「静岡駅前・エレガンスストア物語：防犯大作戦！」――優雅な高級デパート「エレガンスストア」が、近頃増えている万引き被害への対策に乗り出すことに。商品を守るため、そしてお客様に安心してお買い物をしてもらうため、いつものメンバーが突拍子もない作戦を展開する。はたしてその結末は……？――

第一幕：万引き被害、増加の報告

シーン：朝のミーティング

いつものようにスタッフが集合する朝礼。だがこの日は、宮本店長の表情がいつになく深刻だ。

宮本店長「みんな、大事な話がある。最近、うちの店舗で万引き被害が増えてるって報告を受けたんだ。被害額もバカにできないし、早急になんとかしないと」

スタッフ一同がざわつく。

• 三浦さん：「ええっ、大変じゃないですか……！」

• 杉山さん：「許せませんね！ 絶対に捕まえましょう！」

• 清水さん：「具体的にどのあたりの売り場で起きているのか、データを確認しないと。」

宮本店長：「そうだね。今日はそれぞれ分担して、防犯対策を強化しよう。よろしく頼むよ！」

第二幕：三浦さんの“追跡”作戦、まさかの迷子！？

シーン：店内フロア

まず動いたのは、おっとり系の三浦さん。彼女が任されたのはフロアを回って「不審者を見つけたら、さりげなく声をかける」という役目だった。

三浦さん：「不審な人……どんな感じなんでしょう？ とりあえず、怪しい動きをしてたら確認してみますね～」

ところが三浦さん、のんびりしているようで意外と行動力はある。ある男性客が挙動不審な動きをしているのを見つけると、素早く後を追いかけて店外へ飛び出した……が、そこで事態が急変！

三浦さん：「す、すみませ～ん、お客様……ってあれ、どっちに行ったんだろう？」

男は人混みに紛れ、あっという間に見失ってしまう。さらに、三浦さん自身が道に迷ってしまい、戻り方が分からなくなってしまうハプニングが発生。

三浦さん：「あれ、ここは……駅ビルの裏口？ うちの店はどっち……？ 迷子になっちゃいました～（泣）」

店を守るどころか、本人が行方不明に。スタッフが大慌てで三浦さんを捜索する事態になってしまった。

第三幕：杉山さん、“大胆張り込み”でまさかの攻防？

シーン：売り場の隅

次に行動を起こしたのは、元気ハツラツな杉山さん。大胆にも「張り込み」を決行することに。

杉山さん：「私は店内で客を装いながら、怪しい人がいたらすぐ追跡します。カツラとかマスクとかで変装したほうがいいですかね？」

宮本店長：「まさかそこまでは……。でも、いつもと違う場所から売り場を見てくれると助かるよ。」

杉山さんは普段とは違うナチュラルな服装に着替え、“お客様”のふりをしてバッグコーナーで待機。しかし、張り込みとはいえ元来の営業魂が抑えられず……！

杉山さん：「あ、すみません～！ そのバッグ、素敵ですよ！ ぜひ手に取ってみませんか？ あ、いえ、私はただの通りすがりの客なんですけど～（焦）」

うっかり接客モードに突入してしまい、明らかに不審者を見張るどころか普通に接客してしまう。さらに何とか怪しそうな客を見つけても、「今日はご購入されませんか？ これすごくおすすめなんですけど！」と営業トークで迫りすぎて、相手が逃げていくという失態を繰り返す。

清水さん：「杉山さん、張り込みが目的なのに、熱くなりすぎ……。完全に営業してるじゃないの……。」

第四幕：清水さんの冷静な分析が導く意外な真実

シーン：バックヤード・パソコンの前

一方、清水さんは店内の在庫データや売り上げ実績、事件が起きた時間帯を綿密に分析していた。

清水さん：「えーっと、万引きが多発しているのは夕方から夜の時間帯……特に小物雑貨コーナーが狙われてるみたい。でも不思議なのは、この中で“実際には売り上げになっている”商品も混じってること。……誰かが二重に勘違いしている可能性があるわね。」

彼女がデータを見比べると、どうも“在庫と売り上げ”のミスマッチが一部で発生しているらしい。すぐに宮本店長に報告する清水さん。

清水さん：「店長、これって万引きだけが原因じゃないですよ。もしかすると、“レジの打ち間違い”が重なって商品数が合わなくなっていることもあるんじゃないでしょうか。」

宮本店長：「なるほど……。確かにそれも見逃せない。万引きだけが犯人じゃない可能性があるってことか。」

清水さん：「ええ。万引きは確かにあるかもしれないけど、ヒューマンエラーも加わって数字がおかしくなってるのかもしれません。」

第五幕：店長自ら防犯カメラ解析、意外な映像が…？

シーン：監視カメラ室

スタッフたちがあちこち奔走する中、宮本店長は自ら防犯カメラの映像をチェック。ところが、万引き犯の瞬間はなかなか映っていない。代わりに不審な映像をいくつも発見してしまう――！

• 映像1：三浦さんがポスターに話しかけているシーン。（以前やらかした、あの天然事件）

• 映像2：杉山さんが商品の試着をしながら「これイケてますか？」と独り言を延々と語るシーン。

• 映像3：清水さんがレジ前で無表情のまま、謎の自作メモを書いてる様子。

• 映像4：そして極め付けは――宮本店長自身が閉店後、こっそり売り場の鏡に向かってラップの練習をしている様子…！

店長は思わず大声を上げる。

宮本店長：「うわー！！ こんなのが録画されてたなんて……恥ずかしすぎる……。肝心の犯人はどこにも映ってないじゃないか……（涙）」

結局、その日は決定的な万引き犯の姿は映像に残っておらず、“スタッフたちの恥ずかしい姿”だけが大量に見つかる結果となった。

結末：防犯体制強化＆店長の決め台詞

閉店後、店内で反省会が開かれる。三浦さんは相変わらず迷子になるし、杉山さんは張り込みより接客に熱心だし、肝心の店長映像はラップ練習……。

三浦さん：「ごめんなさい、私が追いかけたりしたら逆に迷子になっちゃって……」

杉山さん：「私も張り込みしようと思ったのに、お客様が話しかけてきたらつい営業しちゃって……」

清水さん：「ま、万引きが完全に消えたわけじゃないだろうけど、レジの打ち間違いとかをチェックすれば被害は減るはず。あとはもっと防犯カメラの位置を増やすとか、警備員を置くとか考えた方がいいですね。」

宮本店長：「うん……今回は反省点も多いけど、みんなが必死に動いてくれたことは嬉しいよ。それに、ラップ映像は今すぐ消してくれ！ これは命令だ（笑）。」

全員大爆笑。万引き対策がきっかけだったはずが、結局スタッフたちの天然ぶりや店長の秘密が露わになっただけというオチに……。とはいえ、冷静な清水さんの分析もあり、防犯体制の改善策はバッチリ見えてきた。今日もまた、エレガンスストアは笑いと騒動に包まれつつ、明日に向かって一歩ずつ成長を続けるのであった。

（終）