草薙カフェ・お菓子騒動—まるみとおばあちゃんのヒミツレシピ

〔1. 新しくできた草薙カフェと、おばあちゃんの巻物〕

静岡市の草薙駅近くに、つい先日オープンしたばかりの小さなカフェがある。店内はこじゃれた内装(ないそう)にこだわっていて、大学生やOLがおしゃべりに訪れる人気(にんき)スポットになりつつある。そんなある日、小学4年生のまるみが、おばあちゃん（おっとりした性格）と家でお茶を飲みながら、ふと思いついた。

まるみ「ねえ、おばあちゃん。あの ‘ヒミツのお菓子’ レシピ、今度カフェで出せば人気になるんじゃない？」おばあちゃん「あらあら、あれは代々(だいだい)伝わる ‘草薙まんじゅう’ の作り方だけど… 古い巻物に書かれてるから、今風にアレンジしないと難しいかもしれないわよ。」

まるみは好奇心(こうきしん)がムクムクと湧(わ)き、ワクワクしてきた。

〔2. カフェ店主の“奇抜(きばつ)”アイデアにみんな困惑(こんわく)〕

まるみはカフェにそのアイデアを持ち込むと、カフェ店主（三谷幸喜的に凝(こ)り性で妙(みょう)な演出を好む）が大喜び。

店主「おお、地元の伝統(でんとう)お菓子を出すなんて素晴らしい！ じゃあメニュー名は『草薙スイートエクスカリバー』とかどう！？ カッコよくない？」

まるみもおばあちゃんも「えぇ〜？ それ変(へん)じゃない？」と即(そく)ツッコミ。店主は「だって剣(けん)がモチーフ(もちーふ)の地名(ちめい)でしょ？ カッコいいじゃん！」とノリノリだが、周りは微妙(びみょう)な空気(くうき)に包(つつ)まれる。

〔3. 巻物の古い文字が読(よ)めない！ 大ピンチ〕

早速(さっそく)、おばあちゃんが家から持(も)ってきた**巻物(まきもの)**を開(ひら)いてみるが、そこには達筆(たっぴつ)な筆文字(ふでもじ)がビッシリ。「うわぁ、読めな〜い」「砂糖(さとう)大さじなのか小さじなのか……」など混乱(こんらん)が次々。まるみは「こんなんじゃ作り方わかんないよ〜」と嘆(なげ)き、店主も「ここは醤油(しょうゆ)…？ いや砂糖？ どっち？」と頭を抱(かか)える。大学生の常連(じょうれん)客が「スマホで翻訳アプリ使えば？」などと提案するが、うまくいかず。

〔4. SNSに上げたいOL＆大学生 vs 焦(あせ)る店主〕

ちょうど居合わせたOLや大学生の常連客たちも、「新メニューが出来たら映(ば)える写真をSNSにアップしようよ！」と盛(も)り上(あ)がり、店主は「早く完成させねば…！」とさらに焦(あせ)る。しかし肝心(かんじん)のレシピは読めず、試行錯誤(しこうさくご)しながら作ってみても、味(あじ)がひたすら甘すぎたり、逆(ぎゃく)にしょっぱかったり。「やばい、これは……売(う)り物にならん」と店主が頭(あたま)を抱(かか)える場面連発。

〔5. 試作地獄(じごく)と、まるみのおばあちゃん“手さばき”にヒント〕

試作(しさく)は何度(なんど)も続き、カフェのキッチンは粉まみれ。まるみは混乱(こんらん)しながらもおばあちゃんを手伝(てつだ)う。そんななか、おばあちゃんが自宅(じたく)で普段作っている“草薙まんじゅう”の手さばきを見ていたまるみは、ふと気づく。「あれ、レシピだと‘砂糖多め’みたいに書かれてるけど、おばあちゃんは逆(ぎゃく)に減(へ)らしてるよね…？」おばあちゃんが「うーん、昔(むかし)は甘(あま)いのがよかったけど、今はこの分量(ぶんりょう)だと現代人(げんだいじん)には甘すぎるし、いつも適当に加減(かげん)してるんだよ」と微笑(ほほえ)む。まるみは「そ、そういうことか！ このレシピは昔と違(ちが)ってるし、実際(じっさい)の作り方とまるで逆(ぎゃく)なんだ…！」と叫(さけ)び、店主に報告(ほうこく)。

〔6. ほんのり醤油(しょうゆ)香る不思議スイーツ完成〕

まるみのアイデアで、レシピと現代の味覚(みかく)を合わせる形(かたち)に調整(ちょうせい)することに。醤油(しょうゆ)の量(りょう)も少し加減(かげん)してみると、ほのかに香(かお)る和(わ)テイストが意外(いがい)に美味(おい)しい！おばあちゃんは試食(ししょく)しながら、「あら、こっちのほうが今の人には受(う)けそうね」と納得(なっとく)。店主は感動(かんどう)のあまり「おぉ、これぞ**『草薙スイートエクスカリバー』**の完成じゃあ！」と叫(さけ)ぶが、みんなから「だからその名前やめて〜！」と苦笑(くしょう)。

〔7. 大成功！ だけどやっぱり“草薙まんじゅう”でいいよね〕

こうして不思議なお菓子が完成(かんせい)し、カフェの新メニューとして出(だ)したところ、大学生やOLがSNSで拡散(かくさん)してくれて、大人気(だいにんき)に。まるみもおばあちゃんと一緒(いっしょ)に「うわーこんなにお客(きゃく)さん来るんだ！」と驚(おどろ)く。しかしおばあちゃんは「わしらは昔(むかし)から**‘草薙まんじゅう’**って呼んできたから、そう呼んでほしいけど…」と笑(わら)う。店主も「そっちのほうが親しみあるか…」と渋々(しぶしぶ)譲(ゆず)る形(かたち)に。イベント的な派手(はで)さこそ減(へ)るが、お店には優(やさ)しい雰囲気(ふんいき)が流(なが)れ、皆(みな)ほっこり。

〔エピローグ：まるみとおばあちゃん、家で食べるのが一番♪〕

大騒ぎの末(すえ)、カフェは新メニュー「草薙まんじゅう（改め）」が大好評(だいこうひょう)。店主も「よ〜し、次(つぎ)はどんな演出(えんしゅつ)にしようか？」と、また妙(みょう)なアイデアを練(ね)り始(はじ)めるが、まるみとおばあちゃんは適当に「はいはい」とスルー。家に帰ると、まるみはおばあちゃんと一緒に改めてまんじゅうを作り、2人でこたつ(またはテーブル)に座(すわ)ってほおばる。

まるみ「やっぱり家で食べるのが一番おいしいね！」おばあちゃん「そうだねぇ。昔(むかし)からの味(あじ)って、どこか落ち着くねぇ。」二人は顔を見合わせてクスクス笑(わら)い合い、ほんわかした気持ちで締(し)めくくり。こうして「草薙カフェ・お菓子騒動—まるみとおばあちゃんのヒミツレシピ」は、大騒動(だいそうどう)ながらも大成功(だいせいこう)に終(お)わり、ほのぼのした余韻(よいん)を残(のこ)して幕(まく)を下(お)ろすのだった。