害賠償の範囲

  • 上限の有無

  • 免責の範囲

  • 秘密保持、成果物の扱い

ここが埋まると、将来の揉めごとはかなり減ります。

生活法務サポート室としての考え方:契約書は「穴埋めゲーム」

契約書チェックって、条文の正誤だけを見る作業ではなく、

「将来起きるイベントに、ルールが書いてあるか?」

を見に行く作業です。

穴(書いてない部分)があると、将来そこから揉めごとが湧きます。だから、先に埋める。“書いてない”を減らすだけで、未来の修羅場が減ります。

当室では、行政書士として

  • 契約書の内容確認(チェック)

  • 足りない条項・曖昧な表現の洗い出し

  • 条文案の整理・修正案の文案作成

  • 合意書・覚書への落とし込みといった 書類面の整備を支援します。※交渉の代理は行いません。

まとめ:書いてない空白に、将来のトラブルが住む

書いてないことが一番怖いのは、

  • 解釈が割れる

  • 証拠が薄くなる

  • 現場と支払いが止まる

  • 責任が膨らむ

  • やめ方が分からない

  • 人間関係が壊れる

この全部が、“空白”から始まるからです。

契約書は、今の仲良しを疑うためじゃありません。未来の揉めごとから、お互いを守るための“取扱説明書”。

「これ、書いてないけど大丈夫?」「空白が多くて不安」そんなときは、署名前の段階で“穴埋め”の視点からチェックをご相談ください。

 
 
 

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